一級建築士事務所アトリエm 守谷 昌紀 のすべての投稿

大阪市平野区、設計事務所。建築家 守谷昌紀

「黒壁の家」‐6‐横断幕から愛を込めて

 昨日、子供を連れて現場に寄りました。

 タイミングが合えば、出来る限り連れていくようにしています。建築中の現場はそれ程魅力のあるものです。


 現場では、大工の棟梁が作業中でした。

 休日返上で仕事する事のが、常に良いことだとは思いません。しかし、連休2日目に現場へ出てくる職人に、悪い人は居ない気がします。

 決して工期が切羽詰っている訳ではありませんから。

 こちらは、敷地の形状が特徴的です。

 それに合わせ、理想的な中庭がとれました。

 LDKとつながる和室は、将来、親世帯との同居を可能に。

 なにせ、テーマは「孫が遊びにきてくれる家」。全てにおいてスパンが長いのです。

 当面この和室は、ご主人が食後ゴロゴロするスペースになるかもしれません。 中庭を介して、ダイニングやキッチンとも視線で繋がっています。

 防水シートが貼られ、建物の輪郭が分ってきました。

 シートの上には当事務所の横断幕。

 妻が「向いの人は、いつもアトリエmっていう字を見る事になるんやね」と。

 何でも控えめの方が良いのですが、少しは宣伝もしなければなりません。

 建築はもっと自由なものなんだ、というメッセージを込めて。

文責:守谷 昌紀

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「千葉の家」‐8‐ 寄りと引き

千葉へ行ったのは先週でした。

明日が引っ越しというタイミンで、外部だけ撮影して来ました。

表札は焼物です。こういった素材感は、無垢ならでは。

正面のスチール庇はスチール製です。レンガの対比がなかなか美しいものです。

外観が「引き」の写真なら、素材感が伝わるのは「寄り」の写真です。

引きで形が良く解るのは、この角度でしょうか。

どのアングルがこの家を最もよく伝えることが出来るのか。これが、撮影の楽しみであり、緊張であり。

今回は思い切って、ミラーガラスも使っています。

正面が北向きなので、昼間なら家の中はほぼ見えません。中から見ていると、結構指を指している人も多いとのこと。良い話であれば嬉しいのですが。

内部の撮影は、奥さんによる家具工事が終わってから。その連絡を楽しみに待っているのです。

文責:守谷 昌紀

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「私の家」‐8‐どうする、消費税

 消費税の引き上げが決定したのは10月1日。

 建築工事は時間が掛かるため、経過措置があります。9月末までに工事請負契約を締結していれば現行のまま。工事が4月まで掛かっても5%で良いのです。

 高齢化社会が進み、税の分担を見直さないければならないのは理解できます。しっかり働き、しっかり納税するのは国民の義務でもあります。

 だた、正式決定が10月1日で、9月30日までに契約していればというのは何とも……

 私達がこの古家に住み始めてはや5年。建て替えを決めて2年が過ぎました。庭のモミジも、若干色づき始めています。

 消費税引き上げ後、需要の冷え込みを考慮しての住宅ローン減税もあります。

 もしローンを組むなら2000万円から5000万円あたりまで、引き上げ後の方が総額を抑えられるという試算もあります。

 と言っても、折角建てると決めたなら、早く建てたいのが心情。よって、例年以上に今年はバタバタしているのです。

 長男に続き、娘からもスケッチが上がって来ました。

 「もうっ!お父さんは人の家ばっかりつくって!」と娘は妻に言っているそう。私にとっては最高の褒め言葉ですが。

 娘には「小学校へ上がるまでには」と言って来たのですが、それも難しそう。この春からは工事をスタートさせると、侘びています。

 
 しかし、声が掛かるうちが花。「冬は越せない」という妻には、温かい服でも買って理解を求めるしか……

 消費税分は、頑張って働きます。

 【ここまで掛かった費用】-単位は円-
【A】<土地その他諸費用小計(税込)> 28,768,797
【B】<建築工事費>
【C】<施主支給>

□□□ 以下は明細 □□□
 【A】-1 <土地> 27,500,000
 【A】-2 <土地関係の諸費用> 1,268,797
-----------------------------------------------------------------—-
  小計 【A】28,768,797
 
