「ときめく紺色の家〈リノベーション〉」エレクトロンチャージャー研究所‐6‐

 現場の足場に、横断幕を揚げました。

 クライアントによると、前回外壁を塗り替えた際は、塗装会社が横断幕を揚げると通行人から仕事の依頼があったそう。

 そのくらい、通行量が多い道ということです。

 現場のほうは壁下地が出来上がり、断熱材を敷設している段階でした。

 この日はスイッチ、コンセント等の位置決め。

 数ある現場打合せの中でも、5時間は掛かる最も内容の多い回です。

 スタッフが何人か居る時は、先に行って準備をして貰うのですが、現在余剰人員はゼロ。

 早起きして、ひとりで現場へ向かいます。

 キッチン周りは、調理上の使い勝手、ガスコンセントがあったりと、繊細な場所です。

 LDKにはオーディオとスピーカー、またテレビをどこから観るか等、こちらも入念な打合せが必要です。

 天井が高いので、特に照明の配置には時間を割きました。

 監督は後ろの予定が決まっていたのですが、4時間半で何とか一通り回ることができました。

 現場担当者から新たに貰った、活性炭入り土間の写真です。
#アト

 クライアントの会社の製品だと書きましたが、会社のサイトを紹介して貰って構わないとのこと。

エレクトロンチャージャー研究所

 家庭用電位治療器、電子水装置などを製造している会社ですが、活性炭、備長炭などの商品もあります。

 それを今回モルタルに混ぜていますが、クライアントのブログにもUPされていました。

 お父様が創業された会社ですが、「研究所」という名前に、知的なものを感じますし、どこか憧れのようなものもあるのです。

 横断幕の件は、ずっと前から「いい宣伝になると思いますよ」とクライアントに言われていました。

 しかし、なかなか揚げないので「もう仕事は要らないからなのかと思ってました」と笑われてしまったのです。

 資格試験の合格ラインが75点なら、75点丁度で通るなど至難の業です。

 ということは、常に許容量を超えるくらいの仕事があり、懸命に働くしか会社が存続する方法はありません。丁度合格点を狙うよりはずっと簡単です。

 非常事態宣言が出た今、多くの人が働けることの有難味を感じているはずです。

 勿論私も同じ。

 横断幕を揚げさせて貰うお礼にはなりませんが、タイトルに揚げてみます。

文責:守谷 昌紀

■■■4月8日『Sumikata』東急リバブル発行に
巻頭インタビューが掲載されました

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【News】

■2月13日 『Best of Houzz』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞
■2月3日 『Houzzの特集記事』「阿倍野の長屋」が取り上げられました
■12月3日 『Houzzユーザーが選んだ人気写真:キッチン編』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が5位に選出
■9月30日発売『suumoリフォーム 実例&会社が見つかる本 関西版』「回遊できる家」掲載
■7月21日BS朝日『大改造!!劇的ビフォーアフター』「住之江の元長屋」再放送
「トレジャーキッズたかどの保育園」
地域情報サイトに掲載されました

■2017年11月27日ギャラクシーブックスから出版『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀がamazon <民家・住宅論>で1位になりました

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◇一級建築士事務所 アトリエ m◇
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記

