カテゴリー別アーカイブ: C43 「滋賀の家」

「滋賀の家」‐14‐webサイトもクライアントとつくる

 「滋賀の家」のサイトをようやくUPしました。

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 webサイトは、クライアントに確認して貰い、意見を聞いて修正します。何枚かの写真を変更、追加しました。

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 折角このような自然の中の建物ですので ゲツモク日記の「家が揺れる大音量‐1162‐」の中の奇麗な夕日のショットとか、お友達とお茶するときにコーヒーとデザートプレートを出すと「ほんとのCafeに来たみたい」と感動してくれるので、デザートプレートのカットなんかどうかなと。

 また犬とは違うメッセージも込めてほしいなと感じました。

 家が揺れる大音量、は家造りの過程には入らないものでしょうか。夕景のショットや楽しくお茶や食事をしているところもよい雰囲気だなと思うのですが…

 素人目線ですが、感想を送らせていただきます。

 クライアントからこのような感想を貰い、以下のようなカットも加えました。

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SONY DSC

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 建築だけでなく、イメージが広がる写真を加えることを心がけています。

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 他のクライアントですが「私は人が創る“モノ”が好きなんだと思います」と言っていました。

 建築は、人を抜きにして成立しません。モノであってもそれだけではないのです。

 1年後の感想も、抜粋して掲載させて貰いました。

 何十年も前からこの土地を知っているのに建築で全く違う居心地の良い空間になり、この土地の魅力を最大限に引き出していただいた事に驚きと喜びを感じています。

 こちらのわがままな注文も、何故そのように思うのかをまず理解しようとしてくださりその上で守谷さんの考えを丁寧に話しプロとしての提案をしてくださいます。

 とにかく全力で向き合ってくださる建築家です。だから十人十色それぞれの住み手にとって思いの詰まった最高の建物になるのだと思います。

 至らなかった部分のコメントも貰い、全てが今後の糧となります。また、ここまで書いて頂き、感謝以外にありません。

 全てが終るまで、どんな感想を貰えるかは分りません。それでも、必ずここに至ると決めてスタートします。

 建築とは未来の幸せの形。共に戦えば、それは必ず手に入ると信じているからです。 

文責:守谷 昌紀

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「滋賀の家」‐13‐老梅とドッグランのある家

 昨年秋に引渡しを終えた滋賀の家。

 少しずつ進んでいた、外構工事もようやく完成しました。

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 外構計画のお手伝いはしましたが、ご主人が知人の土木工事会社へ依頼。ようやくここに至ったのです。

 これらの写真は、全てご主人の撮影です。

 写真は……とありましたが、その熱意と共に十分伝わってきます。

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 敷地が大きかったので、どこまでを庭とするのか、計画た当初からの課題でした。 

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 従来からの正門、新たに整備されたメインアプローチと、どちらからもアプローチ出来きます。

 本当の意味での建物の顔はどちらなのかも、考えさせられた仕事でした。

 そうしていると、奥さんからも写真が届きました。

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 フキノトウ。

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 梅が顔を出しましたという写真もあり、春を感じさせるものでした。

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 工事に伴い3回も移植した老梅ですが「枯れても仕方ないからトライして欲しい」と言われました。

 結果、見事に花を咲かせたのです。

 プロであるが故、難しい、難しいと言ってしまいがちですが、自然はもっと逞しいものです。

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 奥さんの念願は、犬仲間が集ってのお茶をすることでした。

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  とっても感動してくれた友人は、午後にお茶をしていたのですが「気持ちが良く、とっても居心地がいいね。次は是非、朝の光も浴びてみたいのでモーニングコーヒーを入れてね♡って言うんですよ(笑)

 というメッセージも貰いました。奥さんは、朝が得意だったか……

 是非、モーニングコーヒーをお願いします(笑)

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 奥さんの「ワンちゃん連れのお友達と、安心してゆっくりお茶したい」という思いが、ドッグランのある家を現実させました。

 何事も、純粋な動機が一番大切だとよく分かります。

 奥さんも写真は……とありました。しかし、伝えたいと思ってくれる気持ちがあれば十分です。

 言葉も、写真も、設計も、そういった意味では気持ちが全てだと思います。

 春先の撮影が、益々楽しみになってきました。

文責:守谷 昌紀

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「滋賀の家」‐12‐マジックはない

 昨年後半から、実施設計→見積→見積り調整と「見積り調整」が集中。

 なかなか現場が始まりません。

 と言うことは、まとめて始まるのですが、やはり現場が動いていないと物足りないものです。現場にのみ真実があるのですから。

 元現場、今は住居。「滋賀の家」の奥様から写真が届きました。

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 この計画では、予算調整の中で、外構工事が別途工事になりました。

