今年のゴールデンウィークは今日と明日以外、ほぼ晴れだったと思います。
この時期は意外に天気が安定せずで、旅先でも降られたことも結構ありました。
今年は”STAY HOME”ということで、何だか恨めしいと言えば恨めしい。
しかし建築の写真を撮るのは晴れに限ります。
「紺色」というコンセプトは、早い段階で決まっていたのですが、春の淡い青空に良く映えています。
玄関上の庇はかなり跳ねだしていますが、板金で仕上げました。
柱のない広い軒下は、とても価値があるはずです。
1階は個室が集まっていますが、大工チームは階ごとや、部屋ごとに分かれていることが多いのです。
棟梁は1階担当のようで、現場に着いたらまず顔を見に行きます。
2階はベテランのAさんが担当してくれたのですが、ほぼ下地が張り終わっていました。
ハイサイドが中央にあり、とても明るいので2階の方が勿論のこと気持ちが良い。
普通なら2階を担当したいと思うのですが、どんな基準で仕事場を振り分けるのか、今度棟梁に聞いてみようかなと。
現場打合せも、自然と2階ですることになります。
クライアント夫妻は、私と監督の長い打合せにも「本当に楽しい!」と言ってくれます。
よって、監督もいつも以上に気合が入って説明をしているの図です。
リノベーションでは屋根裏を狙いますが、今回も天井は全て撤去しました。
ただ、屋根面と梁が取り合う部分は、相当手間が掛かります。
ベテラン大工のAさんも「ちょっと骨が折れました」と笑っていました。
黄昏ている訳ではないと思いますが、勿論のこと感謝の気持ちを伝えたのです。
仕事が大変であればある程、空間には手跡が残り、思い入れと、物語りが織り込まれます。
それで、私は現場チームが嫌がることばかりお願いすることになります。
船長の最大の役割は、航海を成功させることです。
密室である船内で、クルーと喧嘩ばかりでも困りますが、ご機嫌をとっていて、船が難破してのでは話になりません。
「幸せな家を建てる」という航海の舵取りを任せて貰ったなら、人に良く見られたいとか、上手くやりたいという気持ちはぼぼゼロです。
ただ、言い方は大事です。
「ほんとに悪いんだけど、ここは、こう納めて貰えたら嬉しいんだけど……もし、ああ納めたら多分夢にでてきてうなされると思う……」
色々な仕事をさせて貰ったので、自分の経験を総動員して、話し合います。
ただ言葉の綾でなく、ほんとに夢にでて来たことが一度や二度ではないのですが。
ドラマなんかでもよくあるあのセリフの通り。
「い・い・か・た」
なのです。
文責:守谷 昌紀
■■■4月8日『Sumikata』東急リバブル発行に
巻頭インタビューが掲載されました
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