住み継ぐ「コンクリート打放し H型プランの平屋」‐1‐プロローグ

2017年の6月、「新築、リノベーションの両方を考えている」という相談を貰った。

大阪府内の旧家で、門や蔵等が残っている。

正門は戦前からのもので、背の低い舞良戸が昭和初期の佇まいを残している。

南から正門をくぐると、石畳が北へと誘う。

すると、仏間と呼ばれている棟に突き当たる。

南北に縁側をもつ古き良き日本家屋で、この棟をフルリノベーションするという案もあった。

他の棟も調査し、かなり大規模なリノベーションの提案となったのだ。

軒の深い建物は外と内のつながりが何とも穏やかだ。

良いものになると確信していたが、紆余曲折あって仏間棟を取り壊し、新築することになった。

コンクリート打放しの平屋を建てるという選択肢に行きついたのだ。

少し視点を下げると、蔵に挟まれた門の奥に配置されているのが分かって貰えるだろうか。

深い軒は踏襲する事にした。

特徴は、広い敷地を活かした「H型プラン」だが、この配置なら全ての部屋に光と風が過不足なく届く。

北棟には水廻りや来客スペースを集めた。

南棟は、広い南の庭につながるプラベート空間が3つ並んでいる。

左右に主寝室と子供部屋。中央にLDKという配置だ。

アプローチは北側からで、エントランス前まで車で寄り付けるよう考えている。

旧家と言われるご家族の住宅を何件か設計させて貰った。

大きく意識が違うと感じるのが「住み継ぐ」という考えだ。

曽祖父が豪農だった。祖父が商いで成功した。経緯はそれぞれだが、財を成した先祖へ対する敬意と土地に対する愛着が非常に大きい。

「大きな敷地で羨ましい」というのが、私も含めた庶民の率直な気持ちだが、受け継ぎ、引き継ぐという重圧はかなり大きなものだと感じる。

ここで暮らすのはご夫妻と小さなお子さんだが、彼も含めて、二代、三代と「住み継ぎたい」と思って貰えるようなものを目指した。

解体工事や補修工事もかなりある。竣工は年末か年始あたりだろうか。

安藤忠雄によって広く認知されたコンクリート打放しだが、日本建築の財産でもある。

環境と共に生きる、美しく、幸せな打ち放しの家を必ず実現させたいと思う。

文責:守谷 昌紀

■■■4月8日『Sumikata』東急リバブル発行に
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「ときめく紺色の家〈リノベーション〉」‐4‐活性炭入り真っ黒土間

 世間の状況をよそに晴天が続きます。

 紫外線がウィルスをやっつけてくれるなら、これ程嬉しいことはないのですが。

 解体が終わり、2階が見渡せるようになりました。

 この解放感こそが、LDKを最上階に上げる価値でしょう。

 屋根裏は、リノベーションにおいての宝の山。

 東面が寄棟になっているのですが、屋根面直下に下地を組み終った状態です。

 こうした手間暇掛かったところに物語が生まれ、空間の質を上げてくれるのです。

 1階は個室が並ぶので、ここからどんどん壁が出来上がって行きます。

 床下をのぞくと、モルタルが黒っぽいのが伝わるでしょうか。

 実は活性炭入りのモルタルなのです。

 築20年を越える建物は、床下をのぞくと地面が見えているケースが多くあります。

 フルリノベーションするなら、防湿ラインを設けるためのコンクリート打設が理想です。

 コストを考えるなら、モルタルを敷設するだけでも床下環境はかなり良くなります。

 今回は更に活性炭を混ぜているのです。

 無機質のセメントに活性炭を混ぜることによって有機質となり、鉄筋等の錆び防止になるそうです。

 また、セメント臭がなくなったり、害虫を寄せ付けないという効果も期待できるとのことでした。

 これらはクライアントの会社の商品で、1回分ずつ小分けにして現場搬入してくれました。

 1回につくるモルタルが0.1㎥なので、4㎏の活性炭を混入します。

 ミキサーで攪拌。

 ポンプで現場までおくります。

 その色の見事なこと。

 コテで押さえた景色は、芸術品レベルでした。

 このような時期なので、打合せも一間(1.82m)離れてマスク越しです。

 浴室にも特別な設備が入る予定なのでまた紹介したいと思います。

 玄関庇の上で、その庇の打合せをする棟梁。

 現場につき換気は十分です。しかし慎重に、慎重に工事は進んで行きます。

文責:守谷 昌紀

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「ときめく紺色の家〈リノベーション〉」‐3‐骨だけ丸裸改修のたておこし

