関西において「北摂」と言えば、よい環境をさす。
そのイメージを更に上回る程、この敷地の周辺環境は抜群だ。
まず、南からの光を遮るものが一切ない。
ご主人の実家なのだが、こういったことに住人は無頓着な事が多い。
「田舎」とか「何もないところ」と表現されるのだ。
しかし、こと暮らす環境としてはこれに勝るものはない。
すこし高台になっており、南への眺望は格別だ。
計画にかなり時間が掛かったが、3月に入りようやく解体がスタートした。
午前中に到着したのだが、すでにかなり手バラシが進んでいる。
手バラシの言葉通り、全てが手作業だ。
現在は、産業廃棄物の分別は極めて厳しい。
とくに石膏ボード等の不燃物と、木の分別は必須となっており、解体は非常に繊細な仕事となった。
青銅、鉄と金属の道具ができ、硬いものが切れるようになった。
さらに電動工具が進化した。
しかし、最後は手バラシだ。
この原始的な仕事こそが建築だし、そんなことを誇りに思っている。
ネット社会、AIを幻想とは言わないが、人は現実に生きる。
それらを実現するのは人の手であってほしいと思っている。
そうでなければならないのか分からないがそうあって欲しいのだ。
ご主人と奥さんから、色々とリクエストを頂いた。
しかし奥さんからこの言葉を聞いたとき、「タイトルはこれがいいな」と思った。
「朝起きるとテンションが上がる家」
朝を制するものは、一日を制す。
そのオーダー、責任をもってお引き受け致します。
文責:守谷 昌紀
■■■『建築家と家を建てる、という決断』守谷昌紀
ギャラクシーブックスから2017年11月27日出版
amazon <民家・住宅論>で1位になりました
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