タグ別アーカイブ: コートハウス

3台駐車可「3つの庭を持つコートハウス」‐3‐栄栄栄

 気温もそろそろ20度を越えはじめ、桜の便りが聞こえてきます。

 先週土曜日は前日から雨。それにも負けず、梅の花が残っていました。

 まだ主役は譲れないといったところでしょうか。 

 2日前まで解体工事をしていたのですが、地盤調査にテント設営と、なんとかこの日に間に合いました。

 神主さんはすでに見えていて、テント内でてきぱきと準備中。

 祭壇の完成です。

 CDプレーヤーがあるのはかなり珍しい。雅楽を流すとのことでした。

 いつも、どこを撮影して良いか聞くようにしていますが、非常に気さくな神主さんで、鍬入れの儀から撮影してよいとのこと。 

 設計者は開墾を意味する鎌入れを担当しますが、オープンデスクの学生君に撮影してもらいました。

 掛け声の「エイ」は「栄」の意です。

   

 クライアントは、盛砂に鋤で穴を開けます。

 そこに鎮め物を。

 鍬を使って、鎮め物を埋めるのは施工者の仕事。

 最後に乾杯をして、無事式典を終えました。

 ご親族の皆さんが模型に大変興味を持って下さったので、式典が終わった後、建物についてミニミニ講演をしました。

 お子さんは所用で参加できなかったのですが、祖父母のお二人が熱心に孫娘さんが暮らすこの家をことを質問して下さったのです。

 そして最後に「凄く楽しみにしています!」と。

 こんな時、「命は繋がっていることに意味がある」という言葉を思いだすのです。

 「栄、栄、栄」

 ご家族がますます栄えることを願い、この声を掛け続けるのです。


文責:守谷 昌紀

■■■1月27日 『Best of Houzz 2021』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞

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【News】
■12月28日発売『suumoリフォーム(関西版)』にインタビュー記事掲載
■10月23日『homify』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■9月11日発売『リフォームデザイン2020』「回遊できる家」掲載

■2017年11月27日ギャラクシーブックスから出版『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀がamazon <民家・住宅論>で1位になりました

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建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記

3台駐車可「3つの庭を持つコートハウス」‐2‐リアリティでなくリアル

 真っ白とキューブは基本的に相性がよいものです。

 近代建築の三大巨匠、ミース・ファン・デルローエは”Less is More”と言いました。
 
 解釈は人によって異なりますが「少なきことは豊かなこと」と訳されることが多いのです。

 装飾を排除したこの家に、豊かな空間を持たせることが出来たのか。

 アニメーションもUPしてみます。

 駐車場の後ろにあるのが、広い中庭。

 そしてLDKが続きます。

 中央に見える薪ストーブも何とか実現できそう。  

 2階には主寝室。

 そして子供部屋。

 ゆったりとした敷地環境なので、各個室以外は全て1階に配置できました。

 何より、前庭、中庭、後庭と3つの庭を持つという敷地環境は、私も初めての経験です。

  手描き、CAD、アニメーションと時代は変化し続けます。

 ようやくワクチンの接種が始まりましたが、コロナ下の社会となり、CG、アニメーションを導入しました。

 現在、リモート打合せのみで進行している計画が2つあるので、そういう意味では非常に感謝しています。

 それでも私は模型が大切だと思っています。いや好きなのでしょう。

 リアリティでなくリアル。それが模型だからです。


文責:守谷 昌紀

■■■1月27日 『Best of Houzz 2021』を「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞

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【News】
■12月28日発売『suumoリフォーム(関西版)』にインタビュー記事掲載
■10月23日『homify』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■9月11日発売『リフォームデザイン2020』に「回遊できる家」掲載
■5月16日『homify』(英語)の特集記事に「下町のコンクリートCUBE」掲載
■5月10日『Houzz』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■4月8日『Sumikata』東急リバブル発行に巻頭インタビュー掲載

■2017年11月27日ギャラクシーブックスから出版『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀がamazon <民家・住宅論>で1位になりました

