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大阪市平野区、設計事務所。建築家 守谷昌紀

「回遊できる家〈リノベーション〉」‐3‐活かし、歩み寄る

 内部解体が終わり、大工工事が始まりました。

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 従来の構造体を補強したり、柱位置を変えたりしながら、新たな空間を創造して行きます。

 この段階になり、抜けないと分かる柱が出てくることもあります。

 今回も、1ヶ所出来てきました。

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 リノベーションは、従来からの構造体と、新たな構造体のコラボレーションです。

 よって、一方側の論理では解決できないことが起こります。

 監督、棟梁、そしてクライアントに相談し、最も良いだろうという答えを探るのが私の仕事。

 互いを活かし、歩み寄る。それがリノベーションです。

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 また、現物確認にはこだわっています。

 現物と言っても、この段階ではスイッチも、コンセントもまだなく、原寸大の紙を貼り付けます。

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 鏡や、洗面カウンターの高さも、現場で、実寸を確認して貰うことにこだわっています。

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 模型も、同じことかもしれません。

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 設計図面がCAD化され、手描き図面はほとんど無くなりました。

 パース、3D、ウォークスルー(3Dの世界を歩いているような動画)と、データなら万能のような時代。

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 なおさら、縮尺こそ違えど、現物である模型が大切だと考えます。

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 視点を再現すれば、かなり正確に建物を把握することが出来るのです。

 データは簡単に変わりえます。現物は簡単に変わりえません。

 変わりえないものを、変わりえるもので設計する。この矛盾を理解していないと、物創りにおいての、深みにはまってしまうのです。

文責:守谷 昌紀

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「土佐堀川を望むオフィス-SEIUNDO-」‐3‐水上から

 北浜が、なぜ聖地なのか。

 SEIUNDOのストロングポイトと合わせて、前回書いてみました。

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 北浜の象徴でもある、大阪証券取引所と向かい合うのが難波橋。ライオン橋で知られます。

 右の像は口を閉じた吽形像。反対に、左側が口を開いた阿形像。

 車や飛行機が流通の主力となる20世紀まで、街にとって、川の役割は別次元の重要度を持っていました。

 八百八橋は、商人の街の誇りだったでしょう。

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 北浜一丁目平和ビルは、その難波橋から東へ180m。

 工事請負契約前に、見切り発車した現場日記ですが、ようやく契約が成立。本格的に工事がスタートしました。

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 まずは、オーバル・コミュニケーション・カウンターの墨出し。

 楕円のカウンター、楕円の壁位置を、監督が直接床に描くのです。

 この複雑で、細やかな仕事が、ロボットに出来る時代がもしやってきたとしたら。果たして、人類はまだ生かされているのだろうかと思います。

 全ての場所で、一つとして同じものがない建築は、人における手仕事の砦だと私は思っているのです。

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 土佐堀川の北側を走る阪神高速の環状線。

 中之島の中央公会堂を過ぎれば、このビルが見えてきます。

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 時々、眼下を走るアクアライナー。ここからは目の前で、見上げる形になります。

 4月2日、社員のご家族をアクアライナー招待する、本社移転イベントが開催されることが社長から発表されました。

 桜が盛りの中、水上から本社を見上げるという趣向とのこと。

 3月27日の引っ越しもそうですが、この日には完全に仕上がっていなければなりません。

 SEIUNDOの社長は田畑さん。seven dreamersの社長は阪根。S率がやたらに高いのは、勿論偶然のはず。

文責:守谷 昌紀

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「土佐堀川を望むオフィス-SEIUNDO-」‐2‐オーバル・コミュニケーション・カウンター

 株式会社SEIUNDOのwebサイトには、本社移転がすでに告知済。

 プレッシャーは増す一方ですが、「聖地・北浜へ」とあります。

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 NHKの朝ドラで、ディーン・フジオカが演じた五代友厚像があるのは、大阪証券取引所前。まさに北浜の中心です。

 SEIUNDOは株主総会関係の印刷等の専門家で、顧客の多くは上場企業です。

 なかでも特許製品「ワンタッチ入場票」は大規模な株主総会でのシェアが6割以上もあり、彼らに圧倒的な支持を得ているのです。

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 北浜の中でも、土佐堀川を見下ろす環境は更に限られたもの。

