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大阪市平野区、設計事務所。建築家 守谷昌紀

「四丁目の家」-21-エピローグ

 3月4日の日曜日。年末以来、2ヶ月半振りに現地へ行ってきました。

 今回の目的は1ヵ月点検。初期不良がないか聞いて回ります。担当スタッフも同行したのですが、彼女にとって現地は2回目です。

 2006年の10月。この計画がスタートして実に5年5カ月。ようやく一区切りを迎えました。

 1ヵ月点検の後は、外観撮影を行いました。

 あいにくの曇天ですが、次回はいつになるか分からないので、アングルを変えて撮って行きます。

 南面する大きく長いバルコニーは、奥さんの希望をかなえたもの。

 この日も撮影前まで、目一杯布団が干されていました。 

 何故かこの時期、あたりは建築ラッシュ。

 横や裏に住宅が10件程建つようです。

 家の中で「体を動かして遊べるような仕掛けを」ということで生れたのがウンテイです。

 天井が低くなっている子供部屋からスタートできます。

 リビングにはイスが吊り下げてありました。

 クルクルと回したり、楽しいはずです。

 後ろの階段は、全面コルクシート貼り。

 習字や地図等が画鋲でとめてあります。

 バルコニーまでウンテイは続いています。

 そこには輪のついたロープが。

 これもイケア製でしょうか。聞くのを忘れてしまいました。

 現在は、引越しして2ヵ月程。

 片付け中につき、内部撮影は別の機会にします。

 帰り際、子供たちは見えなくなるまで手を振ってくれました。

 お父さんお母さん、そして私達が注いだ情熱は、いつか必ず伝わると思っています。

文責:守谷 昌紀

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「四丁目の家」-20-洗濯物

 奥さんが写真を送ってくれました。

 1ヵ月点検に行く前に、現場日記をUPしたいので、写真を送って貰えれば……とお願いしていたのです。

 おはようございます。

 家の写真ですが、パソコンからなかなか送れないので携帯で送ってみます。
 
 どんな感じの写真がよいのでしょうか?

 これは布団や洗濯物をたっぷりほして気持ちのいい朝のものです。

 この写真は、設計者や写真家は絶対に撮らない、この家のことを最もよく表しているカットです。

 「ひろーいバルコニーで、思いっきり洗濯物を干したい!」

 これが奥さんの要望でした。それを実現するよう、バルコニーの形状を決めました。

 バルコニーをデザインするのは、案外難しいのですが、それなら思いっきり大きくしてしまえ。加えて、ちょっとくらい屋根の無いところもあったほうがいいかな、というコンセプト。