 新年度が始まりました。

 世界的にも大変な状況ではありますが、状況に配慮しながらも、するべき仕事をするだけです。

 こちらの計画は解体工事がおわり、外壁が無い状態になりました。

 一旦、この骨組みだけの状態までもっていく改修工事を「スケルトン・リノベーション」と言ったりします。

 スケルトンは骨格を意味するので「骨だけ丸裸改修」といった感じでしょうか。

 1階の斜めに入っているのは仮筋交いです。

 木が白いので今回工事されたものだと分かります。

 2階は更に骨組感が強いのですが、こちらも仮筋かいが見えています。

 竣工後、時間が経っている建物は、地盤の不同沈下により多少傾いていることが多いのですが、こちらの建物もそうでした。

 ここまで外壁を取ってしまうと、多少なら人力で建物の傾きを修正することができます。

 修正した時点で骨組みを仮筋交いで固定したのがこの状態で、この工事を「たておこし」と言います。

 いわば建物の骨格矯正。

 矯正の終わった建物に、サッシを取り付けて行きます。

 北向きに、大きなFIX窓。

 南東角は大きな開口をL字に配置しました。

 かなりの視野が確保できると思います。

 この日の打合せは、大工チームが掃除を始めるまで続きました。

 それを「楽しい」と言ってくれると、現場も、監督も、そして私もやはり嬉しいですし、現場の雰囲気は極めて良いものになります。

 引いては、掃除にも力が入り、現場は美しくなり、工事の質も上がりと、良い連鎖ばかりが起ります。

 釘も1本多めに打っておこうかとなったり、ならなかったり……

 仕事中は人でない人が増えたと言えば言い過ぎでしょうか。

 機械のような声で、日々何百も営業電話をしているだろう人に、若いころは良く言っていました。

 「相手も喜んでくれる仕事を探したら」

 余計なお世話です。そんな事を言ったら、訴えられかねない時代になりました。

 ただ、人が人らしく仕事をすることは、決して権利などではないと思っているのです。

文責:守谷 昌紀

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松原/脳神経外科「うえだクリニック」‐13‐前向きであるということ

