タグ別アーカイブ: 守谷昌紀

住み継ぐ「コンクリート打放し H型プランの平屋」‐11‐ネコと一緒

 敷地が大きいということは、多くの人にとって憧れです。

 代々引き継がれてきたこの敷地は、隠しようがないくらい大きいのです。

 その敷地に、H型にコンクリートの箱を配置することが、この計画の全てのスタートになりました。 

 躯体によって演出される外部が非常に重要なのです。

 エントランスホールに入ると、その奥に見えるのが中庭。

 周囲をぐるりと回ると、樹齢300年は越えている大楠木が見えてきます。

 成長し過ぎたがゆえ、今回かなり枝を落としたのですが、それでもこの時期には青々と葉をつけています。

 この外部空間は、躯体と大楠木によって、プライバシーが保たれています。

 クライアントも「ここはBBQに持ってこいですね」と。

 エントランスの前後にある外部は、この建物にとって非常に大切で、意義のある空間なのです。

 内部は最終盤を迎えごった返してきました。

 南の庭に面するウッドデッキも、下地が出来上がってきました。

 仕上がっている部屋も勿論ありますが。

 今回のファサードのカットには、全てこの職人さんが写っています。

 「写真撮るけど、入っても構わない?」と声を掛けたのですが、「ハイ、大丈夫ですよ」と。

 この日は天気がよく、庇下がとても気持ち良さそうで、昼食後の休憩場所にここを選んでくれたようです。

 ネコはその家の一番気持ちの良い場所を占領すると言いますが、こういった景色を見ると非常に手応えを感じます。
 
 ネコと一緒にするなと言われるかもしれませんが、人もネコも正直なものだと思うのです。

文責:守谷 昌紀

■■■1月27日 『Best of Houzz 2021』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

【News】
■12月28日発売『suumoリフォーム(関西版)』にインタビュー記事掲載
■10月23日『homify』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■9月11日発売『リフォームデザイン2020』「回遊できる家」掲載

■2017年11月27日ギャラクシーブックスから出版『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀がamazon <民家・住宅論>で1位になりました

メディア掲載情報

◇一級建築士事務所 アトリエ m◇
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記

 

「THE LONGING HOUSE 」‐12‐「井戸」のようなもの

 ゴールデンウィーク明けの定例打合せは「The Longing House」からです。

 正面のガラスがようやく全て入りました。

 室内から見るとこのような景色。

 なかなかに開放的な空間ですが、使い方はまた追々。

 LDKの床養生がとれ、ヘリンボーン貼りが見えてきました。

 キッチンとアプローチの配置は、こういった関係にあります。

 リビング階段ではないものの、お母さんと子供が必ず顔を合わせるような動線になっています。

 またこの階段は、2階からの光を落とす役割も担います。

 何か手を打たなければ、このエリアは真っ暗になってしまうのです。

 トイレのタイル貼りも完了。

 後は手洗いの設置を待つのみです。

 こういったアクセントクロスを採用している部屋がいくつかあります。

 こちらはウォークインクローゼットの最奥ですが、輸入物を支給して貰いました。

 服で言うなら、裏地にまで拘っているといった感じでしょうか。

 1階の北端にある和室には、前庭があります。

 この小さな外部が、室内をとても豊かにしてくれるはずです。

 前庭の背景になっているのがPC版の擁壁ですが、建物を守るように敷地南端まで連続しています。

 高低差のある隣地に対して考えたものですが、支柱を建てる際もかなり苦労しました。

 PC版を吊り込むのも一仕事ですが、微調整をするのに現場はさらに知恵を絞りました。 

 まずはジャッキアップ。

 正しい高さになるようかまし物を入れ替えて、今度はジャッキダウン。

 これらの工事の際、地下に水脈があるようでそれなりの水が噴出してきました。

 折角なら非常時に使えるようにしたいという相談を、クライアントから貰っていたのです。

 そして出来上がったものがこれ。

 本格的な井戸を掘ると100万円では納まりませんが、下水道に使われるヒューム管を使い、深い溜め桝のようなものを作りました。

 私も建築会社もその名と通り建築を専門としていますが、今回は小さな土木工事のようでもありました。

 「餅屋は餅屋」という言葉もあります。また「境界線を越えて行ける人が結果を残す」と聞いたこともあります。

 どちらも正しい警句ですが、その間にある答えを模索したのが、この「井戸」のようなものです。

 プロには最大限の敬意を払いますが、高すぎると実現する可能性は減ります。
 
 金額と言う物差しは、常に大きな決定権限を持っていると知る者が職業建築家だと思っています。 

文責:守谷 昌紀

■■■1月27日 『Best of Houzz 2021』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞

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建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記

「THE LONGING HOUSE 」‐11‐素敵ファサード

 先週末、クライアントから写真が届きました。

 ようやく足場が外れ、外観が露わになったのです。

 「とても素敵でした!!」とのコメントも添えて貰ったのです。

 火曜日の定例打合せの際も撮りましたが、やはり直射を浴びる午前のほうが色合いが鮮やかです。

 入ってすぐの部屋に、クロスの糊付け機が据えられています。

 中をのぞくと、4人ほどの職人が下地処理の真っ最中でした。

 壁紙の仕上がりは、貼る技術も大切ですがやはり下地処理に差がでます。

 いつもの職長が、リズミカルにペーパー掛けをしていました。

 「真っ白になっちゃいますよ!」と気遣ってくれましたが、現場リポートも私の仕事。

 手の動きって連動してるんだな、などと思いながら楽しんで撮影していました。

 キッチン背面の家具が取り付いていました。

 また、LDKのタイルも貼り上がっていました。

 こちらはもうひとつのファサードと言ってよい、LDKを南から見た景色です。
 
 このT字の敷地にどう建物を配置するかは随分考えましたが、手応えは十分です。 

 クライアントからは、「グレーの色調は濃くもなく薄くもなくジャスト」とも頂いていました。

 濃い色と明るい色は、かなりの軒数を建てさせて貰ったので、まず外すことはないと思っています。

 中間色はとても繊細で、難易度は非常に高いと言って良いでしょう。

 しかし過程は嘘をつきませんでした。何枚も、何枚もサンプルを作成し、何度も、何度も確認して貰ったのです。

 先日ラジオで「親、夫、私と、外壁の色の好みがバラバラで、どうしたら良いでしょうか」という質問が読み上げられていました。

 パーソナリティは「外壁は自分では見えないので何色でもいいんじゃない」のような回答でした。

 冗談半分でしょうが、外壁は大切です。

 美しい建物が建ち並べば、街は美しくなります。街が美しくなれば、愛着がわきます。愛着ある街なら、少しでも良くしたい、美しくあって欲しいと思えるはずだからです。

 「The Longing House」は「憧れの家」という意味です。

 憧れるほど好きになって貰えるのか、5月下旬にはその結果が出ます。

文責:守谷 昌紀

■■■1月27日 『Best of Houzz 2021』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞

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建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
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住み継ぐ「コンクリート打放し H型プランの平屋」‐10‐雨雨ふれふれ

