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「ときめく紺色の家〈リノベーション〉」‐12‐ときめきました?

 6月末に竣工した「ときめく紺色の家」。

 先週2ヵ月点検に行ってきました。

 クラアントから「ようやく見て貰えるようになりました」というメールもあり、楽しみにしていたのです。

 疑っていた訳ではありませんが、その言葉に偽りなしでした。

 渋滞で少し遅れて到着すると、監督はすっかりくつろいでいます。

 最後に見た現場の最終形から、完全なる「家」に変化していました。

 緑や小物が入ってくると、空間はクライアントのカラーに染まっていきます。

 料理で言うと、最後の味付けのような感じでしょうか。

 奥さんはすっきり好きで、キッチンまわりは気持ち良いくらい片付いています。

 オーディオはご主人こだわりのレコードプレーヤーも。

 収納の中はレコードがびっしりでした。

 完成形を見ていなかったのがパウダースペースです。

 奥さんと娘さんが2人並んでお化粧できるようになっています。

 モザイクタイルと鏡を壁に埋込みました。

 遣り替えが出来ない分、緊張感が無くはありませんが、その決断分美しいのです。

 とても気に入っていると言って頂きましたが、むしろその決断をして下さったことに、私が感謝するのです。

 奥さんは。夜照明を落としてヨガをするそうです。

 その時に、この小屋組みや天井がとても美しいそうです。

 面倒で手間の掛かるところに美は宿ります。必ず狭き門を選ばなければならないのです。

 リビングの先には、ご主人愛用のロードバイクが置いてありました。

 計画時にはエントランスに置くことにしていました。

 しかし、この計画とご自身の独立が重なり、なかなか練習ができずで、試合などは一旦休止中だそうです。

 それでも、「また乗りたいと思って頑張れるからここに置いてあるんです」と。

 私のクライアントは、なぜここまでストイックな人が多いのか分かりませんが。

 未来の暮らしに夢を持ち、ご家族の幸せを心から願う方々と仕事するのは、本当に楽しいものです。

 勿論その過程においては、大変なことも無いことはありませんが、全く無いとそれは辻褄が合わない気がします。

 金額だったり、納期だったり、コントロールしきれないように見えるものも、何とかすると決めれば何とかなるものです。

 この計画のタイトルは「ときめく紺色の家」だったので、「ときめいて貰っていますか?」と質問するつもりでした。

 聞き忘れてしまったので、次回撮影に訪問した時に聞いてみます。

 「ときめかない」とは言い難いとは思いますが、答えにはさほど意味がありません。

 ここを訪れると私がときめくのですから。

文責:守谷 昌紀

■■■4月8日『Sumikata』東急リバブル発行
巻頭インタビューが掲載されました

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■5月16日『homify』(英語)の特集記事に「下町のコンクリートCUBE」掲載
■5月10日『Houzz』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■2月13日 『Best of Houzz』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞
■2月3日『Houzz』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■12月3日 『Houzzユーザーが選んだ人気写真:キッチン編』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が5位に選出
■9月30日発売『suumoリフォーム 実例&会社が見つかる本 関西版』「回遊できる家」掲載
「トレジャーキッズたかどの保育園」
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■2017年11月27日ギャラクシーブックスから出版『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀がamazon <民家・住宅論>で1位になりました

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建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記

「ときめく紺色の家〈リノベーション〉」‐11‐思い立ったが吉日だった

 2019年の年始にオファーを貰ったこちらの計画。

 6月末に、施主検査という区切りを迎えました。

 この1年半にお会いした回数は30回。

 半分の15回が、現場での打合せでした。

 リノベーションにおいては特に、現場打合せが仕上がりの差を生むのです。

 エントランス前の階段とスロープは、クライアントの生活動線、これまでの経験、そして美しさとコストを含めて何度も検討しました。

 「とても良い感じ!」と言って貰ったのです。

 この計画の目的であり、テーマは以下の通り。

 ときめく 笑顔でいられる 家にいる時間が大事 ファンキー

 ファンキーを一手に引き受けてくれたのがこの玄関です。

 エントランスからすぐの洋室。

 ピンクの壁が、ピンクの建具に写り、よりピンクに。

 こちらもファンキー?

