タグ別アーカイブ: リノベーション

四代住み継ぐ「薪ストーブのある入母屋の家〈リノベーション〉」‐5‐腕のみせどころ

【本計画は、完成後の現場日記公開です。今回は2021年3月27日時点の記事です。】

屋根工事がおわり、外壁の防水工事が始まりました。

いぶし銀のガルバリウム鋼板が青い空によく映えています。

壁下地ができてきたので、各部屋の配置が分かり易くなりました。

南東角にあるエントランスからアプローチしてみます。


突き当たりの空間は家事室となりますが、このあたりは元応接間でした。

エントランホールを抜け、西を見ると30畳ほどあるLDKが広がります。

これは北端の中央あたりから南西をみている風景ですが、付近が最も暗いのがよく分かります。

水廻りを配置しましたが、元はダイニングキッチンがありました。

今度は北西角の部屋にきました。

次に暗いのがこのエリアで、ここは以前と同じく寝室に。

ここは南西角のLDKと接している和室で、元は物置部屋でした。

光の入り方は「環境」に正直です。リノベーションの場合は既存建物という「人が作った環境」もあります。

その2つを紐解き、空間を再構成するところに、フルリノベーションの面白さがありますし、腕の見せどころなのです。

新築の場合、法的に建築士の設計は必須です。ただ、「純粋に」とつけるとかなり割合は下がるのではと思います。

リノベーションにおいては尚更のはず。

そこは、全く違うレベルに再構成しないと、自身の存在意義を問われることになるのです。

このあたりまで工事が進むと、ほぼ最終形が見えてきます。

概ね大丈夫そうだと確信を持てたから、ここまで書けるのですが。


文責:守谷 昌紀

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■■■ 『建築家・守谷昌紀TV』を開設しました ■■■

■1月27日 『Best of Houzz 2021』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞

■12月28日発売『suumoリフォーム(関西版)』にインタビュー記事掲載
■10月23日『homify』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載

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◇一級建築士事務所 アトリエ m◇
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記

四代住み継ぐ「薪ストーブのある入母屋の家〈リノベーション〉」‐4‐設計図は処方箋

【本計画は、完成後の現場日記公開です。今回は2021年3月6日時点の記事です。】

木造の日本家屋は屋根裏が大きいものです。

今回もその部分にあった屋根裏収納=ロフトを再利用するのですが、アプローチにやや難がありました。

丸太状の梁が複雑に組まれていたので、まずはそれを整理するところからスタート。

材が細いところは補強しながらで、やはり経験がものを言うものです。

このエリアは、主にベテラン大工のAさんが担当してくれました。

一番暗いところには天窓を設置。

通路部分を明るく、寄り付きやすいように改善したのです。

リノベーションは活気のない空間に息吹を吹き込んでいく作業とも言えます。

吹抜けに面したこの空間は、上下のつながりができて更に活き活きとしてきました。

設計図は処方箋のようなものでもあるのです。

文責:守谷 昌紀

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四代住み継ぐ「薪ストーブのある入母屋の家〈リノベーション〉」‐3‐思い出にとらわれず、ベストのプランを模索する

【本計画は、完成後の現場日記公開です。今回は2021年2月16日時点の記事です。】

冬の快晴。

空気が冷たく、ピリッと身が引き締まる思いがするものです。

こちらの計画はかなり大規模なフルリノベーションで、大工チームも常時3、4人が仕事をしています。

リノベーションは、古い構造体と新たな構造体で奏でる、新たなシンフォニー。

面白くないはずがありません。

ここは元キッチンがあったところ。

ここは元浴室だったところ。

それらの痕跡や思い出にとらわれず、ベストのプランを模索するのが私の仕事です。

この複雑な梁組は、匠の技があってこそ。

ドリルが柱に深く刺さった状態で一旦休憩です。

再トライは気合十分。

技だけでなく、力も必要でした。

横で見ているだけで力が入るのです。

現場とアトリエの往復が私の日常ですが、リノベーションは出だしから見せ場満載です。

ながい航海のプランを建てるのが私の仕事ですが、ゴールの景色が描けていなければそこに至ることあはありません。

私のキャリアの中でも、戸建てとしては最大規模のこの計画。

そのの景色が、像となってくっきりと浮かび上がってくるのです。


文責:守谷 昌紀

■■■「コンクリート打放し H型プランの平屋」 ■■■
9月20日(祝・月) 11:00~15:00 オープンハウス開催

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四代住み継ぐ「薪ストーブのある入母屋の家〈リノベーション〉」‐2‐進化と雰囲気、どちらが大事