 年始から、4度延期させて貰っていた「うえだクリニック」の撮影ですが、ようやく晴れてくれました。

 前日までの予報は、晴れと曇りが半々くらいの予報。

 天気図を見ていると、午前中に1回くらいは晴れるチャンスがあるだろうと決行しました。
 
 結論で言えば、本当にチャンスは1度だけで、冷や冷やしたのですが。

 このクリニックはかなり大きいので、私の役割はほぼサポート一辺倒です。

 自分のカメラでも、色々撮りたかったのですが、数えるほどしかカメラを構える機会がありませんでした。

 勿論、折角プロにお願いしているので、職能を存分に発揮して貰うのが一番です。

 今回は、知り合いの建築家に紹介して貰った、冨田英次さんにお願いしました。

 私より少し若いですが、同じような年代で気さくな人です。

 前の道の人通りの多さには絶句していましたが。

 15時くらいまで掛かって、何とか午前の部が終了。

 2階のスタッフエリアがかなり充実しているので、バックヤードは私が撮ります。

 前クリニックはこれらのスペースがなく、転院の大きな動機となったので、重要な部分でもあります。

 院長も来られていたので、無理を言ってトレーニング風景も撮らせて頂きました。

 院長だけでなく、スタッフの中にトレッドミルで走っている人もいるという、何とも健康なクリニックなのです。

 シャワールームがあれば、ちょっと走ろうかという気分になりやすいでしょう。

 当社のトイレにも、実はシャワーを備えているのですが、別室はかなり羨ましいものがあります。

 院長は、富士山をマラソンで走って登ったり、160kmマラソンに出るレベルで完全なるアスリートなのです。

 夕景撮影時は、雨もぱらつきましたがギリギリセーフという感じ。何とか撮影を終了しました。

 極めて前向きな院長のパーソナリティが、この計画を成功へと導いてくれたのは間違いありません。

 コロナウィルスの件も「今回の経済状態の悪化を教材に、不況を知らない子供たちに教育できる機会と前向きに考えています」と言っておられました。

 成功したいる人で、ネガティブな人とはたったの一人も会ったことがありません。

 人は弱いものですから、環境に左右もされるし、嘆きたくもなります。

 しかし、環境の奴隷であるだけでは、折角万物の霊長という看板を外さなければなりません。

 夜家に帰ってから、暇をもて余している子供達に、「何処か行きたいところってある?」と聞くと、娘が「ボーリング!」と即答でした。

 「いやあ、ボウリングは密室だし、ちょっと……」と答えると、「島根へ行ったらいいやん!」と。

 なるほど、その手があったか!と思わず膝を叩きました。よって、来週のどこかにボウリング遠征へ行くことに決定しました。

 ポジティブである事とは、行きたいところがある、見たい景色があるということだと、改めて気付かされたのです。

 大人になっても、仕事を始めても、このくらい前向きあってくれたらと願うのですが。

文責:守谷 昌紀

■■■2月13日 『Best of Houzz』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞

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「ときめく紺色の家〈リノベーション〉」‐2‐人は忘れる

 リノベーションは解体撤去工事から始まります。

 重機では解体は出来ないので、全て職人による「手バラシ」。

 この日は5人掛かりで、2階の壁が一気に無くなりました。

 床に穴を開けて、1階にガラを落として行きます。

 この日はクライアントと現場打合せでしたが、25年住んだ家なので、感慨深いものもあると思います。

 などと思っていたら、2階のガラで1階があっという間に一杯になりました。

 もうもうと埃が舞う中。

 手作業で分別して、トラックに積んで行きます。

 楽な仕事などひとつもありませんが、本当に感謝の気持ちしか沸いてきません。

 屋根裏から、上棟式の際の御幣がでてきました。

 クライアントに「懐かしいですか?」と聞くと、「あんまり覚えてなくって……」と。

 25歳で自宅を建てられてので、感慨深いだろうと思い聞いてみたのですが、ちょっとずっこけました。

 DNAの中には、全人生の記憶が残されているそうです。

 映画等で、車ごと谷底へ落ちて行く際、走馬燈のように記憶が蘇るシーンがありますが、あれは本当なのだと教えて貰いました。

 もしそうなら、本気の危機感を持っていれば、テストでも100点が取れた訳ですが、自在に操るのは難しいようです、

 人は歯ぎしりするほどの悔しい事や、立ち直れないかもと思うような悲しみも、忘れられるから生きて行けると言えます。

 だからこそ、人は人の心に残りたいのだと思います。

 時々、名刺に載せている作品を見て「あっ、この建物知ってますよ」と言って貰うことが時があります。

 私自身が、誰かの心に残らなくても構いません。もし建築が残ってくれたとしたら、これ以上光栄なことはありません。

 いつもそんな物創りが出来ればと思っています。

文責:守谷 昌紀

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「ときめく紺色の家〈リノベーション〉」‐1‐プロローグ

