タグ別アーカイブ: アトリエm

「千葉の家」‐8‐ 寄りと引き

千葉へ行ったのは先週でした。

明日が引っ越しというタイミンで、外部だけ撮影して来ました。

表札は焼物です。こういった素材感は、無垢ならでは。

正面のスチール庇はスチール製です。レンガの対比がなかなか美しいものです。

外観が「引き」の写真なら、素材感が伝わるのは「寄り」の写真です。

引きで形が良く解るのは、この角度でしょうか。

どのアングルがこの家を最もよく伝えることが出来るのか。これが、撮影の楽しみであり、緊張であり。

今回は思い切って、ミラーガラスも使っています。

正面が北向きなので、昼間なら家の中はほぼ見えません。中から見ていると、結構指を指している人も多いとのこと。良い話であれば嬉しいのですが。

内部の撮影は、奥さんによる家具工事が終わってから。その連絡を楽しみに待っているのです。

文責:守谷 昌紀

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「千葉の家」‐7‐ ぞくっと

昨日、現場へ行っていました。

審査機関の完了検査だったのです。

審査機関の人が「関西弁だね」といい、書類に目を通しました。「ああ大阪から。大変だね」と。

全く大変でないとと言えば嘘になりますが、声が掛かる内が華だと思っています。検査は問題なく終了。まずは一安心です。

内部は最後の掃除か残っているものの、概ね完成です。

決して大きな家ではありませんが、2階は1室空間。天井高もあり、開放的な空間になりました。

道路が北にあるので、南側に大き目のバルコニーをとっています。

フルオープンの窓を開ければ、外部とも一体に。

大きく窓を開けてお風呂に入りたい。出来ればそこから外に出たい。

よって、お風呂からバルコニーに出れるドアをつけました。

奥さんが夕方現場に来てくれました。「足場が外れ、初めて外観を見た時は、ぞくっとしました」と。

初めに書いたのですが、この建物にはモチーフがあります。

プレミアリーグのリヴァプールの本拠地、アンフィールドというスタジアムです。それでも、そんな感想を貰うと設計者冥利に尽きるのです。

文責:守谷 昌紀

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「千葉の家」」‐6‐ タイルと表札いい感じ

先週にかけて、8月24日(土)、30日(金)、9月4日(水)と現場に行っていました。

現場も追い込みです。

駅前商店街も、見慣れた光景に……と言えば大げさかもしれません。

しかし、回を重ねる度、愛着が湧いてくるのは事実です。

当初より、計画の中心にあったレンガのファサード。その姿が、ようやく現実のものとなってきました。

奥さんが、時々写真を送ってくれるのです。

更に、2階梁は自身で塗られたもの。他の家具も塗って貰う予定です。

プロの仕事がいつも最善とは限りません。粗っぽく、濃淡を付けたいなどは、DIYに限ります。

焼物の表札も付きました。名前のところは加工していますが「いい感じです」とのことでした。来週、実物を見るのが楽しみです。

現代において「良い感じ」と「いい感じ」は違う表現。いい感じなのです。

文責:守谷 昌紀

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「千葉の家」-5- 屋根の上で宇治金時

8月20日(火)は、10:30amには現地につきました。

3時の休憩には、クライアントからアイスの差し入れ。宇治金時を食べるのは何十年振りでしょうか。

高い所で食べるアイスは、とても美味しく、かつ涼しいのです。

どこで食べたかと言うと、建物正面の一番上。ここに庇があり、へこみがあるのが見れるでしょうか。

足場がある、今だからこその醍醐味です。

奥さんは、非常に身軽な人です。ハシゴのないロフトまで、ヒョイヒョイと登ります。

ここからの景色がなかなか良いのですが。

工期が遅れ気味で、ご迷惑を掛けています。しかし「職人さん達に無理をさせないでくださいね」という気遣いまで。

物創りと言っても、人と人の関係から生まれて来るもの。その気遣い、期待に応える仕事をしなければなりません。

千葉通いも今回で12回目になりました。あと何回現場に来られるのか……

常磐線に乗り換えるのが上野駅。初めて通った時、その天井の低さに、驚いたものです。

京都も、大阪も暑いですが、東京も暑い。

ジリジリと高層ビルを焼きつける様が、尚そう感じさせます。

文責:守谷 昌紀

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「千葉の家」-4- サポーターが建てる家

日曜日は、現場へ行っていました。

