一級建築士事務所アトリエm 守谷 昌紀 のすべての投稿

大阪市平野区、設計事務所。建築家 守谷昌紀

「四丁目の家」-18-施主検査

 先週の土曜日は、「四丁目の家」の検査でした。

 午前中は私達、設計検査、昼からは施主検査。

 残念ながら外部の塀などは、少し残ってしまいました。

 しかし、快晴の空に穴あきバルコニーは気持ちよさそうに見えます。

 キッチンから、リビング・ダイニングを見返すと、黒板とウンテイが見えます。

 黒板の暗緑色が床のウォルナットによく映え、この空間の印象を決定付けます。

 思った以上に良かったのが、コルクタイルを貼った階段室。

 家族の写真をいくらでも止められるよう、全面貼りにしました。

 見ているだけで、素材の柔らかさ感が伝わってくるから不思議です。

 階段の1段目は、玄関の段差と合わせて、ベンチのような扱いにしました。
 
 1階は親世帯ですが、早速使って貰い、ともて座り易いとお墨付きが出ました。

 1階和室は、居間兼寝室。

 南の大開口からの光を、障子が和らげています。

 2階に戻って、階段を上がり左奥にあるのがご主人の書斎。
 
 計画中は「こもり部屋」と揶揄されていましたが、良い感じで繋がっています。

 ここから一番奥のキッチンまで、目線が抜けているのです。

 そして子供部屋からバルコニーまで続くウンテイ。

 この計画のシンボルでもありました。

 奥さんの要望は、気持ちよく洗濯物が干せるバルコニー。

 一番奥には、ユーティリティーシンクもあります。

 リビングには勉強カウンターがあります。

 ドアの前にありますが、この部分は取外し可能。

 出来るだけ姉妹が、長く一緒に勉強できるよう考えました。

 いつも元気に、私を迎えてくれた元気な三姉妹。「まるも」のダンスを踊ってくれた時もありました。

 この日も思い切り嬉しさを爆発させ、あちこちと走り回っていました。創り手としては本当に嬉しく、設計者冥利につきます。

 それもこの日で最後、になる予定でしたが、1ヶ月点検にも伺う事になりました。ご家族には、迷惑を掛けますが、もう少しお付き合い頂きます。

文責:守谷 昌紀

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「四丁目の家」-17-ファサード

 一昨日、監督より写真を送って貰いました。

 外壁工事が終わり、足場が取れたと報告があったからです。建築用語で、外観の正面をファサードと言うのです。

 外壁は目地の無い、フラットな仕上げにしました。

 屋根が大きく張り出しているのは、思う存分洗濯物を干いたいという要望から。

 奥に開いている穴は、ここでテントを張れば星が見えるようにという設計意図です。

 屋根は南に向かって登っており、2階の天井は高いところで3.2mあります。

 屋根形状こそがこの建物を物語っているのです。

 この計画、第1回目の現場日記は2010年11月27日でした。

 3月の大震災もあり、工事は大きく遅れました。しかし、それも良い思い出と言えるかは、最後の仕上がり次第です。

 計画がスタートした当初、ご主人は大阪に単身赴任でした。途中からご主人も東京へ転勤すると、よりメール、電話でのやり取りが多くなります。

 昨年の「Epic Games Japan」に引き続き、私達はどこに居ても仕事ができる、という大きな経験になりました。

 しかし返す返すも最後が肝心です。

 残すは外構だけになりました。来週末は現地へ最終の検査へ行く予定です。

文責:守谷 昌紀

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「あちこちでお茶できる家」-6-山並みのように

 12月に入りました。この計画も竣工まで残すところあと2ヶ月。

 計画名の通り、家の中が楽しい空間になるように設計したのですが、もちろん外観にもこだわっています。

 屋根勾配は左右で違い、更に棟(屋根の一番高い部分)の高さが、正面より裏側の方が低いのです。

 屋根のラインが、山並みのように柔らかで、見る方向によって、違う勾配を持たせたかったのです。

 加えて、1階の平面も南へ開く、「へ」の字型のプランとなっています。

 では、それによって構造体にどんな事が起こっているか。

 全ての柱の長さが変わり、直交しない梁が多く出てくるのです。

 これらの加工は、工場では出来ず、現場で大工の手加工によって、納められました。

 屋根の高低差を活かし、ロフトも設けています。

 手刻みの出来る大工が減っているという声を、良く現場でも耳にします。

 出来るだけ工場で加工しておけば、工期も短縮でき、ミスも減るのですが、やはり出るだけ人の手が加わって欲しいと思うのです。

 それでこそ、職人という仕事に皆が敬意を持ち、物づくりの楽しさ、やりがいを伝える事が出来ると思うのです。

 現場では、審査機関の中間検査も終了しました。

 これからは仕上げ、納り等の詳細を詰めて行きます。

 出来上がった時、柔らかな稜線のような形となっているか。楽しみにしています。

文責:守谷 昌紀

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「四丁目の家」-16-黒板

 先月の終わりに現場へ行ってから、なかなか東京に行けていません。

 次回は最終検査の時になりそうです。12月の中旬頃でしょうか。

 2階は若夫婦世帯が暮らすエリアです。

 リビングの壁には黒板があります。壁に黒板塗料を塗った、小さいですが本物の黒板です。

 黒板は意外にリクエストが多いのです。
 
 学校に対して、良い印象がある人も、そうでない人も、やはり空間へ対する原体験となっているのは間違いありません。

