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「住吉区歯科医師会館」‐10‐光こそが神、仏

 先週の昼時「住吉区歯科医師会館」に寄ってきました。
 
撮影の確認の為ですが、秋の高い空にそのフォルムが引きたちます。

 6月中旬に竣工写真の撮影をしたのですが、夕景が残っていました。

 撮影の段階になり、地面に埋め込んである照明が点灯しないことが分かったのです。

 監督にはすぐ来て貰いましたが、どうすることもできず、申し訳ないことに写真家にはその場で帰って貰ったのです。

 その後梅雨に入り、この日までずれこんでしまいました。

 暑かった夏を越えたジューンベリーは、一回り大きくなったでしょうか。

 下草のアイビーは枯れている部分もあり、猛暑の影響がこんなところにもでています。

 昨日の夕方、写真家はすでに到着していました。

 このカットが5:25pm。

 事務局の方には何度も撮影日の変更をお願いしたりで、申し訳ない限りです。

 会議の準備をしてある机を、少しの間移動させて貰い撮影の準備に入りました。

 昨日の日没は6:00pm。

 夕景は、日没から20分くらいの間が勝負です。

 6:18pm。

 光が浮き出し、良い感じになってきました。

 このあたりがメインカットでしょうか。

 6:23pmには、ここまで光は落ちます。

 最後に私も正面を1カット抑え、無事終了しました。

 撮影には私が立ち会った方が良い写真が撮れます。

 理由を説明するのは難しいのですが、一番良い写真を撮りたいと思っているのが私だからです。

 当社の人手不足もあり、全てのスケジュール調整から、現場の掃除までを私がするしかなく……

 そんなこともあり、6月の時はかなり頭にきていたのです。

 何でもそうですが諦めたら終わりです。

 敵わなければ何度も、何度もトライするのみ。ただ、それをクライアントが受け入れてくれるかは別問題ですが。

 特別な能力を持っている訳ではない私が、何とかここまでやってこれた一番の理由は「しつこさ」だと思っています。

 光によって建物がここまで表情を変えることは、いまだに新鮮な驚きです。

 そんな場面に立ち会える可能性があるからこそ、しつこく、しつこく仕事に取り組めるのです。

 昨日は、天の神さまが素晴らしい光の演出をしてくれました。

 教会のステンドグラスから落ちてくる光を神々しいと感じるように、人は光自体に神を感じるのかもしれません。

 仏教においては、山川草木悉皆成仏(さんせんそうもくしっかいじょうぶつ)の通り、全てに仏性が宿るので光もまた仏です。

 いずれにしても、大きなご褒美を貰った気分なのです。

文責:守谷 昌紀

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『大改造!!劇的ビフォーアフター』7月21日(日)BS朝日で「住之江の元長屋」再放送
『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀
ギャラクシーブックスから2017年11月27日出版
amazon <民家・住宅論>で1位になりました
『homify』5月7日「碧の家」掲載
『houzz』4月15日の特集記事
「中庭のある無垢な珪藻土の家」が紹介されました
『デンタルクリニックデザイン事典vol.1』4月1日発売に「さかたファミリー歯科クリニック」掲載
「トレジャーキッズたかどの保育園」
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◇一級建築士事務所 アトリエ m◇
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記

(仮称)トレジャーキッズたかどの保育園‐8‐光と風を振り付ける

 昨日は、今週2回目の定例会議でした。

 最終盤一歩手前。現場にとっては最も大切な時期です。

 運営会社の担当者の方には無理を言っての開催でしたが、その甲斐あって見事な青空。

 ようやく足場が取れましたが、たかどの園には快晴が良く似合います。

 一番の特徴はぐるりと巡らせた軒下空間です。

 フェンスの中に入ると、南にある園庭の価値がよく分かります。

 この日は、ガラスの取付作業をしていました。

 ガラスとアルミサッシの隙間に接着剤を打ち込んで固定して行きますが、この材をコーキングと言います。

 私の実家はガラス屋で、コーキング打ちはよく手伝いました。

 この作業をした後、ガラスに紙テープを貼ります。

 間違ってぶつからないようそうするのですが、それ程ガラスの透明度が高いということです。

 壁下地ができると、室内に光がまわりだします。

 このガラスという材料が普及して、建築は劇的に変化しました。

 光を遮らず、安定した室内空間を生み出すことが出来るからですが、それらが可動することで、欲しい時に風を導くことが出来きます。

 冬のこの時期は、室内深くまで光を入れ、夏は直射を完全に遮断してくれるのが、深い軒の役割。

 建築には無駄な材などありません。

 最も広い「こもれびひろば」につながる園児室。

 曲面壁ができるのを、今か、今かと楽しみにしています。

 この日は、屋外廊下の防水工事も行われていました。

 2階の最奥まで進み園庭を見下ろすと、明るい園だと実感できます。

 『大改造!!劇的ビフォーアフター』で私が貰ったニックネームは「光と風の振付師」

 フィギアスケートと同じで、振付師は主役になれません。

 ここで過ごす、園児、保育士の日常を、振付師としてどう演出できるか。

 光と風を読み、どんな空間を生み出せるかだけで、私たちの職能は評価されるのです。

 幼少期の大切な時期、また職場として人生の多くの時間を過ごす保育士の皆さんに、愛してもらえる園を目指し、工事は最終盤に入って行きます。

文責:守谷 昌紀

■■■毎日放送『住人十色』4月14日5:00pm~5:30pm
「回遊できる家」放映

■■■『住まいの設計05・06月号』3月20日発売に「回遊できる家」掲載

■■■『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀
ギャラクシーブックスから11月27日出版
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