土日は、つくば市でのイベントに参加していたので、ホテルからの移動です。

朝一番、現場に着くと、ようやく実物を見る事が出来ました。

天気も良く、気分爽快です。

まずは2階へ上がります。

道路が北側で、2階の奥、南にバルコニーを配置しました。南に開くにリビング・ダイニングは、天井高最大4m。

吹抜に近い大空間に、ロフトも備えています。

クライアント、監督と屋根上にも上りました。

これも足場がある時ならでは。

この日の目的は、主にスイッチ、コンセントの位置決定。実寸の型紙を貼って確認して行きます。

この打合せは、家を建てる過程の中で、最も時間が掛かる日なのです。

準備2時間、打合せ5時間。全て終わったのが、2時半頃でした。充実感を感じながら、つくば市のイベント会場へ喪戻ったのです。

2階にあるロフトは、ご主人の要望。

小さな窓は寝転んでバルコニーが眺められるようになっています。

帰りがけ、日立柏サッカー場へ向かうサポーターの姿もちらほらと。この後、勿論クライアント家族もスタジアムへ向かいます。

柏のサポーターが千葉に建てた家。サッカーは、暮らしに深く根差していると実感するのです。

文責:守谷 昌紀

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「千葉の家」-3-いかに伝えるか

地鎮祭の後、基礎工事が始まっています。

基礎工事が終わると次は建て方。柱、梁などを組み上げて行きます。

それに伴い、決めていくべき事が沢山でてきます。

躯体が出来上がったあとは、屋根、サッシ、外壁工事が始まるのです。

立面図に色付けし、仕様を書き込んだものをクライアントへ送付しました。

模型、スケッチとそれぞれの役割があるのです。

意外かもしれませんが、サッシは外壁工事より前に取りつけます。

よって、比較的早い段階で全てを決定する必要があるのです。

いかにイメージを共有できるか。この言葉に尽きるのです。

文責:守谷 昌紀

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「千葉の家」-2-関東と関西で違う地鎮祭

先週の土曜日、地鎮祭が執り行われました。

残念ながら、私はスケジュールが合わず……全て施工会社の方へお願いすることになりました。あの掛け声をかけられず残念です。

何とか雨が降る前につつがなく終了したと連絡があったのです。

この4年程のあいだに、関東圏の仕事は3件目になりました。色々な国、地域で仕事がしたいと思っているので、とても嬉しいことです。

地鎮祭は関東と関西で違いがあります。

設計者の鎌入れ→クライアントとが砂山を堀り→施工者が鎮め物を埋める、という流れは同じですが、クライントの持つ道具が逆なのです。

大阪のクライアントがもつのは鋤(すき)。大きなスコップのような形状のものです。

ですが、「千葉の家」のクライアントが持つのは鍬(くわ)。このあたりの地域差は大変興味深いところです。

大阪からは距離にすると560km。移動には片道4時間半ほど掛かります。しかし、それを上回る刺激があるものです。

確認申請が下り次第の着工で、竣工は9月末の予定。暑い夏になりそうです。

文責:守谷 昌紀

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「千葉の家」-1-プロローグ

 2012年の8月下旬。千葉から電話を貰った。

 webサイトで当事務所を見かけて、とのこと。

 転勤により、様々な地域、国で暮らした結果、この地に家を建てたいという結論に至る。次は、どうすれば自分達の思い描いた家が建てられるかを模索することになった。

 そんな中、大阪の当事務所にも、2度足を運んでくれた。うち1回は車での来所。

 その帰りに、車のトラブルが起こった。原因は整備工場のケアレスミスだったが、幸いにも大事故には至らなかった。しかし、夕方に大阪をでて、家に着いたのは翌朝だった。

 「そんなこともあったねと、いつか笑い話になれば」と言えば歌詞のようだが、計画はゆっくり前進し、ようやく着工へとこぎつけた。

「リヴァプールは夢、柏は生活」とはクライアントの言葉。

 リヴァプールとは、イングランド・プレミアムリーグの名門チームを指し、柏は柏レイソルを指す。熱烈なサッカーファンなのだ。

 初めて敷地を見に行った際、多くの人が黄色いユニフォームを着てスタジムに向かう姿を見る。体感として、地域密着という言葉を理解できたのである。

 スティーブン・ジェラートらが所属するその名門チームのホームスタジアムがanfield。

 何度かこの地を訪れたクライアントは、今度建てる家はあんな外観にしたいと考えた。よって外観はそれらをモチーフにしている。街を愛する人が増えれば、その街は良くなる。その一助となるような家になればと思う。