 ようやく足場が外れました。

 先週土曜日の定例打合せでは、しっかり雨が降っていました。

 建築写真は晴れに限りますが、普段の暮らしにおいてなら、雨の日のほうが差が出るかもしれません。

 アプローチにコンクリートの庇を設けましたが、奥もガラスの庇が連続します。
 
 車が横付けできたり、ゆっくり傘を畳めるスペースは、雨を楽しむためには有効な空間となるはずです。

 エントランスホールに入ると、目線の先には光庭。

 南を向けば、LDKの先にある庭が目に入るのですが、これだけの外部を備えたケースは稀でしょう。

 反対の言い方をすれば、これらの外部を活かし、取り込むためには、このプランの方向性しかないと思っていました。 

 この日から現場はスリッパ着用となりました。

 小さな紺色のスリッパがひとつ。

 監督がお子さん用に準備してくれたものでした。

 大人用の健康サンダルだそうですがサイズはぴったり。
 
 こういった気遣いの積み重ねは、必ず物創りに活かされるはずです。
 

 床がほぼ完成したので、その長男君もようやく走り回ることができます。

 退屈なはずの打合せ中、一人でも楽しそうに遊んでくれ、私としては本当に救われる思いでした。

 彼に報いるには、好きになって貰える空間を創りあげるしかありません。

 そんな彼と、しばらく庭に振る雨を眺めていました。

 深い軒は、雨を楽しむためには何より必要なものです。

 今回は90cm確保できましたが、このくらいあればそう雨は入ってきません。

 軒からぽとり、ぽとりと落ちる雨だれを見ているだけで、全く飽きないものなのです。

 各個室からは緑が見えますが、これは旧母屋に合わせて作られた日本庭園でした。

 反対から見返すとこのような景色ですが、コンクリート打ち放しの家に合うかを親族の皆さんは気にされていたと思います。

 コンクリートの原料はほぼ自然から採れたものですから、どのような庭であっても相性が良いのです。

 やはり雨と言えばカエル。

 こんな立派なカエルが居るのは、旧家ならではのことでしょう。

 八代亜紀の歌った「雨の慕情」は1980年のヒット曲です。作詞は私も大好きな阿久悠さんでした。

 雨雨ふれふれ もっとふれ

 私のいいひと つれてこい


 そんな人は居ませんが、雨だれを見ているとそんな気持ちになるから不思議です。

文責:守谷 昌紀

■■■1月27日 『Best of Houzz 2021』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞

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「THE LONGING HOUSE 」‐10‐真剣レッドシダー

 2月下旬に高性能断熱材の現場発泡硬質ウレタン吹き付けが完了。

 最難関のヘリンボーン貼も3月中旬に終了しました。 

 現在は内部造作と並行して、外部工事もピッチが上がっています。

 メインエトランスは道路から見て左の車の後ろ辺り。

 そこへ至るアプローチをどうポジティブに解釈できるかが、プランの成否をを分けると考えていました。

 エントランスホールと繋がりますが、この付近までが暗くなりがちなエリアです。

 上階からの光をどれだけ届けられるかに腐心しました。

 階段側面も、出来る限り光を遮らないよう壁は無くしました。

 細い鋼材で、階段を吊るようにして支えています。

 階段を上がると、各個室を結ぶ2階廊下にでます。

 この部分に光庭を設け、階段を通して1階エントランスホールと路地状のアプローチに光を供給しているのです。

 こちらは子供部屋専用の光庭。 

 周辺には店舗や高いマンションが多く、プライバシーを保ちながら、十分に光を確保するために考えました。

 その価値を十分確認できたのです。

 アプローチから見上げると分かり易いでしょうか。

 手前の軒裏に張られているのはレッドシダーです。

 ファサードの開口横も縦張りのレッドシダー。

 クライアント拘りの箇所につき(拘りのない箇所などありませんが!)、並びまで確認して貰って工事に入ったのです。

 が、軒裏の方はそこまで繊細な打合せができておらず……

 実はファーストトライでは上手くいかず、クライアントに再度材をセレクトして貰ったのです。

 自然素材につきなかなかご希望に沿えずでしたが、対象面積の4倍ほどの材を取り、1枚1枚選んで貰いました。

 こちらがいわば1軍。

 しっかり変化があり、しかも単調にならないよう。クライアントも現場もまさに真剣です。 

 その結果がこれです。

 土木工事並の擁壁現場発泡硬質ウレタン吹き付けヘリンボーン、そしてレッドシダー。

 手がかかる子ほど可愛いと言います。

 拘りもマックスなら物語もフルコース。最終の景色がおぼろげながら見えてきました。

 もう可愛いことは間違いないのです。

 文責:守谷 昌紀

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住み継ぐ「コンクリート打放し H型プランの平屋」‐9‐勝負は一度きり

 彼岸を過ぎ、ようやく寒さも一段落です。

 南棟はほぼ全面コンクリート打ち放しなので、寒さ対策として床暖房を採用しています。

 銀色のパネルがその部分。

 床が出来上がると、ボリュームはほぼ最終形です。

 打合せの後、ガラスが搬入されてきました。

 実家がガラス屋だったので、アルバイトでよくガラスは搬入したものです。

  