 大阪府郊外の住宅地。

 25歳の夫妻が、この地にいわゆる売り立て住宅を購入した。

 それから25年。

 子供達が社会人となったこともあり、これからのライフスタイルを考えたという。

 50歳という区切りに、人生の第2ステージにあった家とすることを決めたのだ。

 敷地は西側が道路で東西に長い。

 南の隣地が迫っていることもあり、主要な開口部はどうしても東西となる。

 1階にLDKと水廻りが集まる主要な生活空間だが、採光不足は否めない。

 2階には各個室があるのだが、やはり明るい。

 特に南東の隣地が平屋で、採光、通風、眺望のいずれもが期待できる。

 遠く東には二上山を望むのである。

 玄関を入ると、バイクが壁に吊り下げられている。

 私のクライアントは健康的な人ばかりだが、こちらの夫妻も非常に元気なおふたりだ。

 毎日バイクに乗る夫に、ジムに通う妻。

 打合せがある朝は、何故か私までジョギングにでてしまう。

 ときめく 笑顔でいられる 家にいる時間が大事 ファンキーetc

 キーワードは沢山でて来たが、外観を紺色とすることは、計画のスタートと同時に決まった。

 一番のポイントは、やはりLDKを2階へあげることに尽きるだろう。

 最も条件の良いところから、優先順位の高い空間を順に配置していった。

 天井も壁も取り払い1室大空間とすることで、ダイナミックな空間になると期待している。

 また、高い位置からの光を取り込めるよう、南側の窓はハイサイドとしている。

 1階には、入れ替わる形で各個室を配した。

 実は北東エリアの壁にカビがでており、これらの対策も万全を期している。

 若い頃はサーフィン、現在はバイクとマラソンと非常にアクティブな夫だが、音楽はレコードで聴きたいし、ゆっくりと読書するのが幸せな時間だという。

 反対に、街へ出掛けるのが大好きでおしゃれな妻と、非常にコントラストの効いた仲の良いご夫妻だ。

 この仕事をしていて思うのだが、本当に人の幸せは様々だ。まさに十人十色。

 そういえばこちらの夫妻は『住人十色』「回遊できる家」の回を観て、当社をメモしてくれたそうだ。

 番組のコピーには「家の数だけある 家族のカタチ」とある。

 家は未来の幸せの形

 これは私の変わらぬ信念でもある。

 2月末。解体から工事が始まる。

文責:守谷 昌紀

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「住吉区歯科医師会館」‐11‐およそ2年、サイトも完成

 9月下旬に撮影をした「住吉区歯科医師会館」のページが完成しました。

 先週末から、当社のサイトで公開しています。

 建物の正面は人で言えば顔にあたります。

 少しでも良い顔で撮ってあげたいと思うのが創り手の心情です。

 この日も天気は素晴らしく、うっすらと掛かる雲も僅かに夕日を受けて淡い色を映しこんでいます。

 写真家と「普段の行いが……」などと軽口をたたくのです。

 webサイトの構成は「分かりやすく」がまず一番ですが、建物の内部を歩いているような気持になって貰えたらとも考えています。

 加えて、より美しく、ドラマティックな写真があれば尚嬉しいのです。

 写真のアングルも色々ない考え方がありますが、基本「真正面」と思っています。

 しかし、それではどうしても伝わり難い空間もあります。

 この大会議室などもその例でしょうか。

 少し斜めから撮ったアングルのほうが、全体は伝わりやすいかなと思います。

 しかし、トップライトとmariane maiko matsuoの作品は、正面からとらえ直してもらいました。

 トップライトの上は、このような光庭です。

 言葉通り、採光専用に庭ですが、一番奥や側面にはルーバーも配し、風の流れもつくってあります。

 これらを囲むように、会長室、事務室、小会議室が並んでいます。

 会長室は、執務机から光庭を望むことができます。

 日々、忙しい診察の合間を縫って館に訪れる会長が、少しでも「気分がいい」と感じてくれたなら良いのですが。

 女子トイレ。

 男子トイレ。

 そして共用トイレ。

 このトイレは事務の方が使われるはずで、少し広めに設計しました。

 広い館を、いつもケアして下さる訳ですから。

 ご本人から、写真掲載のOKも貰いました。

 息をのむほどの繊細な筆使いで描かれたこの絵が、この会議室に品格を与えてくれます。

 銀箔が自然光を反射し、四季折々の表情を見せてくれるのでしょう。

 夕景に関しては、トラブルもあり再撮影をしました。

 事務の方に無理を言ってお願いしたのですが、その甲斐はあったと思っています。

 2018年の2月初旬にスタートしたので、2年近くの月日が経ちました。

 時間と命は等価です。作品が生まれることは、まさに私の生きた証しなのです。

 webサイトが完成したなら、ようやく一区切りを迎えます。

 会員の方々と、地域の方々が、この建物を愛してくれると嬉しいのですが。

文責:守谷 昌紀

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『homify』5月7日「碧の家」掲載
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松原/脳神経外科「うえだクリニック」‐12‐オープン

