「頑張れる家(イタウバハウス)」-13-光

 クライアントによる、ルーバー工事も終わり、雰囲気がでてきました。

 現場では外部工事が進みます。

 2階LDKには、ルーバーを介した光が床に落ちています。

 ルーバーの開口からからは向かいの公園のベンチが。

 玄関先にもルーバーの隙間から、光が落ちていました。

 建築は、風と光です。

 特に光は、時にはっとさせられる程の表情を見せるのです。

文責:守谷 昌紀

建築家 / 大阪  一級建築士事務所 アトリエm

「四丁目の家」-2-減額リスト

 現在は見積り調整の真っ最中。

 webサイトにも「夢は必ず実現する」と書きました。そんな綺麗ごとを、と思う人もいるかもしれませんが、必ず実現すると思っています。現実と格闘する覚悟さえあれば。

 ちょっとかっこをつけましたが、競争見積りを実施しても、大概見積りはオーバーします。夢が現実を下回ることは有りません。クライアントの希望を叶えようと思えば思う程、その額は大きくなります。

 事務所を立ち上げた頃、毎回毎回こんな経験を繰り返していました。クライアントが見積りを初めて見た時、変な空気になったこともしばしば。

 しかし、最終的には希望の金額に収る、もしくは納得して増額して貰うなどして、建物は竣工していったのです。

 私は思いました。「粘り強く減額作業をし、施工会社と交渉し続ければ、必ず何とかなる。着地点はあるんだ」と。私はもとよりしつこい人間なのです。

 ただ、これを効率よく、分かりやすく進めるにはどうすれば良いかを考えました。

 そこで考えたのが現在の減額リスト。

 当事務所で考えた減額項目を、分かりやすいようジャンル毎に列記します。

 採用すれば幾ら減と、各項ごとに金額を明記して貰うのです。

 更にその各項に、○、□、△、×などの評価付けをして貰います。

 ○、□を採用すれば工事金額は幾ら、○、□、△まで採用した場合は幾らと、エクセルで表計算しながら進める事にしたのです。

 金額が合わなければ、更に減額項目を作成する、評価付けを厳しくするなどして、クライアントと最終着地点を模索します。

 採用項目が決まれば、施工会社にそれを伝え、最終金額の提示を求めるという流れです。

 項目は多い少ないありますが、概ね100項目程。初めて見た時は皆げんなりするものですが、金額が近づき出すと、遣り甲斐も出てきます。

 中にはこの作業が一番思い出に残ったというクライアントもいました。夢の実現は、共に葛藤するしかないのです。

 あれは辞めましょう、これは残しましょうとこちらが言うより、大切なお金と照らし合わせて、今後の暮らしに何が大切かを考えるのが一番です。

 この時間はとても大切な時間と考えます。実際残るべきものは残り、省かれるものは省かれるものなのです。

文責:守谷 昌紀

建築家 / 大阪  一級建築士事務所 アトリエm