 引戸を開けると廊下にピンクが漏れ出していますが、ここには小さな隠し扉。

 大工の腕の見せ所です。

 廊下突き当りにある洗面と浴室。

 大きくはないだけに、ミリ単位の精度で既製品を造り付け家具のように納めています。

 ミラーキャビネット下、モザイクタイルに気付いて貰えるでしょうか。

 最奥にある寝室は、ウッドデッキを備え、明るさ、機能とも充実しています。

 目隠しルーバーの上下に、隣地の庭を借景として取りこんでいます。

 ここは洗濯干し場。

 雨天時用のホスクリーンが室内に見えていますが、これは取外しができる優れものです。

 ガラス棚を備えたアクセントクロス。

 遊び心が溢れておるのです。

 2階のフロアキャビネットも予算の関係で、既製品となりました。

 しかし、知恵を絞って母、娘が一緒にお化粧が出来るスペースを何とか捻出しました。

 モザイクタイル中央、鏡がまだだったのが残念でしたが。

 キッチンに立つと東西に流れる風を感じることができます。

 バルコニー側には横長の窓と引戸があり、そこを開けると一気に風が通り抜けるのです。

 この日は天気も良く、御陵の緑が目に鮮やか。

 絶景、一歩手前くらいでしょうか。

 最後に、先日届いたクライアントのメールを一部抜粋してみます。Hさん勝手して済みません。

 もう、現場打ち合わせがないと思うと少しさびしく思います。

 何気にあの色々なお話が楽しかったものですから。夫婦共々そう思っています。

 ただ、もう一度1年半前に戻って、1からリノベーションのことを考えるのは、とてもじゃないけど大変なので、思ったときに行動していて大正解だと振り返って思います。

 思い立ったが吉日。

 私が設計するかは別にしても、オファーという行動がまず大きな決断で、大変な行動力を必要とします。

 その決断をした時点で、成功は確約されていると私は思っています。

 「こんな暮らしをしてみたい!」

 そう思った瞬間に、その夢は実現したに等しいのです。ただ、行動に置き換えるという条件だけは付きますが。

 この日、2階へ上がった瞬間、奥さんが歓声を上げて喜んでくれました。

 「ずっとここ居たい」と言われたので「もう現場じゃないので、奥さんのものですよ」と笑っていたのです。

 さて、この「ときめく紺色の家リノベーション計画」を楽しんで貰えたでしょうか?

 次回は2ヵ月点検で、その次が撮影をイメージしています。私自身も、いまから楽しみにしているのです。


文責:守谷 昌紀

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「ときめく紺色の家〈リノベーション〉」 「い・い・か・た」‐7‐

 今年のゴールデンウィークは今日と明日以外、ほぼ晴れだったと思います。

 この時期は意外に天気が安定せずで、旅先でも降られたことも結構ありました。

 今年は”STAY HOME”ということで、何だか恨めしいと言えば恨めしい。

 しかし建築の写真を撮るのは晴れに限ります。

 「紺色」というコンセプトは、早い段階で決まっていたのですが、春の淡い青空に良く映えています。

 玄関上の庇はかなり跳ねだしていますが、板金で仕上げました。

 柱のない広い軒下は、とても価値があるはずです。

 1階は個室が集まっていますが、大工チームは階ごとや、部屋ごとに分かれていることが多いのです。

 棟梁は1階担当のようで、現場に着いたらまず顔を見に行きます。

 2階はベテランのAさんが担当してくれたのですが、ほぼ下地が張り終わっていました。

 ハイサイドが中央にあり、とても明るいので2階の方が勿論のこと気持ちが良い。

 普通なら2階を担当したいと思うのですが、どんな基準で仕事場を振り分けるのか、今度棟梁に聞いてみようかなと。

 現場打合せも、自然と2階ですることになります。

 クライアント夫妻は、私と監督の長い打合せにも「本当に楽しい!」と言ってくれます。

 よって、監督もいつも以上に気合が入って説明をしているの図です。

 リノベーションでは屋根裏を狙いますが、今回も天井は全て撤去しました。

 ただ、屋根面と梁が取り合う部分は、相当手間が掛かります。

 ベテラン大工のAさんも「ちょっと骨が折れました」と笑っていました。

 黄昏ている訳ではないと思いますが、勿論のこと感謝の気持ちを伝えたのです。

 仕事が大変であればある程、空間には手跡が残り、思い入れと、物語りが織り込まれます。

 それで、私は現場チームが嫌がることばかりお願いすることになります。

 船長の最大の役割は、航海を成功させることです。

 密室である船内で、クルーと喧嘩ばかりでも困りますが、ご機嫌をとっていて、船が難破してのでは話になりません。

 「幸せな家を建てる」という航海の舵取りを任せて貰ったなら、人に良く見られたいとか、上手くやりたいという気持ちはぼぼゼロです。

 ただ、言い方は大事です。

 「ほんとに悪いんだけど、ここは、こう納めて貰えたら嬉しいんだけど……もし、ああ納めたら多分夢にでてきてうなされると思う……」

 色々な仕事をさせて貰ったので、自分の経験を総動員して、話し合います。

 ただ言葉の綾でなく、ほんとに夢にでて来たことが一度や二度ではないのですが。

 ドラマなんかでもよくあるあのセリフの通り。

 「い・い・か・た」

 なのです。

文責:守谷 昌紀

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「ときめく紺色の家〈リノベーション〉」‐4‐活性炭入り真っ黒土間