 暮らしや、行動をデザインするのが私達の仕事です。

 今週の日曜日は、1ヵ月点検。久しぶりに現地へ行きます。 
  
文責:守谷 昌紀

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「あちこちでお茶できる家」-11-オープンハウス

「あちこちでお茶できる家」-11-オープンハウス

 一昨日の2月26日(日)。オープンハウスには、30名程の方が見えました。

 クライアントの友人、親族も見え、人が途切れることのない、賑やかな一日でした。 

 一番乗りだったのは、私の家族。

 両親に子供達を連れて来て欲しいと頼んでいたのです。

 是非見せておきたかったのですが、何と私より先に着き、すでに上り込んでいました。

 ご主人は、この家の建て方が、どれだけ良かったかを、皆さんに話してくれました。

 奥さんは当日の朝、開店前の花屋さんを叩き起こして(本当は至極丁寧だったはずですが)、花を準備してくれました。

 この話は、帰りの車でスタッフに聞いたのですが、下手をすると涙腺が緩んでしまいそうな話で……

 本当に有難いことだと思うと共に、人に恵まれていると実感します。

 生れた2ヶ月後からの付き合いになる、下のお子さんとも遊びました。

 打合せの時は、お父さんとお母さんを拘束するので、退屈だったと思います。

 今日はせめてもの罪滅ぼしに……

 親族の女の子が来ると、あちこちからぬいぐるみ等が出てきます。

 和室の下に収納されているのです。

 お昼は、奥さんの実家から送られてきたハマチのたたきを、一緒にご馳走になりました。

 お父さんは愛媛の現役の漁師。ニンニクが効いていて、最高に美味しかったです。

 お子さんは、手づかみでバクバクいく位ですから。

 夕方4時まで人が絶えることはありませんでした。

 引越しした先週末から、ずっと忙しかったと思うので、本当に大変だったと思います。
 
 帰りの準備が終わると「ラザニアを作ったので一緒に」と言って貰ったのですが、この日は失礼しました。

 しかしタッパーに入れて、手土産して貰ったのですが。

 あちこちでお茶している姿を撮って、ここにUPしようと思っていました。

 しかし、あまり写真を撮る間もない楽しい一日でした。

 何ヵ所かその空間だけでもUPします。

 夫妻の実家に両方にあったのが土間。

 その空間と、リビング・ダイニング、そして来客用の和室は23度という緩やかな角度で繋がっています。そのプランが間違いなかったと確信できました。

 計画がスタートして3年。ようやく区切りを迎えました。残すは、写真撮影と1ヵ月点検です。 
  
文責:守谷 昌紀

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「あちこちでお茶できる家」-10-土間とタイルとイームズ

■■■オープンハウス開催■■■
2月26日(日)午前10時~午後4時 ご希望の方はこちらまで

 竣工、また2月26日(日)のオープンハウスに向けて、最終の工事が進んでいます。

 外壁と庇の関係は、素材を対比させました。

 焦げ茶ともグレーとも言える外壁は、正面から光を受けると、その形が一層引き立ちます。 

 庇の作る影が、その効果を高めるのです。

 外構工事と共に、最後に残っているのがタイル工事。

 タイルは焼き物につき、物自体の金額も高く、施工手間もかかるので、どうしても高めになります。

 しかしここはやはり黒系のタイル。

 タフさと、拭き取り易さが最大の魅力です。

 どんな位置に目地を通し、どこに端材を持ってきてなど。

 美しく仕上がるよう考える事を「タイル割」と言います。

 手間ひま掛かるのが、タイル工事なのです。

 そうこうしていると、hhstyleで買った家具が届き出しました。

 hhstyleは親会社と付き合があり、担当者も納品に合わせ現場をのぞきに来きました。

 「飽きない家ですね」と言ってくれました。 

 この時計は1950年代にジョージ・ネルソンによってデザインされました。

 Ball Clock(ボールクロック)は、カラフル、ダイナミック、シンプル。

 20世紀の中盤に作られた家具群を「ミッドセンチュリー」と呼んだりします。

 時代に淘汰されない、名作が沢山あります。

 その代表格、イームズのシェルサイドチェアも2色届きました。

 いつの時代も、人を支え続けてきたのです。

 茶系のスパロウという色は、特にこの家に似合います。
 
 これはご主人のセレクト。

 帰り際に、玄関土間のタイルが出来あがってきました。

 この空間に、色とりどりのチェアが置かれ、お茶する姿をイメージし、この計画は進めてきました。

文責:守谷 昌紀

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「あちこちでお茶できる家」-9-そうなればしめたもの

 間もなく完成を迎える「あちこちでお茶できる家」。

 もちろん色々な所でお茶できるのですが、まずは玄関土間です。

 6畳くらいの広さがあり、正面には、洗面とトイレが並んでいます。

 トイレは通常閉まっていますが、なかなかに鮮やかなピンク。

 緑とは特に相性が良い組み合わせです。
 
 こちらの計画。色使いもテーマです。

 2階寝室の壁は一面だけヴォルドーに。

 床がコルクタイルになっているのは、布団でも寝れるようにという考えから。

 子供部屋は、スモーキーピンクのドット柄。

 2階のトイレはスカイブルー。

 棚は減額の為、イケア製を支給して貰いました。

 トップライトのあるファミリースペースは、緑系のパターン柄。

 基本的には全て奥さんのセンスです。

 思い切りが良さが、確実に空間に反映されています。
 
 空間がシンプルであれば、どんな物でも受け止められます。

 よって、キャパシティーを考えると、シンプルを目指せば間違いないのですが、違う答えもあります。

 誰でも家を建てるなら「あの時雑誌で見たあんな部屋に!」とか「先週テレビに映ってたキッチンみないな」などという希望があるものです。

 全て聞いた通りにすれば簡単なのですが、これは一旦整が必要です。

 その部屋のどんな要素が好きだったのかの整理整頓です。

 素材、色、家具、光など、空間を構成する要素は沢山あります。その整理整頓が終わり、クライアントと共有できれば、とたんに話しがかみ合いだすのです。

 そうなればしめたもの。

 一方通行の提案より、1ランク複雑で、味わいのある空間が出来上がっていくのです。

 外観もカーポートを残すだけになってきました。

 来週末の引っ越しにむけて、詰めの段階に入りました。

文責:守谷 昌紀

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「四丁目の家」-19-ほぼ完成

 昨年の12月17日(土)、検査に行った際、まだ終わっていなかったのが外構工事。

 「外構」とは建物外側の工事の事で、一般的には外部の塀、門扉、植栽などを指します。この工事は、建築工事と完全に区別されることも多く、請け負わないハウスメーカーもあります。