 オファーを貰ったのは昨年の8月上旬。
 
 天気は生憎の曇天ですが、1年2ヵ月が経ち、何とかこの日を迎えることができました。

 診療開始は8時半ですが、開院前に列が出来上がっていました。

 いよいよ扉が開きました。

 待って下さる方も多いので、日よけとなるようなものが欲しいと院長からリクエストがありました。

 庇では心もとないので、建物の張り出し部を大きく設けたのです。

 自転車止めは腰掛けられるよう丈夫に作ってありますが、これだけ停まればその役割は果たせそうにありません。

 診療開始と共に、院内も見てきました。

 花も続々と届き、受付前に飾られています。

 昨日ものぞきに来ていたのですが、前日に何とかここまで来ました。

 ただ、院長も、医療機器メーカーの方も準備、調整で予断を許さない状況ではあったのです。

 廊下に面して2つトイレがありますが、これらもデザインしました。

 そういう意味では、端から端まで関わらせて貰うのが建築設計の仕事です。

 診察が始まったなら、次のハードルがMRIの撮影です。

 10時に1人目の撮影があることは聞いていました。

 スタッフの方を、医療機器メーカーのオペレーター、現場担当の人達がサポートしてくれます。

 右手にあるCT室は撮影時以外にX線はでません。

 こちらもサポートの方がひとり待機してくれていました。

 クリニックは本当に多くの職種の人達が関わっているのがよく分かります。

 昨日のぞいた時に、その磁場の強さを見せてくれました。

 MRIから3m程離れているとそこまで磁力はありません。

 しかし、1.5mを切れると、大きめのレンチが水平に近い状態で引っ張られているのが分かります。

 大きな磁力が、なぜ詳細な画像を生むのか理解はできていませんが、体へのダメージを最小にし、検査できる最新の医療機器なのです。

 撮影の様子を見ていましたが、上の画像は奥からの映像です。

 患者さんを不安にさせないように、色々な配慮がなされていました。

 11時頃までクリニックに居ましたが、その前まで車の渋滞が伸びてきます。

 本当に人通りの多い活気のある通りで、人口の減少など微塵も感じられません。

 まだ残工事もあり、息をつく余裕はありませんが「うえだクリニック」は新たな章に入りました。

 勤勉な院長、献身的なスタッフに支えられて、地域に愛されるクリニックとなったのですが、その日常をこの建物が少しでもサポートしてくれたらと願うだけです。

 診察室1、2とも、東側のハイサイドとトップライトから自然光が入ってきます。

 もし訪れることがあれば、少し意識して見て下さい。

文責:守谷 昌紀

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アトリエmの現場日記

松原/脳神経外科「うえだクリニック」‐11‐決戦は火曜日

 毎回のことですが、人は何と弱い生き物なのかと思います。

 クリニックの移転オープンが9月24日(火)というのは、何ヶ月も前から決まっていたことです。

 建築は法的なチェックを受けなければ使用できません。

 消防検査をクリアしたのが、20日(金)の2:30pm。その報告を聞いて建築確認申請の審査機関へ直行しました。

 担当者が渋滞に巻き込まれたとのことで、実際に完了検査済証を手にした時には、すっかり日が暮れていました。

 月曜日は祝日なので、どこかで30分遅れていれば、24日(火)8:30amのオープンには敵わなかったことになります。

 「なんとかなる」ではなく「なんとかする」が仕事の本質ですが、考えれば考える程ぞっとします。

 とは言え、ひとつ大きなハードルを越えました。

 昨日は診療時間を示すサインも出来上がっていました。

 コーポレートシンボルのデザインも、仕事として引き受けますが、今回は院長のデザインです。

 普通は素人っぽさが透けてみえるものですが、たたき台から良い感じで「これで行きましょう」となりました。

 フォルムや色感には少し手をいれましたが、とても良いアイコンだと思います。