 世間の状況をよそに晴天が続きます。

 紫外線がウィルスをやっつけてくれるなら、これ程嬉しいことはないのですが。

 解体が終わり、2階が見渡せるようになりました。

 この解放感こそが、LDKを最上階に上げる価値でしょう。

 屋根裏は、リノベーションにおいての宝の山。

 東面が寄棟になっているのですが、屋根面直下に下地を組み終った状態です。

 こうした手間暇掛かったところに物語が生まれ、空間の質を上げてくれるのです。

 1階は個室が並ぶので、ここからどんどん壁が出来上がって行きます。

 床下をのぞくと、モルタルが黒っぽいのが伝わるでしょうか。

 実は活性炭入りのモルタルなのです。

 築20年を越える建物は、床下をのぞくと地面が見えているケースが多くあります。

 フルリノベーションするなら、防湿ラインを設けるためのコンクリート打設が理想です。

 コストを考えるなら、モルタルを敷設するだけでも床下環境はかなり良くなります。

 今回は更に活性炭を混ぜているのです。

 無機質のセメントに活性炭を混ぜることによって有機質となり、鉄筋等の錆び防止になるそうです。

 また、セメント臭がなくなったり、害虫を寄せ付けないという効果も期待できるとのことでした。

 これらはクライアントの会社の商品で、1回分ずつ小分けにして現場搬入してくれました。

 1回につくるモルタルが0.1㎥なので、4㎏の活性炭を混入します。

 ミキサーで攪拌。

 ポンプで現場までおくります。

 その色の見事なこと。

 コテで押さえた景色は、芸術品レベルでした。

 このような時期なので、打合せも一間(1.82m)離れてマスク越しです。

 浴室にも特別な設備が入る予定なのでまた紹介したいと思います。

 玄関庇の上で、その庇の打合せをする棟梁。

 現場につき換気は十分です。しかし慎重に、慎重に工事は進んで行きます。

文責:守谷 昌紀

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「ときめく紺色の家〈リノベーション〉」‐3‐骨だけ丸裸改修のたておこし