 しかし建物の外側なので、必然的に一番目に入るところになります。また、金額が読みにくいところもあり、設計の難易度が高い箇所とも言えるのです。

 「四丁目の家」は南面しているので、塀はルーバー状にしました。

 一続きに見える塀の2ヵ所に、門扉を設けています。

 現在中央部は開かれていますが、将来は閉じることも視野に入れています。

 その際も親世帯、子世帯のそれぞれが気兼ねなく出入りできるよう、と言うのが設計意図です。

 表札、ポスト、インターホンなどは主となる扉の横に取り付けました。

 表札がまだ付いていないので、少しの間仮設で我慢して貰います。

 扉にもルーバー状の横板が張られ、レバーハンドル部だけが、フラットになっています。

 どんな時でもそうですが、大変な所、難しいところとが、成果の分岐点になるもの。

 監督、職人とも積極的に取組んでくれた結果がここにあると感じます。

 すぐに東京へ行けないのがもどかしいですが、1ヵ月点検が楽しみになりました。この日程も、3月初めに決まりました。

 2008年1月にスタートしたこの計画も、そろそろプロローグを書く準備をしなければと思っています。

文責:守谷 昌紀

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「あちこちでお茶できる家」-8-家具、カーテン、ロールスクリーン

 こちらの計画も、いよいよ終盤です。

 1月21日(土)も、寒い中での現場打合せでした。

 外壁が張り上がり、シート越しではありますが、雰囲気が出てきました。

 ちょっと見えにくいですが、開口部上の庇は色々と工夫しています。

 今回はカーテン、ロールスクリーンの選定と、家具関係の詰めが打合せ項目です。

 造り付けの家具は、どんな形にでも作れるが故、打合せも詳細におよびます。

 近年はインターネット関係の機器が増え、これをどこに納めるかは大きな課題と言えます。

 リビングにあるサイドボードの一角に、側面を開放したエリアを設けそこに置くことにしました。

 和室奥の本棚も造り付け家具。

 縁甲板部の上部に浮かせて下の地窓を活かしています。

 階段の隅にも棚が3つ。
 小さなものですが、これも造り付け家具の1つ。

 最後は、カーテン、ロールスクリーンの選定に。
 
 これらは、後々変えることもできるので、遊んでもよいところです。

 何ヵ所かは、思い切った色を取り入れました。

 新たに購入した家具も納品が2月の中旬に決定。

 この家具、特にイスは素材、色とバリエーションに富んでいます。

 ミッドセンチュリーの傑作もあり、楽しみにしているのです。

文責:守谷 昌紀

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「あちこちでお茶できる家」-7-掛かった時間に比例する

 年明け初めての現場打合せは、「あちこちでお茶できる家」。先週の土曜日でした。

 こ最近は暖冬傾向が続いていたので、今年の冬は特に寒く感じます。

 現場には、お湯を暖める器具が置いてありました。

 本来は、お湯のいる作業の為にあるものらしいですが、缶コーヒーが入っています。

 温かいものが少しあると、休憩も随分違ったものになるはずです。

 日々の生活の中に、どれだけ楽しみをちりばめられるかで、暮らしは随分違ったものになるのです。

 

 内部の壁下地が、概ね出来上がってきました。

 