 ガラスが入ると、ぐっと家らしくなります。

 野外と屋内の境界線となるのが外部建具なのです。

 ダンボールで養生されている前あたりにキッチンが据え付けられます。 

 キッチン後方の壁側面には、インターホンをはじめ、さまざまなスイッチ等が集中しています。

 これらの位置や、配管もコンクリートの中に打ち込まれているので、全て先に決定しておかなければならないのがコンクリート打ち放しです。

 ダウンライトを取り付けるヘコミも先に作っています。

 スポットライトを取り付けるダクトレールも同じ。

 この緊張感が魅力ではあるのですが、はやくライトが灯っているところを確認したいものです。

 エントランスには、小さな腰掛があります。

 後から既製品をつくるほうが融通はききますが、躯体と一体となっているコンクリート椅子は、一味違った潔さがあるでしょうか。

 建築は、何十年にもわたって家族の安全を守る役目を負います。よって、頑丈であることは最重要事項です。

 頑丈ではあるが、後で遣り替えが可能ということはほぼありません。その最たるものが、コンクリート打ち放しなのです。

 それゆえ、クライアントとの打合せでどれだけ先に詰めておけるかがとても重要です。

 今回打合せで、数えること43回目。

 計画がスタートし、4度目の春を迎えました。

 様々な曲折がありましたが、ついに最終局面に入ってきました。

 ゴールデンウィークには引っ越しして貰えるはずです。 

 文責:守谷 昌紀

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3台駐車可「3つの庭を持つコートハウス」‐3‐栄栄栄

 気温もそろそろ20度を越えはじめ、桜の便りが聞こえてきます。

 先週土曜日は前日から雨。それにも負けず、梅の花が残っていました。

 まだ主役は譲れないといったところでしょうか。 

 2日前まで解体工事をしていたのですが、地盤調査にテント設営と、なんとかこの日に間に合いました。

 神主さんはすでに見えていて、テント内でてきぱきと準備中。

 祭壇の完成です。

 CDプレーヤーがあるのはかなり珍しい。雅楽を流すとのことでした。

 いつも、どこを撮影して良いか聞くようにしていますが、非常に気さくな神主さんで、鍬入れの儀から撮影してよいとのこと。 

 設計者は開墾を意味する鎌入れを担当しますが、オープンデスクの学生君に撮影してもらいました。

 掛け声の「エイ」は「栄」の意です。

   

 クライアントは、盛砂に鋤で穴を開けます。

 そこに鎮め物を。

 鍬を使って、鎮め物を埋めるのは施工者の仕事。

 最後に乾杯をして、無事式典を終えました。

 ご親族の皆さんが模型に大変興味を持って下さったので、式典が終わった後、建物についてミニミニ講演をしました。

 お子さんは所用で参加できなかったのですが、祖父母のお二人が熱心に孫娘さんが暮らすこの家をことを質問して下さったのです。

 そして最後に「凄く楽しみにしています!」と。

 こんな時、「命は繋がっていることに意味がある」という言葉を思いだすのです。

 「栄、栄、栄」

 ご家族がますます栄えることを願い、この声を掛け続けるのです。


文責:守谷 昌紀

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軒が深いから「おいでよHOUSE」‐9‐勝負に行きたくなるコンセプト

 ようやく足場とシートが取れました。

 正面の塀がまだなのと、エントランスドアの養生は残っていますが、全体のフォルムが見てとれるようになりました。

 コンセプトは忠実に体現できたのではと思っています。

 モノトーンの外観とは反対に、色彩で遊んでいる空間もあります。

 1階廊下の先にあるトイレの壁は黄色。

 これまでにも何度か採用されましたが、風水的に相性が良いそうです。

 2階にもトイレがあり、洗面、浴室と繋がっています。

 浴室の並びに、リンナイの乾太くん君がやってきました。

 かなり売れているようなので、金額を裏切らない活躍を期待します(笑)

 LDKの造作家具も据え付けが終わっていました。

 私の広角レンズでも入りきらない大きさ。

 クライアントご夫妻も、「初めて見た時は、オーッってなりました」と。

 最後の最後まで形状を模索しましたが、その甲斐があったようです。

 最終の塗装が残っているので、もう少し色のトーンは落ち着くと思います。

 残るはロフトへのハシゴです。

 これもオリジナルで製作するので、かなり楽しみにしています。

 クライアントとの定例打合せは、おそらく今日で最後。オープンデスクの学生君も今日が最終日で、現場に連れて来ていました。

 打合せの終盤少し声を掛けると、「外観ってこうなっていたんですね!格好いいです!!」と言うので、「もしそう思ったなら、クライアントにお伝えしてみたら」と答えました。