 外構工事は「工程的に最後になる」「完成していなくても暮らせる」等の理由から、別途工事になったり、二期工事(後でする工事)になることがあります。

 この住宅もそうだったのですが、建物完成後、ご夫妻が地元の土木工事会社に見積りを依頼。ようやく年末、完成に至りました。

 私もアドバイスをさせて貰いましたが、基本的にはクラアントが現場を監理されたのです。

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 年始にかけて、京都が大雪だったとは聞いていたのですが、滋賀もかなり降ったようです。

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 建築の仕事にマジックはありません。適正な価格で、少しでも良いものを創るには、一手間も二手間も掛けなければなりません。

 私たちもハードワークは厭わないつもりですが、クライアントの本気度に、建築は大きく影響を受けるのです。

 広い庭にある、ドッグランも完成したよう。少し緑が戻つ頃、撮影に行こうと思っています。

文責:守谷 昌紀

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【News】
『ハウジング9月号』7月19日発売に「あちこちでお茶できる家」掲載■『大改造!!劇的ビフォーアフター』9月20日に「住之江の元長屋」再放送

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「滋賀の家」‐11‐外出したくなくなる

 昨日、クライアントからメールが届きました。

 朝晩少し冷える様になりましたね。

 今日は、秋晴れでとても気持ちが良い日です。こんな日は外出したくなくなる程、居心地がいいです。

 随所に守谷さんのアドバイスや田辺さんの心遣いが詰まっていて打ち合わせの頃が懐かしいです。

 こんな素敵な家を設計していただいて本当にありがとうございました。

 今の時期、午前中はキッチンカウンターまで日が当たります。チロルも気持ち良さそうに日向ぼっこ〜♪

 木も少し色づいてきました。景色が奇麗なので下手ですが写真を撮ってみたのでお送りします。(これからもっと色づくのですが)

 外構の方は、11月入ってから始まるようで、今年の秋は、ドックランやテラスでのBBQはおあずけになりそうです。

 気温の差が大きいのでお体に気をつけてくださいね。

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 黄色に色づくのは、矢場に植えられた桜。吹抜からみる事が出来ます。

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1階からは、同じ桜を横から眺めます。

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 が、主役は愛犬。

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 ル・コルビジェは「建築それは陽光のもとでの形態の正確かつ壮麗なるたわむれ」と言いました。

 陽光のもとでの壮麗なるたわむれを、チロルが体全体で表現してくれます。

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 吹抜から日が差す写真は「このほうが良いかな」と、2回送ってくれました。

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 チロルの写真は「こっちのほうが可愛い?」「バックはこちらがいいかも」と、3回送ってくれました。

 一応設計者としての日記なので、可愛さと、背景の総合点で選びました。

 「外出したくなくなる」は最も嬉しいメッセージです。

 人は陽光、そして新鮮な空気を求めます。風と言い換えても良いかもしれません。

 それらを、過不足なく、安定した内部空で得ることができる。それが私の目指す「家」。

 形式張って書きましたが、少しでも幸せに貢献できれば、ロジックなんて何だっていいのですが。

文責:守谷 昌紀

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「滋賀の家」‐10‐家+庭=家庭

 引越して1ヶ月。「滋賀の家」に行ってきました。

 初めて家具の揃った景色を見ます。

イスとテーブルは、塗装をやり直したもの。古い塗装は、ご主人がバフで削り取ったという力作です。

 吹抜に面してあるのはセカンドリビング。当初より、奥さんの希望にありました。

 ここは奥さんのホームオフィスでもあります。土塁の緑が目に入ってくるようデザインしました。

 「とっても気持ちいい」とのこと。

 ご主人は「朝起きて、庭にでての一服がもう……」と。本数の方は、是非少なめでお願いします。

 お盆は凄い雨だったそうです。庭にもかなりの溜まったので、排水ポンプで堀へ排出したとのこと。

 それもあり、広い庭をどうするかの打合せでした。

 家+庭=家庭

 これは、ある造園家に教えて貰った言葉です。都心部の小さな外部とはまた違った、面白みがありますが、かなりの広さがあるので、徐々に作り上げていく計画です。

 ひとまずドッグランは、秋のうちに完成するでしょうか。

文責:守谷 昌紀

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「滋賀の家」‐9‐結果は1つ、アプローチは無限

 7月29日(火)、大阪駅から新快速に乗り、現場まで1時間半ほど。

 打合せ30回目、現地へ24回目。この日の完了検査で概ね一区切りです。

 ん?