 2階ファミリースペースには造り付けのカウンターと本棚。

 これから家具工事が進んで行きます。

 この家は23度という角度で折れたへの字プランになっています。

 丁度その交点に階段がありるので、平面的、立面的に複雑な形状になってくるのです。

 更にその部分で、壁の仕上げが切り替わることもあり、どこを境目とするか相談していました。

 「ここが大変なんですよ」と棟梁も頭を悩ませていましたが、経験的にこういった箇所はとても魅力的な空間になります。

 悩んだ時間、掛かった手間に比例して良くなるのですから、あとはどれだけ現場の人に気持ちよく頑張って貰うかに尽きます。

 完成した時。この仕事に関わった皆が「ああ、頑張った甲斐があったな」と思える、目標を指し示すのが、私達の仕事なのです。

文責:守谷 昌紀

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「下町のコンクリートCUBE」-1-取材下見

 今週の月曜日は、久しぶりに「下町のコンクリートCUBE」へ。

 今は最も太陽高度の低い季節です。

 しかし、中庭を介しダイニングには光が差し込んでいました。

 この建物は、本当に敷地条件に恵まれています。

 目的は、テレビ取材の下見。

 まずはディレクターが、ハンディーカメラで下見の撮影をします。

 そして、実際に取材するかを決めるのですが、更にその映像をみて、本職のカメラマンが、どんな動きで、どんな撮り方をするかを決めるそうです。

 いつも思いますが、テレビというメディアは本当に多くの人が関わって出来るものだと実感します。

 また、決定したらお知らせしたいと思います。

 奥さんも元気そうで、四方山話をしていると、1つ違いに気づきました。

 前に居た、小型犬が見当たらず、若いゴールデンレトリバーが庭からこちらを見ています。

 聞くと、イングリッシュ・コッカー・スパニエルのボブは1年前に亡くなったそうなのです。

 2005年に計画を始めた頃、前の家は今の庭の部分にありました。

 そこで打合せをしていたのですが、ボブがやってきた時の事を明確に覚えています。

 私がくると繋がれるので、よく吠えられたものですが、可愛い犬でした。webサイトにも載せていたのです。

 新たにやってきた彼はボビー。彼が乗っているのは「TRUCK」のイスと言えば、驚く人が居るかもしれません。

 まだ1歳で遊んで欲しい盛り。

 何でも口にくわえて、持ってきます。

 家の中は6年が経たことを、全く感じさせない程、愛情が注がれていましたが、ボブのこと、庭木が、時間の流れを感じさせてくれます。

 諸行無常。時が縷々とした流れを止めることはありません。そして今年も終わりを迎えます。

文責:守谷 昌紀

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「頑張れる家(イタウバハウス)」-21-1年点検

 イタウバハウスが完成してはや1年。

 ルーバーの色も落ち着いてきました。

 「大掃除を兼ねて片づけました」の言葉通り、家の中はとても美しく、愛情をひしひしと感じます。

 1年点検の時、出来るだけ聞いているのが光熱費の件。

 夏は電気代が高い時で1万円、ガス代が4、5千円。

 冬は電気代が4、5千円で、ガスが1万円行くか行かないかだそうです。

 こちらの家はガス温水床暖房が入っていますが、冬の朝と夜に使ってこの金額とのことでした。

 工事中に間取りの変更をしたのは、彼の命が宿ったからでした。

 春生まれの7ヶ月です。

 奥さんが皆に「大きいねエって言われるんです」と。

 丸まると太った、どこからどう見ても元気な男の子です。

 抱っこされていても、遊んでいても、時々顔を確かめるそう。

 私の顔を見た後は、お父さんと顔を見合わせます。

 色々なことを急速に学習しているのでしょう。

 2階LDKの前にあるデッキに、非常用の避難口が設置されていました。

 ご主人は工務店に勤めるプロですが、素晴らしいの一言に尽きます。

 加えて、洗濯干しの上部に、ポリカーボネイトの庇も設置されていました。

 ちょっと、雨が……という話もありましたが、非常用と考えれば立派なものです。

 デザインのほうは完璧です。

 元々ご主人の会社は、外部遊具や、デッキの制作を得意にしていました。

 時間とともに、木が白っぽくなる様を「木が白ける」と言うそうです。

 その自然な変化もこの計画のコンセプトに入れようとなりました。

 垂直材のルーバーより、水平材のデッキのほうがより白けていました。太陽光の力はすごいものです。

 1年点検は概ね木製建具の微調整のみ。とても快適に暮らしていると言って貰いました。

 奥さんの友人が、来宅した時のこと。家の前で「○○さんの家だけ、周りの家と全然違うやん!」と言われた時は、少し焦りましたと。
 
 まずはクライアントの幸せ。次に、建築は自由なものだと知って貰いたい、そして街に貢献したいという気持ちで、建築設計をしています。

 しかし、このような話を聞くたびに、近隣の人はどう考えているのか、何とも表現し辛い気持ちにはなります。しかし、未だ明確な答はありません。

 今のところは、勇気を持って、自分らしい家を創りたいと言ってくれる人と、幸せで、誇りに思って貰えるような家を創り続けるしかないと思っています。 

文責:守谷 昌紀

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