 私が監督と打合せをしている間に、本当に伝えに行ったようです。その行動力やよし、です。

 どんな表現だったかは別にしても、ご自身の家を良く言って貰って嫌な気持ちになる人は居ません。

 折角良い考えが浮かんだとしても、人には第二の本能と言われるものが働きます。「もし上手く伝わらなかったら……」などというあれです。

 脳は言い訳の天才で、「行動しなければ減点はないよ」と囁いてくるのです。

 この習性を知ってから、思ったことはすぐに口にするようにしました。

 心に浮かんだ考えをすぐに口にして、皆を楽しませようとすれば、愚痴や不平不満を全て心の中から排除しなければなりません。

 完全に排除するのは難しいかもしれませんが、それを目指さなければ、全ての事をスピーディに、かつ良い結果に導くことはできないと思ったからです。

 どんな形にしても金額が同じということはないので、無難なフォルムが減点は少ないのは間違いありません。

 しかし、クライアントの幸せに直結していると感じれば勝負に行きます。

 逆の言い方をすれば、勝負に行きたくなるコンセプトがなければ、多くの選択肢の中から選んで頂いたクライアントの勇気に、お応え出来ていないと思うのです。

 その評価が分かるのは10年後くらいでしょうか。

 2人のお子さんは、上棟式以来訪れていないそうです。この家を大好きになってくれると良いのですが。 

文責:守谷 昌紀

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■5月10日『Houzz』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■4月8日『Sumikata』東急リバブル発行に巻頭インタビュー掲載

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「THE LONGING HOUSE 」‐9‐ヘリンボーンの誘惑

 現場は日々変化していきます。

 こちらの現場では、常時3人の大工が働いてくれているので最も変化が早い。

 と言いたいところですが、実はその反対で……

 その理由は床材です。

 「ヘリンボーン」はニシンの骨と言う意味から来た、フローリングの張り方。

 通常のフローリグは垂直水平が基本ですが、あばら骨ですから基本が45度。

 なんだその程度という事なかれ。

 通常なら2日で終わる床の仕上げ工事が、熟練の棟梁をもってしてもこの日で10日目だそうです。

 かつ、まだ終わっていません。
 

 形状に合わせてカットしたら、裏に木工用ボンドを塗ります。

 貼り付け。

 当て木で叩いて位置を調整。

 そして釘止め。

  ヘリンボーンはその形状上、側面にサネ(材のズレを無くすための出っ張った部分)のない箇所があります。

 そこに、1つ1つ手加工したサネを差し込み、より精度を上げています。

 動画の30秒あたりがその場面です。

 その丁寧な仕事振りが伝わったでしょうか。

 ただ45度と言うだけで、全く基準がないに等しく、削りながらの調整も必須なのです。

 金額的には全く合っていないと監督は嘆いていましたが、人の目は正直です。

 その手跡が、全く違う空間の質を演出してくれるのですから。

 ヘリンボーンの誘惑。

 その誘惑に抗うもよし、誘われるもまたよしなのです。


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軒が深いから「おいでよHOUSE」‐8‐頭が良くなる家

 虫も這い出す啓蟄。

 暖かい日は暖かく、寒い日は寒く。当たり前と言えば当たり前ですが、丁度そんな時期です。

 北側の道路から見ると、外壁のサイディングが張り終わり、シートが取れるのを待つばかりです。

 2階に上がると道路側にあるのがスタディコーナー。

 手間に見えるガラスブロックはサンワカンパニーのチェコガラスを2種。

 小さな空間ですが、スタディコーナーはお子さんが勉強する際、集中しやすい環境を求めて設計した空間です。

 3、4年程前だったか、中部地方から車で初期相談に見えたご家族がいました。

 「いつも、木々が太陽に向かってまっすぐに伸びていくようなイメージで家づくりをしたいとお伝えしています。この計画において、ご家族の太陽とは何でしょうか?」という質問をしました。

 「子供の頭が良くなる家!」

 奥様から即答でした。あまりにもダイレクトで分かりやすい答えで、思わず笑ってしまったのです。

 そのご家族から、その後の連絡は無かったのですが、これは中々に遣り甲斐のあるテーマだなと思っていたのです。

 スタディコーナーからバルコニーをのぞくと、黒いサイディングが見えています。

 全体像は、もう少し楽しみにとっておきます。

 2階の奥にあるのがLDKで、南に出来る限り開口をとりました。

 左面の壁には造作家具で一面の収納をつくりますが、その上のハイサイドも効いています。

 最後の最後まで悩んでもらったキッチンの取付が終わっていました。

 上部にあるロフトとの関係は、なかなかに面白い構成になっています。

 頭が良くなるかは、本人の努力によるところが大きいでしょう。しかし、子の成長を本気で願う親の気持ち、いや気迫は必ず伝わると思います。

 ということは、「おいでよhouse」は頭がよくなる家?10年先が楽しみなのです。

文責:守谷 昌紀

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