先週末に上棟式を迎えた「The Longing House 」。
横断幕を揚げてみました。
何とかここまでやってきたのですが、敷地の課題をどう解決したかを昨日の日記にまとめてみました。
横断幕のある東面こそ細身ですが、T字の敷地だけに中は流石に広い。
工務店が祭壇と御幣を準備してくれています。
ご家族が見えると、お子さん達は早速端材を手にとって遊んでいました。
「トゲだけは気を付けてね」と声を掛けましたが、勿論現場は格好の遊び場。
ご家族は気が気ではないと思いますが、お子さん達の気持ちは良く分かるのです。
監督の進行のもと、式典が開始。
まずは四方を清めてまわります。
そして御幣が棟梁に託されました。
2階の一番高い所に掲げ、皆で二礼・二拍・一礼。
式典が終わるとどこのお子さんもソワソワし始めるもの。
「2階に上がりたい!」となりました。
更に「屋根の上にも上ってみたい!」と。
棟梁の言うことを聞いて貰うという約束で、屋根の上のなかよし兄妹という構図です。
お兄ちゃんが慎重に匍匐(ほふく)前進する横を、妹さんはスイスイと。
さらに「ジャンプしてもいい?」と。
棟梁にOKを貰い、ピョンピョンと。
こんな所は、女の子の方が案外平気なのでしょうか。
この日は土曜日だったので、一旦手を止めての式典でした。
大工4人が、忙しく動き回っている姿を見て貰うのはとても良いことだと思います。
米と言う字は「八十八もの手間をかけて作られるもの。一粒も残しては駄目」と祖母に言われたことがあります。
家を建てるには、ざっと20業種くらいの職方が入り、5カ月くらいは掛かります。
平均3人として延べ2,700人。仮に一日33手間とすれば89,100手間。
クライアントの奥様が「おそらく人生で一度であろう場面に毎回ワクワクしています」と言ってくれました。
また「子供たちも、建築中の自宅の屋根に登ったのは強烈な思い出になったことでしょう」とも言って貰いました。
八万九千百手間。
稲作より大変というニュアンスではありませんが、現場の過程を見て頂ければ、多くの方は納得してくれると思うのです。
文責:守谷 昌紀
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