 「うえだ」のuを囲むCは「クリニック」を示しますが、脳をイメージしたものとのこと。

 ストーリーがしっかりしていると、より活き活きとしてくるのです。

 まだ予断を許さない部分もありますが、吹抜けを備えた待合も形になってきました。

 工事が遅れた分、院長には迷惑をお掛けしています。

 先週土曜日から出ずっぱりで、準備、システムの構築と休む間がありません。

 看護師の方も、休む間もなく動き回っておられますが「こうしていないと落ち着かないんです」と。

 これは受付と診察室1を繋ぐカルテパスと言われる部分。診療における動脈のような、重要な部分です。

 既製品のカルテ棚との隙間は20mmで設計しましたが、実際の残りは5mmほどでしょうか。

 この消えた15mmを読み解くのが経験なのです。

 2階は全てスタッフ専用のエリア。

 廊下にそって、キッチン、スタッフルーム、トレーニングルームと並びます。

 待合上部にあるハイサイドから漏れてくる光が、この廊下をただの暗い通路ではないものにしています。

 「2度おいしい」をいつも心掛けているのです。

 キッチンは1.65m。

 大きくはありませんが、簡単な昼食をつくるには十分なサイズです。

 隣に繋がるのはスタッフルーム。

 さらにトレーニングルームもあります。

 サイクリングマシンも準備済み。

 昼休みにジョギングに出るスタッフも居られるとのこと。

 その意識の高さには頭が下がる思いですが、奥にはシャワー室も備えています。

 院長以外は全て女性の仕事場ですから、スタッフ専用トイレの洗面は大きめにしました。

 前クリニックは、いわゆる「ビル診」で、こういった設備を充実させることが出来なかったのです。

 これらは、全て院長からスタッフへの心遣いなのです。

 院長、スタッフの方々と共に、最も迷惑を掛けてしまったのが、MRIやCTを納入している医療機器メーカーの方達です。

 予定をずらして貰い、前日の23日(祝・月)のまでは、確実に調整に入るとのことでした。

 法のチェックだけでなく、まさに時間との勝負です。

 ベッドが入り、採血・点滴室も体裁が整ってきました。

 診察室2、通称「2診」はほぼ準備OKでしょうか。

 「1診」はまだまだごった返していたので、今回の掲載は見合わせます(笑)

 ベッドは前クリニックからの転用ですが、院長が好きな春先の若葉のをイメージして選んだとのこと。

 その中に、ポツポツと山桜が咲く景色が好きだと聞いていました。

 それで、コーポレートシンボルは、淡い緑と、濃いピンクの組み合わせとしました。

 9月24日(火)の8:30amにオープンするのですが、患者さんと戦う訳では全くありません。

 今から私にできることはほぼないのですが、「決戦は火曜日」という気分です。

 院長が好きな山桜のように、ポツポツと花開くと一番よいのですが、いきなり満開となる可能性もあります。

 朝一番、のぞきに行こうと思っているのです。

文責:守谷 昌紀

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『大改造!!劇的ビフォーアフター』7月21日(日)BS朝日で「住之江の元長屋」再放送
『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀
ギャラクシーブックスから2017年11月27日出版
amazon <民家・住宅論>で1位になりました
『homify』5月7日「碧の家」掲載
『houzz』4月15日の特集記事
「中庭のある無垢な珪藻土の家」が紹介されました
『デンタルクリニックデザイン事典vol.1』4月1日発売に「さかたファミリー歯科クリニック」掲載
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『大改造!劇的ビフォーアフター』の匠としてや『住人十色』等テレビ出演しています。関西を中心に、ダイナミックな現場を、動画を交えてあますところなくお伝えします。