梅雨入り前、滑り込みで上棟式が間に合いました。

スタッフにも早めに来てもらい、会社を8時40分頃には出るのですが、いつも約束の時間ギリギリ。
現場のほうは準備万端で、クライアントもすでに到着済み。今回も私達が最後になってしまいました。
建方が終わり、全容が見えてきましたが、右の箱が2階棟、左の箱が駐車場棟です。

駐車場棟は、車3台がゆったり駐車できます。
木造でこの大空間をどうやって実現したのかも、また書いて行きたいと思います。
式典自体は手造り版。クライアントには「洗い米」「粗塩」を持ってきてもらい、監督が進行してくれました。

エントランスを入ってすぐに階段がありますが、今回も仮設階段を先に掛けてくれました。
これが有ると無いとでは、現場打合せの精度が全く変わってくるので、とても助かるのです。

ご夫妻には四方を清めてもらいます。
東西に長いLDKはこの建物の見せ場となる空間。
端から端までおよそ13m。10mを越えてくると「広いなあ!」といった反応が多くなるでしょうか。
この抜け感はいつも意識しています。

御幣を2階の最も高いところに据えて、皆で二礼二拍一礼。
式典は無事終了です。

2階は個室が集まりますが、南の部屋は高い腰壁に囲まれたバルコニーを備えています。
この形状も一工夫したので、仕上がりが楽しみな所です。

現在はすっぽりシートに囲まれているので、中庭の存在は分かりません。

しかし、2階から見下ろすとその形状がよく分かります。
大きな駐車場が前にあるお陰で、プライバシーが保たれています。
敷地が大きい場合は、特に外部の計画が重要で、今回も価値ある空間になると思います。

LDKはその中庭に開放されており、解放感ある景色となるはずです。
工期がタイトなことはいつも気にしていますが、到着が常にギリギリであることも気になっていました。

今回、距離的には短いが道幅は狭い、抜け道を通ってみました。

狭いので飛ばすのは御法度です。
こういったケースは「あまり変わらなかったね」ということが多いと思いますが、3~4分の短縮にはなったと思います。
その程度かという事無かれ。それでも2分遅刻したので、十分価値はありました。
スピードが出せなくても、止まらずに進める抜け道が大好きです。
地域の暮らしが近くで見てとれ、魅力的な景色も多く、抜け道好き歴は30年です。
その場所へ行き、その場所にいる人を幸せにするのが建築家の仕事です。
旅芸人も似た仕事ですが、移動が好きな人が選ぶ仕事なのだと思います。
文責:守谷 昌紀
■■■1月27日 『Best of Houzz 2021』を「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞
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