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3台駐車可「3つの庭を持つコートハウス」‐1‐プロローグ

 背後には里山が見えており、敷地は南向きで日当たりがよい。

 のどかな地域だ。

 環境は非常に恵まれており、旧家が立ち並ぶことも納得できる。

 既存建物は45年前にクライアントの御尊父が建てられたものだが、解体工事が始まった。

 内部は一般的な木造建築と変わらないが、躯体がとても面白い。

 2階が分かりやすいのだが、柱、梁がH鋼で構成された鉄骨造なのだ。

 多少錆びは見えるが、この時代にここまで拘って建てられた鉄骨住宅も珍しい。

 外壁がコンクリートブロックで構成されていることは、解体に入ってから分かったものだ。

 解体とは本当に難しい仕事だと思う。
 

 木。

 竹で出来た小舞。

 小舞に塗り込まれた土壁。

 そしてブロックと鉄。まさに建築素材の宝石箱である。

 当初から新築の相談だったが、初めはフルリノベーションの可能性も模索した。

 しかし最終的に新築となったのは「配置」を替える必要があったからだ。

 当たり前だが、車は大きく重たいので、建物の後ろへ止めるのは難しい。

 それで、建物の一番前に置くことになるのだが、その際にカーポートと言われる屋根が採用されることが多い。

 これは全ての一番前にあり、その建物の心象を決定づける。

 私はこれまでの仕事の中で、既製品のカーポートをむき出しで採用したことがない。

 ささやかな抵抗とも言えるが、それを採用するくらいなら、設計料を頂いて私が担当させて頂く意味はないかなと思うからである。

 本計画のタイトルに「3台駐車可」と入れたのは、非常に重要なテーマと思ったからだ。

 機能と美しさを両立させたいと思うのだ。

 解体と配置だけで、かなりの紙面を使ってしまった。

 笑いがアンサンブルするコートハウスという切り口は、次回に書いてみたいと思う。

 実はこの計画は超特急プロジェクトでもある。

 「サクサクと」という言葉は、ギャンブル用語だと言われるので、あまり品はよろしくない。
 
 しかし超特急ゆえ、そうも言っていらない。工事も現場日記も、サクサクと進めていくことにしようと思う。

文責:守谷 昌紀

■■■1月27日 『Best of Houzz 2021』を「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞

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■10月23日『homify』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
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■5月16日『homify』(英語)の特集記事に「下町のコンクリートCUBE」掲載
■5月10日『Houzz』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■4月8日『Sumikata』東急リバブル発行に巻頭インタビュー掲載

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家事動線がコンパクトな「白のコートハウス」‐5‐取説とエピローグ

 木曜日の昼から「取り扱い説明」、いわゆる「取説」でした。

 引渡し前に、キッチン、ガス給湯器などの担当者が順に現場を訪れます。

 キッチン担当は、少し早めに来て準備中。

 この住宅のメインコンセプトは「家事動線がコンパクト」。

 キッチンとダイニングテーブルは横並びなので、動線は最短です。

 階段の向こうにあるのは洗濯室。

 洗濯機は引っ越し時に据えられますが、その上にあるのは簡易アイロン台です。

 洗濯室からは脱衣室、洗面へとアプローチできます。

 エントランスからの並びは、シューズクローゼット、クローゼット、洗面、脱衣室、浴室。

 脱衣室は洗濯室とつながり、洗濯室とキッチンがつながります。

 更に全てに廊下からもアプローチできるのです。

 そうこうしているうちに奥さんがみえ、説明が始まりました。

 正面に見えるのは中庭。

 コートハウスはやはり光が優しい。

 6畳ほどの空間ですが、2階の窓から1階とコンタクトできるようになっています。

 奥にあるのは当面は土遊び場、将来は緑を植える予定です。

 中庭は2階においても価値があります。

 1、2階ともですが、全ての部屋が中庭に向いて開いているので、完全にプライバシーが守られています。

 こちらの住宅の公開は現場まで、よって今回が最後。

 これもストーリーの1つなのです。

文責:守谷 昌紀

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家事動線がコンパクトな「白のコートハウス」‐3‐徹底的に静かを目指す