【本計画は、完成後の現場日記公開です。今回は2021年1月12日時点の記事です。】

工事はスタートしたのですが、庭の解体撤去、工事の許可などに時間が掛かってしまいました。

特に大きな石垣の撤去はかなりの難工事に。あっという間に2021年がスタートしました。

年始初の現場は、瓦屋根に雪が少し残っていました。

内部解体はどんどん進んでいます。

基本は手ばらし。

寒い中、汗をかいてくれる職人が居てくれるので、リノベーションが成り立つのです。

10日後にくると、ほぼ解体が完了していました。

景色がダイナミックに変化していくのは、フルリノベーションならでは。

およそ60年前の痕跡が次々にみえてきます。

土壁もしっかりしたもの。

地面も乾燥していて、環境は非常に良好といえます。

この時代の屋根下地は、バラ板であることが殆どです。

木のスライスを何層も貼り付けて平板状にしたものが構造用合板です。

建築材料の進化によって生まれた構造用合板は、強度も強く工事の精度も高いのです。


しかし、バラ板から漏れる光はさながら木漏れ日のよう。

進化と雰囲気。

どちらも大切ですが、明確に説明できないからこそ大切なものもあると思うのです。

文責:守谷 昌紀

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■■■1月27日 『Best of Houzz 2021』を「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞■■■  

■12月28日発売『suumoリフォーム(関西版)』にインタビュー記事掲載
■10月23日『homify』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■2017年11月27日ギャラクシーブックスから出版『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀(著)

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建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
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四代住み継ぐ「薪ストーブのある入母屋の家〈リノベーション〉」‐1‐プロローグ

【本計画は、完成後の現場日記公開です。今回は2020年9月15日時点の記事です。】

区画のゆったりした閑静な住宅街。

昭和37年頃に開発された地域で、建物もその時期に新築された。

南にある庭もよく手入れされ、住まい手の愛着が伝わってくる。

各部屋は、建物中央に伸びる廊下の南北に配置されていた。

南の部屋で、最も玄関に近いのが応接間。

この年代の家なら、応接間がもっとも環境の良い位置にあることが殆どだ。

応接間の西に並ぶ和室も、同じく南面しており条件がよい。

最近までは主だった住人が居らずで、親族が集まった際の子供の遊び場となっていたそうだ。

和室の北に繋がるのがダイニング。

屋根の北面にトップライトがある。

当時としてはかなり思い切った試みだったと思う。

家族で暮らしていたクライアントは、「あまり暗いと感じたことはありません」とのことだった。

祖母、両親、そして本人が暮らした、築58年の日本家屋を撤去して建て直すという選択と、フルリノベーションという選択があった。

結果として、フルリノベーションとなった理由は色々あるが、「愛着」が一番大きかったのだと思う。

形状はそのままに、まずエントランス位置を反転させた。

それに伴って動線が大きく変わるが、それが劇的に景色を変えてくれるはずだ。

主だった部屋は全て南の庭に開き、かつ動線にも光を落とすことを考えた。

リビングの一角には薪ストーブがある。

高性能の機種で、炎がゆらぐ風景と共に暖房器具としての期待も高い。

これまで何度もトライしたのだが、ようやく実現できることに私がワクワクしている。

活躍の時期はもちろん冬。その時期までの完成は少し難しいだろうか……

既存ストックの活用が叫ばれるが、現実的にはそこまで加速している感はない。

理由は非常に簡単。

既存建物を解体し、新築するほうがビジネスとしてリスクが少ないからだ。

そこは物創りに一生を捧げた50歳の建築家と、63歳の監督の意地を見せたいと思う。

物と人を愛することが、物創りの原点のはずだから……

四代に渡って住み継がれる、住み継ぎたいと思って貰えるものにしたいと思う。

規模としてはかなり大きなリノベーションだが、桜が咲く頃までには完成させたいと思う。

文責:守谷 昌紀

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「ときめく紺色の家〈リノベーション〉」‐10‐らしい、の探求

