新年度が始まりました。
世界的にも大変な状況ではありますが、状況に配慮しながらも、するべき仕事をするだけです。
こちらの計画は解体工事がおわり、外壁が無い状態になりました。
一旦、この骨組みだけの状態までもっていく改修工事を「スケルトン・リノベーション」と言ったりします。
スケルトンは骨格を意味するので「骨だけ丸裸改修」といった感じでしょうか。
1階の斜めに入っているのは仮筋交いです。
木が白いので今回工事されたものだと分かります。
2階は更に骨組感が強いのですが、こちらも仮筋かいが見えています。
竣工後、時間が経っている建物は、地盤の不同沈下により多少傾いていることが多いのですが、こちらの建物もそうでした。
ここまで外壁を取ってしまうと、多少なら人力で建物の傾きを修正することができます。
修正した時点で骨組みを仮筋交いで固定したのがこの状態で、この工事を「たておこし」と言います。
いわば建物の骨格矯正。
矯正の終わった建物に、サッシを取り付けて行きます。
北向きに、大きなFIX窓。
南東角は大きな開口をL字に配置しました。
かなりの視野が確保できると思います。
この日の打合せは、大工チームが掃除を始めるまで続きました。
それを「楽しい」と言ってくれると、現場も、監督も、そして私もやはり嬉しいですし、現場の雰囲気は極めて良いものになります。
引いては、掃除にも力が入り、現場は美しくなり、工事の質も上がりと、良い連鎖ばかりが起ります。
釘も1本多めに打っておこうかとなったり、ならなかったり……
仕事中は人でない人が増えたと言えば言い過ぎでしょうか。
機械のような声で、日々何百も営業電話をしているだろう人に、若いころは良く言っていました。
「相手も喜んでくれる仕事を探したら」
余計なお世話です。そんな事を言ったら、訴えられかねない時代になりました。
ただ、人が人らしく仕事をすることは、決して権利などではないと思っているのです。
文責:守谷 昌紀
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