    【A】-2 <土地関係の諸費用>の明細
    固定資産税精算 80,347
    土地仲介手数料 929,250
    司法書士 事務手数料 105,000
    不動産売買契約書印紙代 15,000
    登記費用(土地移転) 244,200

文責:守谷 昌紀

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「黒壁の家」‐5‐兄も喜ぶ棟上げ

 10月8日(火)は、朝がたパラパラと降ったようです。


 しかし日中は何とか持ってくれました。

 無事上棟を迎えることが出来ました。正面の構造は、複雑に、綿密に組み上げられています。 ここが建物の顔。


 いつもの事ですが、大阪市内での建方は非常に神経を使います。

 上の電線は6000ボルトの高圧電流。下には電話やCATVのケーブル。その間を、レッカーのアームがくぐります。


 6人くらいの大工がチームとなり、1日で全体を組み上げてくれました。


 奥さん、子供さん、そしてお父さんも、夕方現場に来てくれました。

 少し暗くなりましたが、隅に酒と塩をまいて回ります。小学校に上がったお兄ちゃんも、嬉々とした表情を見せてくれました。

 家を建てる際、お父さんお母さんの多くの時間を拘束します。よって、子供達には退屈な思いをさせる事が多いのです。

 そこでこう思います。出来上がった時には、最高に喜んでもらえるように、と。

文責:守谷 昌紀

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「千葉の家」‐7‐ ぞくっと

昨日、現場へ行っていました。

審査機関の完了検査だったのです。

審査機関の人が「関西弁だね」といい、書類に目を通しました。「ああ大阪から。大変だね」と。

全く大変でないとと言えば嘘になりますが、声が掛かる内が華だと思っています。検査は問題なく終了。まずは一安心です。

内部は最後の掃除か残っているものの、概ね完成です。

決して大きな家ではありませんが、2階は1室空間。天井高もあり、開放的な空間になりました。

道路が北にあるので、南側に大き目のバルコニーをとっています。

フルオープンの窓を開ければ、外部とも一体に。

大きく窓を開けてお風呂に入りたい。出来ればそこから外に出たい。

よって、お風呂からバルコニーに出れるドアをつけました。

奥さんが夕方現場に来てくれました。「足場が外れ、初めて外観を見た時は、ぞくっとしました」と。

初めに書いたのですが、この建物にはモチーフがあります。

プレミアリーグのリヴァプールの本拠地、アンフィールドというスタジアムです。それでも、そんな感想を貰うと設計者冥利に尽きるのです。

文責:守谷 昌紀

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「黒壁の家」‐4‐解体終了、地鎮祭

 9月8日(日)は大安。雨予報の中、何とか雨もあがりました。

 この敷地は、奥に入ると敷地が大きくなっています。

 前日からの雨もあり、式典は入口側のやや狭い場所で。


 神主が四方を清め祓います。


 そしてまずは私の仕事。

 砂山の草をカマで刈り取る儀式です。

 これは開墾を意味するものです。


 次にクライアントがクワで砂山に穴を掘ります。

 その穴に、施工者が鎮め物を埋めて行きます。

 今度は玉串の奉納。

 右手で軸を持ち、時計回りに3/4回転。軸を神棚へむけてお供えします。

 これはクライアントからなので、大雑把な流れはお伝えしておきます。それでも緊張するのが普通です。


 乾杯して、滞りなく式典は終了しました。

 この機会に、模型も、図面も一緒にお祓いして貰います。

 この後、建物配置、高さを確認して貰いました。満を持して、掘方がスタート。棟上げは10月上旬あたりでしょうか。

文責:守谷 昌紀

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「千葉の家」」‐6‐ タイルと表札いい感じ

先週にかけて、8月24日(土)、30日(金)、9月4日(水)と現場に行っていました。

現場も追い込みです。

駅前商店街も、見慣れた光景に……と言えば大げさかもしれません。

しかし、回を重ねる度、愛着が湧いてくるのは事実です。