 新年度が始まりました。

 世界的にも大変な状況ではありますが、状況に配慮しながらも、するべき仕事をするだけです。

 こちらの計画は解体工事がおわり、外壁が無い状態になりました。

 一旦、この骨組みだけの状態までもっていく改修工事を「スケルトン・リノベーション」と言ったりします。

 スケルトンは骨格を意味するので「骨だけ丸裸改修」といった感じでしょうか。

 1階の斜めに入っているのは仮筋交いです。

 木が白いので今回工事されたものだと分かります。

 2階は更に骨組感が強いのですが、こちらも仮筋かいが見えています。

 竣工後、時間が経っている建物は、地盤の不同沈下により多少傾いていることが多いのですが、こちらの建物もそうでした。

 ここまで外壁を取ってしまうと、多少なら人力で建物の傾きを修正することができます。

 修正した時点で骨組みを仮筋交いで固定したのがこの状態で、この工事を「たておこし」と言います。

 いわば建物の骨格矯正。

 矯正の終わった建物に、サッシを取り付けて行きます。

 北向きに、大きなFIX窓。

 南東角は大きな開口をL字に配置しました。

 かなりの視野が確保できると思います。

 この日の打合せは、大工チームが掃除を始めるまで続きました。

 それを「楽しい」と言ってくれると、現場も、監督も、そして私もやはり嬉しいですし、現場の雰囲気は極めて良いものになります。

 引いては、掃除にも力が入り、現場は美しくなり、工事の質も上がりと、良い連鎖ばかりが起ります。

 釘も1本多めに打っておこうかとなったり、ならなかったり……

 仕事中は人でない人が増えたと言えば言い過ぎでしょうか。

 機械のような声で、日々何百も営業電話をしているだろう人に、若いころは良く言っていました。

 「相手も喜んでくれる仕事を探したら」

 余計なお世話です。そんな事を言ったら、訴えられかねない時代になりました。

 ただ、人が人らしく仕事をすることは、決して権利などではないと思っているのです。

文責:守谷 昌紀

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「ときめく紺色の家〈リノベーション〉」‐2‐人は忘れる

 リノベーションは解体撤去工事から始まります。

 重機では解体は出来ないので、全て職人による「手バラシ」。

 この日は5人掛かりで、2階の壁が一気に無くなりました。

 床に穴を開けて、1階にガラを落として行きます。

 この日はクライアントと現場打合せでしたが、25年住んだ家なので、感慨深いものもあると思います。

 などと思っていたら、2階のガラで1階があっという間に一杯になりました。

 もうもうと埃が舞う中。

 手作業で分別して、トラックに積んで行きます。

 楽な仕事などひとつもありませんが、本当に感謝の気持ちしか沸いてきません。

 屋根裏から、上棟式の際の御幣がでてきました。

 クライアントに「懐かしいですか?」と聞くと、「あんまり覚えてなくって……」と。

 25歳で自宅を建てられてので、感慨深いだろうと思い聞いてみたのですが、ちょっとずっこけました。

 DNAの中には、全人生の記憶が残されているそうです。

 映画等で、車ごと谷底へ落ちて行く際、走馬燈のように記憶が蘇るシーンがありますが、あれは本当なのだと教えて貰いました。

 もしそうなら、本気の危機感を持っていれば、テストでも100点が取れた訳ですが、自在に操るのは難しいようです、

 人は歯ぎしりするほどの悔しい事や、立ち直れないかもと思うような悲しみも、忘れられるから生きて行けると言えます。

 だからこそ、人は人の心に残りたいのだと思います。

 時々、名刺に載せている作品を見て「あっ、この建物知ってますよ」と言って貰うことが時があります。

 私自身が、誰かの心に残らなくても構いません。もし建築が残ってくれたとしたら、これ以上光栄なことはありません。

 いつもそんな物創りが出来ればと思っています。

文責:守谷 昌紀

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「ときめく紺色の家〈リノベーション〉」‐1‐プロローグ

 大阪府郊外の住宅地。

 25歳の夫妻が、この地にいわゆる売り立て住宅を購入した。

 それから25年。

 子供達が社会人となったこともあり、これからのライフスタイルを考えたという。

 50歳という区切りに、人生の第2ステージにあった家とすることを決めたのだ。

 敷地は西側が道路で東西に長い。

 南の隣地が迫っていることもあり、主要な開口部はどうしても東西となる。

 1階にLDKと水廻りが集まる主要な生活空間だが、採光不足は否めない。

 2階には各個室があるのだが、やはり明るい。

 特に南東の隣地が平屋で、採光、通風、眺望のいずれもが期待できる。

 遠く東には二上山を望むのである。

 玄関を入ると、バイクが壁に吊り下げられている。

 私のクライアントは健康的な人ばかりだが、こちらの夫妻も非常に元気なおふたりだ。

 毎日バイクに乗る夫に、ジムに通う妻。

 打合せがある朝は、何故か私までジョギングにでてしまう。

 ときめく 笑顔でいられる 家にいる時間が大事 ファンキーetc

 キーワードは沢山でて来たが、外観を紺色とすることは、計画のスタートと同時に決まった。

 一番のポイントは、やはりLDKを2階へあげることに尽きるだろう。

 最も条件の良いところから、優先順位の高い空間を順に配置していった。

 天井も壁も取り払い1室大空間とすることで、ダイナミックな空間になると期待している。

 また、高い位置からの光を取り込めるよう、南側の窓はハイサイドとしている。

 1階には、入れ替わる形で各個室を配した。

 実は北東エリアの壁にカビがでており、これらの対策も万全を期している。

 若い頃はサーフィン、現在はバイクとマラソンと非常にアクティブな夫だが、音楽はレコードで聴きたいし、ゆっくりと読書するのが幸せな時間だという。

 反対に、街へ出掛けるのが大好きでおしゃれな妻と、非常にコントラストの効いた仲の良いご夫妻だ。

 この仕事をしていて思うのだが、本当に人の幸せは様々だ。まさに十人十色。

 そういえばこちらの夫妻は『住人十色』「回遊できる家」の回を観て、当社をメモしてくれたそうだ。

 番組のコピーには「家の数だけある 家族のカタチ」とある。

 家は未来の幸せの形

 これは私の変わらぬ信念でもある。

 2月末。解体から工事が始まる。

文責:守谷 昌紀

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