 現場での定例打合せも11回目となりました。

 梅雨の晴れ間で、かろうじて晴れと言う天気でした。

 2階LDKの西面にバルコニーがあります。

 バルコニーの腰壁は、奥さんがぎりぎり家族を見送れる高さというオーダーでした。

 引き違い窓が隠れ、すました表情を演出してくれています。

 引戸の上にある庇は、この時期、特に価値を発揮してくれるでしょう。機能を出来るだけ美しく演出したいものです。

 LDKにキッチンがすわりました。「ミストピンク」というカラーです。

 ピンクと聞いた時、ちょっと主張が強すぎないかなという気持ちもありました。

 クライアントには、心から好きなものに囲まれて暮らして欲しいのですが、踏み外してしまいそうな時は軌道修正するのも私の仕事です。

 計画をスタートしたのが2019年の1月で、キッチンのカラーを決めたのが2020年の1月。

 その1年間、奥さんの好みを色々拝見してきたのでお任せして大丈夫かなと思い、口を挟まないことにしました。

 それで結果はこの通り。とてもこの空間にあっています。

 お子さんの部屋にはピンクのアクセントクロス。

 寝室には柄物のクロスにコーディネイトカウンター。

 壁に服を掛け、カバンや小物を置いて、コーディネイトを楽しむ空間です。

 奥さんが、ペットボトル等を置いてその機能を確認されていました。

 茶目っ気タップリなのです。

 このモザイクタイルも奥さんのセレクトで、職人の手待ちの状態です。

 ここが完成すると、工事もほぼ終わりです。

 屋根裏から出てきた梁に、埋め木をしてある箇所です。

 私は「リノベーションなので、柱が取りついていた穴は残しておいて良い」と現場に指示していました。

 しかし、ベテランの大工が気を聞かせてこんな細工をしてくれたのです。

 25年経った木と同じ色にすることはできないのでそう指示したのですが、夫妻は「これも大工さんの気持ちですものね」と言ってくれました。

 「らしい」空間をつくることに腐心してきました。

 押し付ける訳でなく、誘導する訳でなく、かといって任せっきりにするのでなく。

 この舵をとる面白さが、リノベーションの醍醐味なのです。

 そのご家族らしい空間が創造できれば、計画は成功と言えます。全てのベースにあるのは信じる事と受け入れる事だと思っているのです。

文責:守谷 昌紀

■■■4月8日『Sumikata』東急リバブル発行
巻頭インタビューが掲載されました

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■5月16日『homify』(英語)の特集記事に「下町のコンクリートCUBE」掲載
■5月10日『Houzz』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■2月13日 『Best of Houzz』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞
■2月3日『Houzz』の特集記事に「阿倍野の長屋」掲載
■12月3日 『Houzzユーザーが選んだ人気写真:キッチン編』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が5位に選出
■9月30日発売『suumoリフォーム 実例&会社が見つかる本 関西版』「回遊できる家」掲載
■7月21日BS朝日『大改造!!劇的ビフォーアフター』「住之江の元長屋」再放送
「トレジャーキッズたかどの保育園」
地域情報サイトに掲載

■2017年11月27日ギャラクシーブックスから出版『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀がamazon <民家・住宅論>で1位になりました

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「ときめく紺色の家〈リノベーション〉」景色というびっくり玉手箱‐9‐