 楕円型のカウンターに囲まれた、働らく空間を提案しました。

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 このカウンターを、オーバル・コミュニケーション・カウンター(oval communication counter)と名付けました。

 仕切りのようにも見えますが、このカウンターは、訪れた人と社員の、また社員同士がコミュニケーションをとる、中継点になってくれると考えています。

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 右上からアプローチ。

 門型のゲートをくぐると、一気に中之島を望む景色が広がります。

 そして、奥の空間に応接スペースへ。

 土佐堀川を望む景観を損なわず、隔てず、導き、分けながらも繋ぐ。そんな機能を形にしました。

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 1階には、土佐堀川を望むテラスもあり、環境的には申し分ありません。

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 この本社移転計画において、私達が出来ることは何かを問いました。

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 それもあくまで完成してこそ。

 3月末、サクラサクとなるように。

文責:守谷 昌紀

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「White Eaves」‐3‐現場もやっぱり人となり

 建方が終わりました。

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 この敷地は、比較的正方形に近い矩形です。 

 経済効率から、間口が狭い方が一般的ですが、秀吉が間口に対して課税額を決めたのも、一端と言われています。

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 前面道路の通行量から、車の軌道をデザインの動機としたことは、初回に書きました。

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 シート裏をのぞくと、分かりよいかもしれません。

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 道路は北側にあり、1階の主要な部屋は南の庭に開いています。

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 2階は、中庭のようなバルコニーを、各部屋の中央に配置しました。

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 加えて、北側にもバルコニー。北と南から外部が切れこんでいます。

 正方形に近い平面に、光と風を内部に届ける為に考えたプランなのです。 

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 建方の日は5人程の大工チームでしたが、リーダーはこの2人。

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 副棟梁は36歳。

 「若いね」と言うと「そんなに若い方でも……」と。

 最近の高年齢化が進む現場では、若い方と言ってしまいます。

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 手前が監督で奥が棟梁。棟梁は40歳です。

 監督は「載せるなら横顔にして下さい」と言うのでそうしました。

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 仕事なので、いつも笑ってばかりは居られません。

 ただ、こんな笑顔のある現場が、上手くいかないと想像する方がナンセンスだと思っています。

 笑顔は全人類共通の幸せ。今日も、そんな1日でありますよう。

文責:守谷 昌紀

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「ダイヤモンドカットの家」‐4‐シートが取れる日が楽しみだ

 こちらの家は角地に建ちます。

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 工場、住宅が入り混じる敷地なので、外部は閉じるようなプランとしました。

 道路に面して、窓は最小としています。

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 2階の洗濯干しに光が届くよう、西壁の角度をデザインしましたが、基本は中庭に開くコートハウス。

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 敷地に余裕があれば、コートハウスは常に強い選択肢になります。

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 LDK、和室がこの中庭に面しています。プライバシーが保たれた外部を持つことが、コートハウスの大きな価値です。

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 こちらのご家族は、子供さんが3人。

 この日は、上に2人が遊びに来てくれました。

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 子供にとって、現場は危ないところ。だから見たいのです。

 階段が無い中、お父さん、監督は大変ですが。

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 トラックの通行量が意外に多く、北と西の道路側を閉じたのですが、のっぺりした外観にはしたくないと考えました。

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 監督も相当に苦労したという外壁のディティール。

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 多面体カットは、2008年の「切妻と中庭の家」から取り組んできました。

 どこにでも参考書がある訳ではないので、現場と試行錯誤しながら一つずつ実現してきました。

 シートが取れる日がとても楽しみな計画です。

文責:守谷 昌紀

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「土佐堀川を望むオフィス-SEIUNDO-」‐1‐プロローグ

 2004年11月、株式会社SEIUNDO(当時は青雲堂)の1階に、RED-Labがオープン。

 プロクリエーターへ印刷物を提供する小さな店舗で、赤をメインカラーとすることを提案した。

 コーポレートカラーが青だったこともあり、思い切って対比させたかったのだ。

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 天神橋筋商店街にある本社ビルから、北浜のオフィスビルへの移転計画を聞いたのが昨年の10月。

