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軒が深いから「おいでよhouse」‐3‐コンクリートは鮮度が命

 サンマ1匹が100円台まで下がったと新聞に出ていました。

 そんなことが記事になる時代になったのですが、太古から秋は秋晴れと決まっています。

 今週は晴れ空が続きました。

 水曜日の9時頃現場へ行くと、すでにコンクリートの打設が始まっていました。

 「おいでよhouse」はかなり縦長の敷地です。

 現場内に4人、現場前に3人くらいのチームで打設して行きます。

 コンクリートを荒らしたくないので、打設は一番奥からすることが大半です。

 ポンプ車がアームを目一杯持ち上げ、奥へホースを送り込みます。

 ホースの先端をさばいているのは一番若い職人。

https://youtu.be/-A1tDNxFs6E

 これがなかなかの重労働です。

 もうひとりは満遍なくコンクリートが広がるよう、バイブレーターを当てて行きます。

 振動でコンクリートが広がる様子が、動画なら伝わるでしょうか。

 コンクリートは生ものにつき、鮮度が命です。

 打設した後を追いかけるように、左官職人がコテで押さえて行きます。

 更に気温によって1~5時間後、水が引いた後に再度コテで仕上げるのです。

https://youtu.be/YO9mXQ7jcic

 生ものが半日後には人の手では変えることができなくなり、翌日には完全に不可能になります。

 少し事情があって停滞していた現場ですが、順調に進みだしました。

 お隣の敷地も、同じようなタイミグで工事が進んでいますが、一番前の形はなかなかに特徴的です。

 2週間後あたりには建方まで進みそうで、形を見るのを楽しみにしているのです。

文責:守谷 昌紀

■■■9月11日発売『リフォームデザイン2020』「回遊できる家」掲載

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【News】
■10月23日『homify』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■5月16日『homify』(英語)の特集記事に「下町のコンクリートCUBE」掲載
■4月8日『Sumikata』東急リバブル発行に巻頭インタビュー掲載
■2月13日 『Best of Houzz』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞

■2017年11月27日ギャラクシーブックスから出版『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀がamazon <民家・住宅論>で1位になりました

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軒が深いから「おいでよhouse」‐2‐トライCG

前回、軒が深いから「おいでよhouse」というコンセプトが決まるのは、あっという間だったと書きました。

そこからは、クライアントとこのお家はどうあって欲しいか、どうあるべきかを考えて行きます。

その途中にあるのがスタディ模型です。

建築は通常で言うなら人生で最も高い買い物です。

よって、失敗したからやりなおし、という訳にはいきません。

それで、設計図面を仕上げるまでの検討が大切なのですが、私としては描いたり、模型を切ったり剥がしたりしながら、「手」で検討するのが一番良いと思っています。

しかし、2000年頃からCAD化が進み、現在はCG全盛時代となりました。

なんでも挑戦です。

まだまだ造り込みは甘いですがトライしています。

エントランスから1階廊下。

階段を登りきった先にある、スタディコーナー。

そして壁面収納を備えたLDK。

ロフトとの繋がり感も分かりやすいかもしれません。

見下ろしてみます。

「ウォークスルーは見れないですか?」という要望も増えてきました。

3分くらいでまとめてみました。

ニューヨークに住む友人が「文法が苦手だと思うなら、そこから勉強すればいいよ。そうしたら、英語がめきめき上達するから」と言われました。

不得手だと思っているところこそが、自分の伸びしろだという意味です。

まだまだプロクオリティとは言えませんが、リモート打合せが増えた今だからこそ、積極的にトライできるとも言えるのです。

全てはクライアントの幸せの為に。

ビールの宣伝ではありませんが、そこをどれだけ純粋に突き詰めて行けるか以外に違いを出すことは難しいと思っています。

文責:守谷 昌紀

■■■4月8日『Sumikata』東急リバブル発行
巻頭インタビューが掲載されました

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■2月3日『Houzz』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■12月3日 『Houzzユーザーが選んだ人気写真:キッチン編』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が5位に選出
■9月30日発売『suumoリフォーム 実例&会社が見つかる本 関西版』「回遊できる家」掲載
「トレジャーキッズたかどの保育園」
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■2017年11月27日ギャラクシーブックスから出版『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀がamazon <民家・住宅論>で1位になりました

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軒が深いから「おいでよhouse」‐1‐プロローグ

1997年、初めて住宅誌に作品写真を送った時のこと。

編集者に「コンセプトが大事だから」と言われた。暗にコンセプトが弱い、明確でないと言われたことになる。

しかし今考えると、半分は正しく、半分間違っていると思っている。

建物は草木ではないので勝手に生えてくることはない。どんな建物にも明確なコンセプトが確実に存在する。

例えば、「利益を限界まで追求する」というのも明確なコンセプトである。

敷地は大阪市内の住宅地。

間口5m程の敷地に、駐車場とエントランス周りの空間を配置した。

俯瞰するほうがその形状が分かりやすい。

そのシビアな配置の中で、1m程もある軒の張り出を見て貰えるだろうか。

1階は3つの個室。 

北側接道の為、2階の南側にLDKを配置している。

そして、LDKに面して9畳程あるロフトを設けた。

ロフト下には天井高を抑えられる、浴室などをまとめてある。

北側道路に面したスタディコーナーは、こじんまりとした空間だが、落ち着いて勉強ができるはずだ。(多分)

まだお子さんが小さいので、ロフトは遊び場としてかなり期待している。

高い天井は面積以上の解放感を与えてくれるはずだ。

 今は家の中がゴチャゴチャしていて、なかなかお友達にも来て貰えない。

 新しいお家が出来たら、今はお呼ばれしているお友達を是非招きたいんです。

 そんなお友達を家の前で、傘を差したまま待たせるのは嫌なんです。

奥さんからこの話を聞いた時、この計画の幹となるコンセプトにするべきだと思った。

プロジェクト名はその場で『おいでよhouse』に決めたのだ。

コンセプトとは出来上がった建物を説明するためにあるものではない。

生物にとってのDNAのようなもので、この建物が存在する理由と、その設計の根幹となるものである。

自身が暮らした兵庫県中部に位置する街では、玄関に軒や庇が無い住宅など無かったのだと思う。

市街地で暮らすようになり、そのことに気づき、言葉にできるところが凄いと思ったのだ。

このコンセプトは間違いなく正しい。ならば良い建築が出来上がることはは確定している。

しかし現実はいつものことながらで、厳しい金額調整、そしてハードネゴの下ようやく着工となった。

「おいでよhouse」

何度聞いてもよい響きだ。

悦に入っているのが私だけにならないよう、気を引きしめて竣工を目指そうと思う。

文責:守谷 昌紀

■■■4月8日『Sumikata』東急リバブル発行
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