「THE LONGING HOUSE 」‐10‐真剣レッドシダー

 2月下旬に高性能断熱材の現場発泡硬質ウレタン吹き付けが完了。

 最難関のヘリンボーン貼も3月中旬に終了しました。 

 現在は内部造作と並行して、外部工事もピッチが上がっています。

 メインエトランスは道路から見て左の車の後ろ辺り。

 そこへ至るアプローチをどうポジティブに解釈できるかが、プランの成否をを分けると考えていました。

 エントランスホールと繋がりますが、この付近までが暗くなりがちなエリアです。

 上階からの光をどれだけ届けられるかに腐心しました。

 階段側面も、出来る限り光を遮らないよう壁は無くしました。

 細い鋼材で、階段を吊るようにして支えています。

 階段を上がると、各個室を結ぶ2階廊下にでます。

 この部分に光庭を設け、階段を通して1階エントランスホールと路地状のアプローチに光を供給しているのです。

 こちらは子供部屋専用の光庭。 

 周辺には店舗や高いマンションが多く、プライバシーを保ちながら、十分に光を確保するために考えました。

 その価値を十分確認できたのです。

 アプローチから見上げると分かり易いでしょうか。

 手前の軒裏に張られているのはレッドシダーです。

 ファサードの開口横も縦張りのレッドシダー。

 クライアント拘りの箇所につき(拘りのない箇所などありませんが!)、並びまで確認して貰って工事に入ったのです。

 が、軒裏の方はそこまで繊細な打合せができておらず……

 実はファーストトライでは上手くいかず、クライアントに再度材をセレクトして貰ったのです。

 自然素材につきなかなかご希望に沿えずでしたが、対象面積の4倍ほどの材を取り、1枚1枚選んで貰いました。

 こちらがいわば1軍。

 しっかり変化があり、しかも単調にならないよう。クライアントも現場もまさに真剣です。 

 その結果がこれです。

 土木工事並の擁壁現場発泡硬質ウレタン吹き付けヘリンボーン、そしてレッドシダー。

 手がかかる子ほど可愛いと言います。

 拘りもマックスなら物語もフルコース。最終の景色がおぼろげながら見えてきました。

 もう可愛いことは間違いないのです。

 文責:守谷 昌紀

■■■1月27日 『Best of Houzz 2021』「中庭のある無垢な珪藻土の家」が受賞

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