4月にプロローグを書いたにも関わらず、本日ようやく解体が始まりました。
「コンクリート打放し H型プランの平屋」も、今回の新型肺炎の影響をまともに受けてしまいました。
銀行の業務がストップし、なんだかんだとあっという間に3ヵ月が経過。
なぜここまで時間が掛かったのかは分かりませんが、ようやくスタートが切れました。
東隅にあるこお大楠木。
こちらも倒壊の危険有とのことで、かなりの低さまで伐採が来まりました。
これは前半戦のメインイベントとも言えます。実況中継レベルでお伝えする価値があるかもしれません。
側面に回ると、「碧の家」で仕事をした監督がいました。聞くと解体だけの担当とのこと。
折角、この計画を楽しみ尽くして貰おうと思ったのですが残念です。
心なしか、ほっとした表情に見えたのは気のせいのはずですが。
まずは瓦の解体から始まります。
一枚一枚の手仕事で、暑い中本当に大変な仕事です。
今日のビールは飛び切り美味しいはず。
軒の深い室内から、南の庭をみるとの日本家屋の良さが良く分かります。
一度は、フルリノベーション案も提出しているので、愛着がない訳ではありません。
反対側に回ると、影の正体は骨董品の山でした。
南庭の先にある正門はこの構えです。
これらは間違いなくお宝のはず。
何なのかは分かりませんが、古いという迫力だけは伝わってきます。
鶴の置物の繊細なこと。
箱の側面には大正9年の文字と○○所有という文字も読み取れました。
良い空間を創り上げる為には、物が少ない方が良いのは間違いありません。
それで、クライアントには「迷ったら捨てて下さい」とお願いします。「絶対に必要な物は迷いませんから」とも。
反対に、買うときは「一生添い遂げられるか」という観点でお願いしますとも言っています。
そういう意味においては、これらは一生どころか三代に渡って引き継がれてきたものです。
ということは残すべきもの?
しかし、1年の間に1度も着ていない服も、処分でお願いしますとも伝えます。
そう考えれば処分すべきもの?
勿論判断に正解はありません。迷い、悩むことが一番大事なのです。
禅問答のようですが、これも真理です。答えが出ないくらい悩むなら、それはどちらも正解なのです。
解体が進まなければ、新家屋が建つことはありません。
この旧家に思い入れのあるお父様、お母様にとっては、とても寂しいことだと理解しているつもりです、
しかし、その寂しさより若夫婦家族が、本当に幸せだと感じられる建物にすれば、何とか理解して貰えるのではと思っているのです。
スタートが遅れた分、年内竣工は難しいでしょうか。
兎にも角にも、解体でGOなのです。
文責:守谷 昌紀
■■■4月8日『Sumikata』東急リバブル発行に
巻頭インタビューが掲載されました
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