 5月も残すところ2日になりました。

 他府県への移動解禁が先か、梅雨入りが先か気をもんでいましたが何とか間に合ったようです。

 できれば来週末まで待って貰えると嬉しいのですが。

 昨日は雲一つない快晴で、生駒山へ伸びる道も気分爽快です。

 足場がとれ、建物の色や形が一層よく分かるようになりました。

 昼以降が良いのが、西を向く建物の特徴です。

 玄関前の庇は柱を無しとしました。

 これは現場で監督と棟梁から提案があり変更になったもの。

 その技と経験がいかんなく発揮されている所なのです。

 1階奥にある洋室は、隣の庭を借景としています。

 そして、奥さんが最後まで拘ったガラス棚があります。

 何を置くかは、もう少し先まで引っ張りたいと思います。

 2階へLDKを上げ、大空間を確保したのですが、空へ向かって開くハイサイドが特に良いのです。

 南隣の瓦屋根から反射した光が、天井に光を届けているのが伝わるでしょうか。

 ご夫妻、監督と「ここからの眺めはいいねえ」としばし佇んでいる、の構図です。

 景色の良さが、写真ではなかなか伝わらないのが私のジレンマですが。

 東面の窓は高さは通常とし、L字に視界が広がるように配置しました。

 柱があるので、完全なコーナーFIX窓ではありませんが「ほぼコーナーFIX窓」といったところでしょうか。

 遠くに生駒山地、二上山を望み、こちらの景色も素晴らしい。

 ある程度は計算していますが、結局は足場とシートが取れるまで分からない、びっくり玉手箱です。

 今回「も」、お宝がでてきました。

 良いことばかり書きましたが、ひとつやってしまったこともあります。

 キッチン横の階段へ光を落とす開口を、減額作業で無くしました。

 奥さんから「この時点で爆弾発言してもいいですか?」と前置きを貰ってから、「今から階段に窓なんか付けられないですよね」と。

 泣く泣く減額したとはいえ、もしかすると光が足りないかもと思っていたので、「外壁の窓は難しいですが、室内窓なら何とかできると思います」とお伝えしました。

 追加費用を最小とする方法を監督と考え、その金額も納得頂き、実現に至ったのです。

 20代の頃は現場が怖い時もありました。

 「何か言われたらどうしよう」ということですが、40歳手前くらからは面の皮が厚くなったのか、そう思わなってきました。

 何があったとしても、切腹まで求められることはありませんし、問題があったとしたら、良くなる方法を全力で考えるだけと腹をくくったこともあると思います。

 人の仕事に完璧はないとも言えます。しかし、家という驚く程高価なものを、「まあまあ」で納得してくれる人は居ません。

 少なくとも、私のクライアントには居ませんでした。

 ということは不可能とも言える完璧を目指すしかないのです。

 現場打合せでは、いつもトップギアに入れ替えます。

 ここはクライアントと監督と私達で創り上げる劇の舞台。そろそろ最終章に差し掛かってきました。

文責:守谷 昌紀

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「ときめく紺色の家〈リノベーション〉」タイル一枚一枚‐8‐

 外壁と軒裏は、同じ紺色で仕上げました。

 空が明るいように、頭の上にくる箇所は明るい色が基本です。

 しかしこの建物はソリッド感を出すほうが良いと判断し、合せるという選択をしました。

 こういった仕掛けは、なかなかに楽しいものです。

 エントランスを比較的大きくとっているのは、競技用自転車を置くからです。

 建具は色で遊んでいます。

 一番手前の部屋はピンク。

 一番奥の部屋はグリーン。

 洗面の建具は白にチェッカーガラス。

 色付きの部屋は、アクセントクロスも採用しているので、それも楽しみにしています。

 打合せ中、一番手前の部屋にタイルを広げました。

 サンワカンパニーのレノスというタイルのカラーミックス。

 色々なカラーが混ざっているのですが、個々を選んで発注することはできません。

 それで、少し多めに取り寄せ、気に入った色を一枚一枚選び、配置して貰いました。

 奥さんのこだわりセレクトです。

 上がり框のすぐ下の黄色は、一番最後にグレーから変更になりました。

 2畳足らずの空間に、これだけ思い入れを持って貰えたら、必ず良いものになります。

 家に帰るとはじめに目にする空間。

 また、来客があった時には、外観とのギャップに驚くかもしれません。

 あちこちに、ときめきポイントが散りばめられたこの計画。

 珍しく、予定より早いペースで工事が進んでいます。来月末までには完成しそうなのです。

文責:守谷 昌紀

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「ときめく紺色の家〈リノベーション〉」 「い・い・か・た」‐7‐