 内装計画の提案をしてくれないかと言われ、11月から本格的にプロジェクトはスタートした。

 北浜1丁目の新築オフィスビル。

 土佐堀通り北側で、中之島バラ園の川向かいと言えば分かりよいだろうか。

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 7階にある1室は、約200㎡。

 何より素晴らしいのは、北側の景色だ。

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 北西には大阪弁護士会館 梅田の高層ビル群を望む。

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 北東にはOBP。クリスタルタワーが見える。

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 足元に広がるのは大川。

 初めて訪れた時には、川遊びを楽しむ様がみられた。

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 昨春の「セブンドリーマーズ梅田ラボ」もそうだったが、年度末の商業空間には、時間の厳しいプロジェクトが多い。

 現時点で、まだ工事請負契約まで成立していない。しかし、webサイトで3月28日の移転は発表されている。

 よって何とかするしかない。

 どのようなオフィスになるのか。 SEIUNDOとはどんな会社か。なぜ北浜に移転するのか。

 追々書いていこうと思う。

文責:守谷 昌紀

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「高台の家 RC打放しの家」‐9‐家は人となり

 2013年の8月に計画がスタートし、ようやく引渡しが終わりました。

 なかなか金額が合わない時「工事はいつ始めても良いから金額を合わせて欲しい」と施工会社に伝えました。

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 そんな荒業まで使い、何とかここまでやってきました。

 アプローチは西側から。

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 そして東の道路下から見上げた外観。

 南からの光を受けるため、2階では南東の眺望を得る為、階段は擁壁ぎりぎりに浮いています。

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 エントランスには、RCのベンチがあります。

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 1階のダイニング・キッチンにリビングの機能はありません。

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 それらは、全て2階の「P室」が受け持ちます。

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 この部屋、ピアノを置く予定で、当初は「音楽室」と呼んでいました。

 しかし、左奥に見える扉の中に、小さなピアノ室を設けることになりました。

 ご主人から「今、パンダのぬいぐるみが目に入ったので、この部屋を仮に『P室』としておきます」というメールがありました。

 以来、この部屋はP室になったのです。

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 明確な用途がある訳ではなく、空を見たり、星を見たり、時には雨だれを見たり。

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 その為に深い庇を設けました。

 庇の上には、簾が掛けられるように、フックもつけてあります。

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 「P室」の横に並ぶ部屋は「視聴覚室」。

 映画を見たり、音楽を聴いたりする空間です。

 「テレビは存在感が強いので、P室に置きたくない」と、明確にイメージを伝えて貰っていました。

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 坂のある街に家を建てることを決め、コルビジェのファンズワース邸、メキシコのバラガン自邸まで足を運んだクライアント。

 半面、ユーモアを忘れない人でもありました。

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 取り扱い説明の日、お子さんのテンションは上がりっぱなしでした。それを見る夫妻の眼差しが何とも優しい。

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 高台から見下ろすこの景色は、私達からのプレゼントです。

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 「ダイニングには、花を活けておく小さな棚があればいいなと思うんです」

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 家は人となり。そんな会話の積み重ねが、家を形作って行きます。

 生活が本格的に始まったら、また撮影に来たいと思うのです。

文責:守谷 昌紀

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「回遊できる家〈リノベーション〉」‐2‐リフォームローンとは

 実際「リフォームローン」とはどのようなものか。

 一般的に言えば、500万円から1000万円までが相場。

 一方、新築の住宅ローンは土地と一体で組むこともあり、4000万円位までは問題なく下りることが多いのです。

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 先日解体を終えたこちらの計画。

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 今回は、外壁、屋根はほぼ活かしますが、内部はスケルトンです。