 内部や、奥さんのこだわりにはまた追々。

文責:守谷 昌紀

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「Shabby House」-30-ロケハン

5月17日(木)は1週間振りの「Shabby House」へ。

 重なる時は重なるものです。

 この日は雷雨の予報で、チンチン電車と地下鉄を乗り継いで。

 早めにお子さんを迎えに行き、ご主人が待ってくれていました。

 娘さんもあっと言う間に大きくなりました。

 現在のお気に入りは、テントの家のようです。

 先月の中頃、情報番組のディレクターから、この家を見せて貰いたいと連絡がありました。

 私は居ても居なくても良いという事でしたが、もし説明が必要ならと伺ったのです。

 来訪したディレクターは本日中に東京に戻りたいとのことで、早速夫妻が案内してくれました。

 この家が出来るまでのストーリーを、土地探し、「サロンのある家」のクライアントを介して私達の出会い、設計のコンセプト、物選びのこだわりまで、的確に説明してくれました。

 もう完璧でした。

 私が補足するようなことは一切無し。

 改めて、この家への愛情を感じました。

 ディレクターも、玄関ドア、酒部屋にはかなり興味を示し「是非取材させて頂く方向で」と新大阪へ向かったのです。

 その後、ビールを用意して頂き……

 こだわりのベルギービールが適度に冷えていました。

 オリーブの実、スモークチーズで乾杯。

 アンチョビで味付けされたオリーブオイルに野菜スティックを付けて。

 何が入っていたのか、最も重要な素材を忘れてしまったのですが。

 家のその後、子供のこと等話題はどんどん展開して行きます。

 クライアントとの四方山話は、最も楽しい時間です。

 「できれば、今後はご友人として」と言って貰ったのですが、説明をし、それは辞めておきますとお返事しました。

 私にとって、友人という関係より、設計者とクライントという関係の方が大切なのです。

 心地よい緊張感のなか、プロとしての技量が問われ、それに何とか応えられた後に出来る清々しい関係が、最も好きなのです。 

 何より真剣勝負の場が好きというのが、偽らざる本音。夫妻には良く理解して貰えたと思っています。

 何と言っても楽しい時間で、帰りは終電。ちょっと長居しすぎましたが。

文責:守谷 昌紀

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「Shabby House」-29-1年3ヶ月点検

5月9日(水)は朝からの雨。

工事中は自転車で通っていましたがこの日は断念。

正面のブンデンストウヒはヨーロッパでクリスマスツリーに使われる樹種。

よって常緑樹ですが、新芽が出ていました。

この日は奥さんとは会えなかったのですが、キッチンカウンターにはポンセチア。

赤い部分はハナミズキと同じように、花弁ではありません。

手摺はスチール製で、マグネットの尺取虫が付いていました。

ここに来ればこの部屋はのぞいて帰ります。

酒部屋の雪見障子は下端が少し擦れているようで、要調整です。

躙り口からの良い写真が無かったので、再度撮影させて貰いました。

点検は主に建具の調整、壁隅の隙間埋めなど。

半日くらいで何とかなりそうです。

家の大きな役割に、街の景色をに担うというものがあります。

以前「小学生が可愛い家やね」と言っているのが聞こえたと教えてくれました。

そんなことが、とても励みになるものです。

様々な種の草木は更に、道行く人の目を楽しませてくれるのではないかと思います。

クリスマスには文字通りのクリスマスツリーをライトアップしていたそうですが、この辺りはそのような習慣はないそうです。

ちょっと浮いていたとか。それもクリスマスくらいは許されるはず。

今年はその写真を撮りに来たいと思っています。

こちらのお家、また来週くる予定です。

文責:守谷 昌紀

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