 今年のゴールデンウィークは今日と明日以外、ほぼ晴れだったと思います。

 この時期は意外に天気が安定せずで、旅先でも降られたことも結構ありました。

 今年は”STAY HOME”ということで、何だか恨めしいと言えば恨めしい。

 しかし建築の写真を撮るのは晴れに限ります。

 「紺色」というコンセプトは、早い段階で決まっていたのですが、春の淡い青空に良く映えています。

 玄関上の庇はかなり跳ねだしていますが、板金で仕上げました。

 柱のない広い軒下は、とても価値があるはずです。

 1階は個室が集まっていますが、大工チームは階ごとや、部屋ごとに分かれていることが多いのです。

 棟梁は1階担当のようで、現場に着いたらまず顔を見に行きます。

 2階はベテランのAさんが担当してくれたのですが、ほぼ下地が張り終わっていました。

 ハイサイドが中央にあり、とても明るいので2階の方が勿論のこと気持ちが良い。

 普通なら2階を担当したいと思うのですが、どんな基準で仕事場を振り分けるのか、今度棟梁に聞いてみようかなと。

 現場打合せも、自然と2階ですることになります。

 クライアント夫妻は、私と監督の長い打合せにも「本当に楽しい!」と言ってくれます。

 よって、監督もいつも以上に気合が入って説明をしているの図です。

 リノベーションでは屋根裏を狙いますが、今回も天井は全て撤去しました。

 ただ、屋根面と梁が取り合う部分は、相当手間が掛かります。

 ベテラン大工のAさんも「ちょっと骨が折れました」と笑っていました。

 黄昏ている訳ではないと思いますが、勿論のこと感謝の気持ちを伝えたのです。

 仕事が大変であればある程、空間には手跡が残り、思い入れと、物語りが織り込まれます。

 それで、私は現場チームが嫌がることばかりお願いすることになります。

 船長の最大の役割は、航海を成功させることです。

 密室である船内で、クルーと喧嘩ばかりでも困りますが、ご機嫌をとっていて、船が難破してのでは話になりません。

 「幸せな家を建てる」という航海の舵取りを任せて貰ったなら、人に良く見られたいとか、上手くやりたいという気持ちはぼぼゼロです。

 ただ、言い方は大事です。

 「ほんとに悪いんだけど、ここは、こう納めて貰えたら嬉しいんだけど……もし、ああ納めたら多分夢にでてきてうなされると思う……」

 色々な仕事をさせて貰ったので、自分の経験を総動員して、話し合います。

 ただ言葉の綾でなく、ほんとに夢にでて来たことが一度や二度ではないのですが。

 ドラマなんかでもよくあるあのセリフの通り。

 「い・い・か・た」

 なのです。

文責:守谷 昌紀

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「ときめく紺色の家〈リノベーション〉」エレクトロンチャージャー研究所‐6‐

 現場の足場に、横断幕を揚げました。

 クライアントによると、前回外壁を塗り替えた際は、塗装会社が横断幕を揚げると通行人から仕事の依頼があったそう。

 そのくらい、通行量が多い道ということです。

 現場のほうは壁下地が出来上がり、断熱材を敷設している段階でした。

 この日はスイッチ、コンセント等の位置決め。

 数ある現場打合せの中でも、5時間は掛かる最も内容の多い回です。

 スタッフが何人か居る時は、先に行って準備をして貰うのですが、現在余剰人員はゼロ。

 早起きして、ひとりで現場へ向かいます。

 キッチン周りは、調理上の使い勝手、ガスコンセントがあったりと、繊細な場所です。

 LDKにはオーディオとスピーカー、またテレビをどこから観るか等、こちらも入念な打合せが必要です。

 天井が高いので、特に照明の配置には時間を割きました。

 監督は後ろの予定が決まっていたのですが、4時間半で何とか一通り回ることができました。

 現場担当者から新たに貰った、活性炭入り土間の写真です。
#アト

 クライアントの会社の製品だと書きましたが、会社のサイトを紹介して貰って構わないとのこと。

エレクトロンチャージャー研究所

 家庭用電位治療器、電子水装置などを製造している会社ですが、活性炭、備長炭などの商品もあります。

 それを今回モルタルに混ぜていますが、クライアントのブログにもUPされていました。

 お父様が創業された会社ですが、「研究所」という名前に、知的なものを感じますし、どこか憧れのようなものもあるのです。

 横断幕の件は、ずっと前から「いい宣伝になると思いますよ」とクライアントに言われていました。

 しかし、なかなか揚げないので「もう仕事は要らないからなのかと思ってました」と笑われてしまったのです。

 資格試験の合格ラインが75点なら、75点丁度で通るなど至難の業です。

 ということは、常に許容量を超えるくらいの仕事があり、懸命に働くしか会社が存続する方法はありません。丁度合格点を狙うよりはずっと簡単です。

 非常事態宣言が出た今、多くの人が働けることの有難味を感じているはずです。

 勿論私も同じ。

 横断幕を揚げさせて貰うお礼にはなりませんが、タイトルに揚げてみます。

文責:守谷 昌紀

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