元号の発表もあり、新年度がスタートしました。

庭木も花をつけ、現場へ向かう道中を楽しませてくれます。
建築の集合体が街とするなら、良い家を創ることは街へ貢献することにもなるはず。
どの仕事もそうですが、遣り甲斐はおつりがくるほどあるのです。

内部の手バラシがほぼ終わりました。
この建物は築30年と、フルリノベーションの中では比較的新しいほうでしょうか。
基礎のひび割れもなく、床下も乾燥。状態は良好です。

浴室は水気が多いので、痛んでいることもありますが、それも問題なさそう。
こちらの建物は、宮大工が1年程掛けて建てたと教えて貰いました。
今は亡きクライアントのお父様の知人だったそうですが、構造体はしっかりしています。

2階の床版がないこの状態は、高い位置からの光が1階まで落ちてきます。
教会の高窓のような光が差し、空間をドラマチックに演出するのです。
流石に、2階床版の全部を無くす訳にはいきませんが、1箇所、2階と通じるようにしたいと考えています。

宮大工が担当しただけあり、下屋の屋根組は極めて複雑。
この部分をバルコニーにしようと考えており、このあたりは、監督、棟梁の腕のみせどころなのです。

棟木には御幣がとめられていました。

周辺は田んぼですが、まだ何も植わっていません。

下草が生えだし、のどかな景色が広がります。

私と同年代のクライアントが「写真と言えば、あの辺で撮ったものばかりだったな」と。
間もなく田植えが始まるはずで、秋までは下に降りられないと思います。
冬になれば切り株と土ばかりで絵にならないでしょう。
そう考えれば、この時期の写真だったのかなと想像するのです。
記憶は景色と共に残ります。誰かの人生の背景をつくっていると考えれば、やはり責任は重大です。
新芽の匂いとともに、誰にも春の思い出があります。
その背景を、少しでも美しく彩ってみたいと思うのです。
文責:守谷 昌紀
■■■『デンタルクリニックデザイン事典vol.1』4月1日発売に「さかたファミリー歯科クリニック」掲載
■■■『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀
ギャラクシーブックスから2017年11月27日出版
amazon <民家・住宅論>で1位になりました
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
【News】
■「トレジャーキッズたかどの保育園」が
地域情報サイトに掲載されました
■大阪ガス『住まう』11月22日発行に「中庭のある無垢な珪藻土の家」掲載
■ 『住まいの設計05・06月号』3月20日発売に「回遊できる家」掲載
■『homify』6月29日に「回遊できる家」掲載
◆メディア掲載情報
◇一級建築士事務所 アトリエ m◇
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記