 現場での打合せは、概ね2週間に一度行います。

 前回は9月の始めで、この時は大所帯で訪れました。

 スイッチ、コンセントの位置を決めるのに、型紙を貼っていくからです。

 施工会社からは監督ともう1人、電気工事の担当者に、当社からは2人。

 加えて、オープンデスク生も連れて行きました。

 この打合せは、電気などの配線の前で、しかも壁を塞ぐ前に行います。

 よって、タイミングが限られます。

 昨日訪れると、すでに壁の前面に繊維状のシートが張られていました。

 そこに小さな穴を開け、断熱材を吹き込んでいくのですが、1階はすで施工が終わっていました。

 断熱材は古紙を粉砕したもので、「セルロースファイバー」といいます。

 断熱性能とともに遮音性能が優れているのです。

 一般的な断熱材よりは高くなりますが、静かな環境を求める人には合った工法なのです。

 コートハウスなので、開口部は全て中庭に向いています。

 閑静な住宅街のうえ、この工法を用いているので、かなり静かな室内環境になるでしょう。

 環境、プラン、性能がかみあってこそ、それらは実現できるのです。

文責:守谷 昌紀

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家事動線がコンパクトな「白のコートハウス」‐2‐中庭の効用

 台風の通過で、建方が3日ほどずれこみました。

 何とか、盆休み前に上棟した「白のコートハウス」。

 エントランス周りは、家族用動線が別にあり、家事動線をコンパクトにしています。

 なぜコンパクトになるかは、もう少し工事が進んでから説明します。

 玄関から中庭を見ながらLDKに入って行く景色は、コートハウスならでは。

 近隣の視線を気にせず、開放できるのが最大の長所です。

 LDKはL字になっており、2面が中庭に接します。

 中庭に対しては、天井面まで開口部としました。

 建物の中心に行灯(あんどん)が差し込まれている光景をイメージしてもらえればと思います。

 直射光ではない、優しい光が常にそこから漏れてくるのです。

 2階は、中庭を囲むように4部屋を配置しました。

 主寝室には前室をもうけています。

 ゆったりとした空間になると思います。

 外部からの視線を気にしなくてよいバルコニー。

 この空間を使うのは主にご主人か。この用途も追々。

 中庭の足場がとれるのは10月頃か。

 その時に差す光が楽しみな計画なのです。

文責:守谷 昌紀

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アトリエmの現場日

家事動線がコンパクトな「白のコートハウス」‐1‐プロローグ

 敷地は閑静な住宅街で、近くにコンビニもない。

 この便利で忙しない時代、静かさは何にも代えがたいということがわかる。

 息を止めては大げさでも、見ず知らずの人が歩けば、周囲からの視線を気にすることになるだろう。

 金額調整も終え、6月から本格的に工事はスタートした。

 配筋検査を終えると、建物と敷地の関係がよく分かる。

 特徴は、何といっても6畳ほどの中庭だ。

 この建物は、外には完全に閉じている。

 そして全ての部屋がこの中庭に開いている。

 コートハウスも、L型、コの字型とバリエーションがあるが、ロの字のコートハウスは、最も大きな敷地を必要とする。

 反対のいい方をすれば、各部屋へのアプローチを要するため、面積効率が悪いともいえるのだ。

 夫妻は共働きで大変に忙しい。

 その中で、家事動線を限りなくコンパクトに、そして気楽に開ける屋外を求めた結果、このプランに行き着いたのだ。

 家事動線については、奥さんと細に入り打合せをした。

 とてもコンパクトで、スムーズな動線になったと自負している。

 プライバシーが保たれ、家族だけの空がある家。

 ミニマルな箱の中に、豊かな空間を生み出したいと思う。

文責:守谷 昌紀

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