永住したい打ち放しのマンション「R GREY」‐7‐既製品の功罪

 梅雨明け宣言はまだですが、すっかり夏の日差しになりました。

 足場がとれるのは今月末あたりになりそう。

 7月29日(土)にモデルルームをオープンする予定です。

 各階で進行状況は違いますが、概ね内部間仕切りができてきました。

 ますます暑くなる日本ですが、このファン付きのジャンパーを見る機会が増えました。

 結構涼しいそう。

 ユニットバスが据え付けられると次はキッチンです。

 これらが入ってくると、一気に空間を把握しやすくなってきます。

 玄関回りは、コンクリートと白い壁の対比が美しいはず。

 玄関をでると、いわゆるパイプスペースがあります。

 水道、電気、ガス管などが通るスペースですが、それらをスチールのパネルで覆っているのです。

 このパネルは、高さ2.75mの1枚もの。

 金物の製作担当と話し合い、この納まりに決定しました。

 図面には継ぎ目無しで描いていますが、現場が始まると「施工が難しいので、継ぎ目を入れさえてもらえませんか」となるケースは結構あります。

 そこから話し合いが始まるのですが、知識のある、またやる気のある担当者なら、何とか実現しようというスタンスで案をだしてくれます。

 反対の場合は、このパネルが1枚である価値や、それが出来上がった時の景色の違いを、繰り返し説きます。

 建築は省コスト、リスク回避を求め、既製品を使う部位が増えています。

 それでも、既製品では対処しきれないところが必ずでてくるのですが、そこがポイントなのです。

 「折角フルオーダーでつくるのだから、芸術作品のようなとびきり美しいものにしよう」と担当者を口説きます。

 たかがパネル、されどパネルなのです。

 建築にはかなりのコストが掛かるので、無駄なところなどほとんどありません。

 わずか30cm角のこのパネル。モデルルームがオープンしたら、まじまじと眺めてみて下さい。

文責:守谷 昌紀

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