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 南向きの掃き出し窓を入った景色。

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 奥から見返すとその大きさが良く分かります。

 この家は、140㎡弱(42坪)あります。新築で建てた場合を、仮に坪80万円で試算してみます。

 80万円/坪 × 42坪 = 3360万円。

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 新築に比べて追加されるのが解体・撤去工事。

 それが約100万円程掛かっていますが、それをひとまず除いたとして、工事費用が1000万円の場合は以下のような計算になります。

 1000万円 ÷ 42坪 = 23.8万円/坪

 壁紙の貼り換えや、設備機器のやり替えだけなら全く問題ありませんが、この規模の建物のフルリノベーションでは、正直難しいのです。

 建物の規模、リノベーション後の価値などを合わせて、融資の金額を決定して欲しいというのが希望ですし、それが時代のニーズなのです。

 クライアントは、いくつもの銀行に相談をしました。しかし「1000万円までなら」という回答ばかり。

 しかし一行、新築と同じような流れで審査してくれた銀行を見つけました。スムーズにとは言わないまでも決済がおり、ようやく着工となったのです。

 クライアントは「同じような希望を持っている人の励みになれば」と、言って貰いました。

 その過程も、詳らかにして行きます。

文責:守谷 昌紀

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「回遊できる家〈リノベーション〉」‐1‐プロローグ

 国は、空き家をなくす為「リフォーム、リノベーションを推進する」とアナウンスしている。

 当たり前だが、新築にしろ、リノベーションにしろ、建築にはお金が掛かる。

 ここのところを抜きにして、いくら推進しても前には進めない。

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 この計画は、リノベーションして向かいの家に引っ越すという、ちょっと変わったものだ。

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 現在の家が左、引っ越す先が右。

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 家族が増えるに従って、現在の住まいが、少し手狭になってきたのがリノベーションの動機である。

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 向かいの家は、築38年。ご主人の生家でもある。

 一回り大きな家だが、昔ながらの日本家屋。軒が深く、内部まではなかなか日が届かない。

 この部分を解決しようというのが、まずは本計画のテーマだった。

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 そんな問題を解決するのが私達の仕事。

 提案をクライアントに喜んで貰ったのだが、銀行はリノベーションに対しての融資が渋いのだ。

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 リノベーションとは建物の価値を高めるの意。

 既存建物を活かし、空間の価値を高めるのと、壁紙貼り換えのリフォームでは、勿論工事の規模も変わってくる。

 この辺りの現実を、政治、金融とも把握し、言行一致して貰いたい。

 新築と全く同じと行かないまでも、扱いの差が大きすぎるのだ。

 しかし、何でもトライしてみるものだ。非常に理解のある銀行が何とか見つかり、無事工事スタートにこぎつけた。

 計画の依頼を貰ったのは2013年の4月。融資だけが理由ではないが、工事がスタートするまで、約3年の時間が掛かった。

 「明るく」がサブテーマなら「長く子供と仲良く」がメインテーマ。

 クライアントのこの前向きなテーマがなければ、ここまでたどり着けなかったかもしれない。

 計画の推進力は、クライアントの真剣な思いだとつくづく思うのだ。

文責:守谷 昌紀

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【Events】

■セミナー:4月24日(日)14:00~16:00
(会場:住まいの情報センター3階ホール、定員100名)
■見学会日時:<予定>5月15日(日)14:00~16:00

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「ダイヤモンドカットの家」‐3‐気持ちよく干したい

 先週の日曜日、棟上げを迎えました。

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 ご家族、監督、私達での手作りの棟上式ですが、御幣は立派なもの。

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 お子さんは長男、長女、次男の3人。

 米、塩、お神酒を一緒にまいて回りました。

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 一番下のお子さんは、生後5ヵ月からの付き合いです。

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 この家は、寝室前のバルコニーが広く、12畳強ありますが庇を深くしています。 

 寝室内にも、簡易な物干金物がついており、気持ちよく洗濯物が干せるはずです。

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 まだ防水工事前で、ブルーシートに覆われてますが、次男君も一緒に走り回っていました。

 この洗濯干場。住宅の設計において、テーマになることがしばしばです。

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「四丁目の家」はそれがメインテーマでした。

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「黒壁の家」は奥さんがひどい花粉症で、物干部屋を設けました。

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 この大きなバルコニーは片側の壁が、斜めに下りてきます。

 道路側からの視線を切り、出来るだけ光を取り込む為のものなのです。

 オリンピックのエンブレム問題、新国立競技場のコンペの一件もあり、デザインという言葉が、良い意味で使われていないことが多々あります。

 色々なものが100円で買える時代がやってきました。それは、努力の積み重ねによって実現されたはずで、皆が喜んでいます。

 しかし、人類の歴史において、異常な事態なのではとも思います。ものに愛情を注ぐのがともて難しくなる気がするのです。

 もの創りは、尊い行為だと思っています。そこに「意」を注ぐのが、デザインという行為です。それは勿論、洗濯物干し場にも。

 さて、上手く乾いてくれれば良いのですが。

文責:守谷 昌紀

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