当初より、計画の中心にあったレンガのファサード。その姿が、ようやく現実のものとなってきました。

奥さんが、時々写真を送ってくれるのです。

更に、2階梁は自身で塗られたもの。他の家具も塗って貰う予定です。

プロの仕事がいつも最善とは限りません。粗っぽく、濃淡を付けたいなどは、DIYに限ります。

焼物の表札も付きました。名前のところは加工していますが「いい感じです」とのことでした。来週、実物を見るのが楽しみです。

現代において「良い感じ」と「いい感じ」は違う表現。いい感じなのです。

文責:守谷 昌紀

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「黒壁の家」-3-環濠のあった街

 計画のオファーを貰った際、まずは土地について調べます。


 建物は土地と切り離せないもの。

 その場所の歴史を知る事は、重要な事とだと考えています。大阪なら、6千年前の地形をイメージすると、分り良いのです。

 大阪の西の玄関、住吉の港から少し東に入ったあたり。上町台地の上にあり、概ね地盤がしっかりしていると想像できます。

 計画地から少し歩くと、幹線道路が南北に通っています。

 この道を境に、2m程の高低差があるのです。海岸線の名残なのかなと思っていました。

 クライアントのご両親に聞くと、堀が有ったと分りました。こちらは環濠都市だったそうです。

 環濠都市とは、商人が自衛の為、周りに堀をめぐらせた都市を言います。最も有名なのは堺郷。平野郷も大きな環濠都市で、共に信長が重用した宣教師、フロイスの記述にも出てくるのです。

 それらが、計画に直接の影響を与えるかは別ですが、古の風景が想像出来ると、更に愛着も湧いてくるものです。

 何千年もの間、ここには暮らしがありました。そして今この家が建つのです。

文責:守谷 昌紀

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「千葉の家」-5- 屋根の上で宇治金時

8月20日(火)は、10:30amには現地につきました。

3時の休憩には、クライアントからアイスの差し入れ。宇治金時を食べるのは何十年振りでしょうか。

高い所で食べるアイスは、とても美味しく、かつ涼しいのです。

どこで食べたかと言うと、建物正面の一番上。ここに庇があり、へこみがあるのが見れるでしょうか。

足場がある、今だからこその醍醐味です。

奥さんは、非常に身軽な人です。ハシゴのないロフトまで、ヒョイヒョイと登ります。

ここからの景色がなかなか良いのですが。

工期が遅れ気味で、ご迷惑を掛けています。しかし「職人さん達に無理をさせないでくださいね」という気遣いまで。

物創りと言っても、人と人の関係から生まれて来るもの。その気遣い、期待に応える仕事をしなければなりません。

千葉通いも今回で12回目になりました。あと何回現場に来られるのか……

常磐線に乗り換えるのが上野駅。初めて通った時、その天井の低さに、驚いたものです。

京都も、大阪も暑いですが、東京も暑い。

ジリジリと高層ビルを焼きつける様が、尚そう感じさせます。

文責:守谷 昌紀

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「黒壁の家」-2-着工

 今回の計画では、古家が建っています。

 
 よって、まずは解体からスタート。現在の解体では、分別が義務付けられています。

 木材、畳、石膏ボード等、選り分けながら解体するのです。以前の解体とは打って変わって、非常に繊細な仕事になって来ました。

 クライアントと残すものがないか、最終の確認に来ていました。いくつかの部屋に似顔絵が。

 クレヨンでお子さんが描いたものです。

 以前、解体前の家も撮らせて欲しいという建築写真家がいました。

 「生れたばかりの家を撮って来たから、最期を迎える家も撮ってみたくなって」と言っていたのです。

 ご家族は「古家付きを買っての建て替えなので、そこまでの愛着は……」と言われたのですが、それでも色々な思い出があるはずです。

 この試みはとっても良いものだと感じました。他のクライアントへも勧めてみようかと。

 新たな家への期待と、責任を感じながら、いよいよ着工です。

文責:守谷 昌紀

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