 一部足場が残っている。前回工事が終っておらず、再検査になっていました。

 しかし何とか完了検査も合格。

 ついに空間の全容をみることが出来ました。キッチンからの景色は、この立地条件ならでは。

 西日を遮り、浮いたテレビスペースは、大工工事、家具工事の合作です。

 奥さんは「終るのが寂しい」と言うくらい楽しんで貰えたようです。家づくりは、最高に楽しいもの。これは間違いありません。

 住まい手のセンス、好みを十分に理解し、環境を活かす。

 そして素材を料理し、唯一無二の建築を創る。

 これがが私達の仕事です。

 奥さんの意見を尊重するべきか、自分の考えを伝えるべきか。迷った場面が何度かありました。

 しかし、どれが正解というものはありません。結果は1つですが、アプローチは無限にあるからです。

 それが分かると、仕事ほど楽しいものはありません。

文責:守谷 昌紀

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「滋賀の家」‐8‐人いきれ

 今日の大阪は36度。

 37度の予報もあり、もう40度が目前。まるで砂漠の中にいるようです。

 いつもは涼しい現場も、昨日は35度近くあったでしょうか。

 汗が噴出してきます。

 クロスに糊をつける機械がサンルームに据えられました。

 仕上げ工事も佳境に入りました。

 内装、家具、塗装と、多くの職人が入り、人口密度はかなり高め。

 人いきれで蒸せかえっています。

 塗装工事も終盤の仕事です。彼らは、青・赤・黄のペンキがあれば、どんな色でも作ります。

 初めて現場で見たときは、感動しました。感覚がものを言う、これぞプロの技術。

 「いきれ」は「熱れ」が語源のよう。最終的に出来を左右するのは、熱の総量です。

 7月末の引渡しに向けて、今年も熱い夏になりそう。

文責:守谷 昌紀

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「滋賀の家」‐7‐信長の野望

 今週の火曜日、久しぶりに車で現場へ行きました。

 模型を持って行くと、大工親子が熱心に見てくれます。

 「先に模型を見ていたら、イメージが沸きやすかったかも」と。

 実際に作るのは現場の人達。何度か持っていったつもりでしたが……このあたりのケアは、改善の余地ありです。

 現地へ向かう途中、段々と田圃が増えてきます。広大な平地と、枯れることのない琵琶湖。

 信長もこの地を欲しがった訳です。

 この家には冠木門があります。そこに、隠し扉があるのです。

 和紙にくるまれた修理歴が収められていました。

 天正年間に織田信長が攻め寄せ、門を燃やした。

 その後、門を再建、今度は大風で倒れた。

 門を直した時期と大工の名前が書かれています。

 最後の修理歴は昭和9年。

 「信長の野望」というゲームがありました。

 ここにあった元城も、そのターゲットとなっていました。信長恐るべしです。門の修理暦が残っているが、家の修理暦は残っていない。
どれ程、門が重要視されていたかも良く分かります。

 野望と夢に違いがあるなら、他者との利害でしょうか。

 夢の実現は、誰にも迷惑を掛けませんが、野望はそうではない。しかし、真剣勝負であることに変わりはありません。

 工事も残すところ1ヶ月になりました。しかし、この現場は雰囲気がいい。

文責:守谷 昌紀

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「滋賀の家」‐6‐親子大工

 6月4日(水)、関西の梅雨入りが発表されました。

 火曜日は、梅雨入り前の最後の晴れ間。

 風が気持ちよい、最高の現場日和でした。


 リビング・ダイニングには大きな吹抜けがあります。

 前回までは足場があったので、ぐっと開放的になりました。


 階段も完成。

 2階に上がると、吹抜けに面したセカンドリビングがあります。

 ここから、南に広がる森が見下ろせるのです。


 1階は棟梁の担当。

 2階は息子さんが担当。

 こういったケースは結構あります。親子で同じ仕事をするのは私の憧れでもあります。

 親子大工に支えられ、梅雨が明けるころには完成の予定。

文責:守谷 昌紀

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「滋賀の家」‐5‐景色を切り取る

 3月からUPしていなかった滋賀の家。

 工事は順調に進んでします。

 桜の見ごろは4月中旬くらいでした。土手に咲く見事な1本。

 堀は淡桃色に染まります。

 反対の土塁側が南からの景色。

 庭にはスイセンも咲いています。

 これらの景色をどう取り込むか。

 開口部は慎重に計画しました。

 南には、サンルームも張り出しています。 ここでお茶を飲みながら、庭で遊ぶ犬を眺めている。

 そんな景色をイメージしています。

 深い位置に切られた上下の開口。 それらにはさまれるのはテレビ台です。

 テレビがあまり前面にでてこないよう、考えました。

 どこまで光をコントロールできているか。 どのような景色が切り取られているか。

 次回打合せにはシートが取れ、その結果がを見れそうです。

文責:守谷 昌紀

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