「トレジャーキッズたかどの保育園」の開園は、2018年4月1日。
計画がスタートしたのは2017年の2月でした。どの計画もそうですが、様々な課題を乗り越えようやく竣工に至ったのが3月27日。
ようやく、当社のwebサイトも公開できました。
竣工写真の撮影に行ったのは、開園して3週間後。
良い写真が撮れたのですが、やはり園児さんが実際にいる写真も撮ってみたい。
写真家に相談すると、「そういう写真は守谷さんが撮った方がいいのでは」と。
人物ありの撮り方を即席レクチャーしてもらい、現地へ向かったのが5月下旬でした。
園に近付くと鯉のぼりが見えます。
園長先生はいつも歓迎してくれるのですが、挨拶もそこそこに早速撮影を開始します。
広い園庭の半分が芝生。
小さい園児さんは直接芝の上を這ったり歩いたり。
ここが大阪市内であることを忘れさせてくれます。
砂場の広さは12畳ほどあります。
現場から担当してくれた、運営会社の担当者さんが「広い砂場で、思いっきり遊ばせてあげたいんですよ」の一言で、着工前に大きくなりました。
エントランス前にある通称「ソロバン」。
こちらもこの方のアイデアで、「お迎えにきた親御さんが話し込んだりしている時、退屈しないじゃないですか」と。
そろそろ室内へとなり、懸命に靴を脱ごうとする姿に、思わずシャッターを切り続けました。
一所懸命より、愛おしいものはありません。
この鯉のぼりは、皆で製作したもので、ヒレの部分は、カラーごみ袋でつくるそうです。
先生方の引き出しに感激するのです。
2階奥の広い園児室で、体操教室がはじまると聞き、撮影の準備に。
体操の先生が来る前から、園児くんたちのテンションはマックスです。
しかし先生も勿論負けていません。
平均台、マット、鉄棒を使った教室が始まりました。
流石はプロ。こうやってやる気にさせるのかと納得します。
この園は、くの字の平面を持っていますが、折れ点にあるのが0歳児室です。
園庭に面する距離が短いので、この部屋はトップライトを設けました。
2層吹抜けの天井から、さながら教会のような光が落ちてきます。
その下で遊ぶ園児くんと先生。
素晴らしい景色を見せてもらった気がます。
園庭にある古タイヤは、明るい園長先生の明るいご主人が、休日に運んでくれたものです。
ご主人は、保育とは関係のない仕事をされていますが、「ここは、大・中・小がいいんじゃない」と。100%正解です。
実は、開園して2週間後、運営会社の方々が謝恩会を開いて下さいました。
同時に4園が開園し、その施工会社、設計事務所が招かれ、労をねぎらって頂いたのです。
私も挨拶をさせて頂いたのですが、トリは「砂場」「ソロバン」のアドバイスを貰った、事業部のリーダーでした。
この日も、広島への出張中だったのですが、閉会間際に何とか大阪に戻ったこられたのです。
急遽の指名でしたが、感極まり、運営会社の社員さんの多くがもらい泣きをしていたのです。
しかし、その涙の意味は皆が知っています。
この方が、どれだけ園児を思い、保育士の先生方を思っているかを。
一所懸命の大人が沢山いる現場は、本当に働いていて楽しいし、必ず事態は好転して行くのです。
勿論改善点はあると思います。
しかし、本気の大人が、本気で創った保育園です。長く愛して貰えたらこれ程嬉しいことはありません。
そして一所懸命より尊いものはないと確信するのです。
文責:守谷 昌紀
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