「Shabby House」-15-階段

終盤になってくると、塗装部は色を決定しなければなりません。

意外と難しいのが軒天の色。

軒天とは、外部にある天井部分を言います。

外部で直接光の当たらない天井部は、明るめの色が無難です。

しかし玄関先の軒天は、外壁を追いかけることにしました。

2階にはキッチン、造り付けの家具が据え付けられ、ダイニングらしくなってきました。

名古屋の家具屋さんで造られ、送られて来た造り付けの家具。

エイジング加工がなされています。

出来上がった日から、年代物の風合いを持っているのです。

たったの一つも、こだわりのないものなどありませんが、床材も精査に精査を重ねまた。

階段が取り付くと、上下の動きが出てきます。

それだけに、階段というのはとても重要で、繊細な部分です。

公共建築のように、広さの制限がなければ違うかもしれませんが、市内に建つ住宅に、無駄に出来るスペースなどありません

しかも快適に美しく。

例えば階段の壁に付く照明。

昇り降りの邪魔にならず、電球を替えられなければなりません。

その2つの候補が右手と左手。

とても原始的な方法ですが、これが一番確実です。

事務所内で基準値は持っていますが、クライアントの身長、誰が交換するかによって、微妙に変化します。

高い位置のときは、ご主人の仕事になったのかもしれません。

文責:守谷 昌紀

建築家 / 大阪  一級建築士事務所 アトリエm