 特に、小学校の6年間というのは、その長さ以上に、人の成長に大きな影響を与えていると感じます。

 例えば、教室の床にワックッス掛けをして事を懐かしそうに話す人は本当に多いです。

 その時、皆で作業した雰囲気やその匂いまで克明に覚えていたりするものです。

 また、そこにあった無機質とも言える時計が、結構好きだったとか、妙な机を買うくらいなら、教室の机の方が好きだ、と言ったクライアントも居ました。

 ノスタルジックな気分も合わせてでしょうが、機能、価格を追求した物は、意外と良い物が多いのです。

 黒板はその中でも、象徴的なものと言えるでしょう。

 ホワイトボードでも機能は同じですが、あの黒緑色の板に、白いチョークで書きたいという欲求は、よく分かる気がします。
 
 何度でも消せるというのが、最大の魅力というのも間違いありません。

 2階のキッチンがようやく据え付けられました。

 このエリアはモノトーンの感じでまとめています。

 ウンテイの塗装も済んでいます。

 虹の配色が、モノトーンの空間に遊びを加えます。

 このウンテイはバルコニーまで続きます。

 流石に先端部まで行くと危険なので、途中で止めていますが、それでもかなりの高さです。

 機能として続いているといるのですが、外と内を繋げたいという意思表示でもあります。

 洗練された空間に、遊び心を取り入れ、都心でも光、風、雨を感じれる家。

 そんな感じをイメージでして考えました。 

文責:守谷 昌紀

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「あちこちでお茶できる家」-5-上棟式

 11月5日(土)は朝から雨でした。夕方からは上棟式が行われました。

 現場は人数を増やして、最後の追い込みでした。

 垂直方向とこれに対して23°振れた部分が交わる箇所は、現場も苦戦していました。

 何とか骨組みが完成です。

 御幣にはクライアント、施工会社、設計事務所の名前を書きました。
 

 お供えするお米と粗塩は、クライアントが準備したものです。

 建物の四方に酒、水、米、塩を撒いて清めて回ります。

 最後に工事部長が最終汚水桝も清めていました。

 御幣は施工会社→設計事務所→クライアント→棟梁へと手渡しされ、棟の一番高い所へ奉ります。

 最後に日本酒で乾杯。

 式を滞り無く終えることが出来ました。

 打合せ中は事務所の中でお絵描したり、紙飛行機で遊んだりして、いつも姉妹で待っています。

 この日は二人共、走り回っていました。

 今後は現場での打合せ回数が増えると思います。

文責:田辺 幸香

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「あちこちでお茶できる家」-4-外構

 前回のUPからやや時間が経ってしまいました。

 その理由は、また追々。

 事務所の始まる前に、現場へ行ってきました。 

 出来る限り現場へ車で行くことは避けています。

 環境の事と、どうしても車で来なければならない施工者が優先されるべきと言う考えでそうしています。

 しかし、早朝で時間が短縮できることもあり、この日は車で。

 快晴の朝。しかし川沿いの道は気持ち良いものです。

 誰もいない現場は更に気持ちが良いのです。

 建物の外回りの工事を「外構」工事と言います。

 間もなくコンクリートが打設されるという事で、現場のチェックへ。

 見て回っていると敷地にイガグリがポツポツと。

 前回も書きましたが、理由は隣地に栗の木。

 誰も獲っている様子はなく、大量に落ちています。

 敷地内に転がり込んでくるものだけでも、栗ごはんが出来そうなくらいはありました。

 郊外の住宅地だけあって、柿の木も。

 実りの秋。

 年始の竣工に向けて、今からが最も大切な時期です。

 今週には上棟を控えています。

文責:守谷 昌紀

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「四丁目の家」-15-子供部屋の平等

 10月30日(日)は1ヶ月振りの現場打合せに。

 東京行きの日は、何故か雨が多かった気がします。この日の朝も、大阪は雨。しかし東京に着くと晴れ空でした。

 しかし天気は西から。昼頃からはポツポツと降ってきました。

 外壁下地が出来ている予定でしたが、それは間に合わず。

 やや残念です。

 内部には建具枠が搬入されていました。

 枠など普段気にする事はないと思いますが、建物にとってはとても重要な部分です。

 動かない壁と、動く扉の境目にあると言えば、その重要性が伝わるかもしれません。

 どのような寸法で納められているかで、機能、美しさも、大きく変わるのです。

 特に重要視しているのが、引戸のレール。

 可動域が空間の邪魔をしない事と、微妙な位置でキープできるのが引戸の一番の長所でしょう。

 また、段差2mm以内のバリアフリーを目指し、M型のレールが床に埋め込まれます。

 これがステンレス製というのが大事です。随分キズが付きにくいのです。

 監督から、大工の棟梁が「苦労して取り付けたウンテイも、ボードを貼ってしまえば、何か当たり前に見えるのが残念」と言っていたと聞きました。

 気持ちは解ります。

 しかし、見せたいのをぐっと我慢し、目的に向って、真っ直ぐに進むのが本当のプロ。

 100kg近い大人が、ぶら下がっても良いように下地はスチールのプレートと一体になっています。

 登梁に直交するよう角材を取り付け、このウンテイ1つ1つを固定して行きます。

 よって、1つずつが専用の梁に付いているとようなもの。はやり気持ちは解ります。

 「子供部屋は出来る限り平等に」という要望は、思いのほか多くあるものです。

 この計画でも、すでに部屋の取り合いになっているとかいないとか。

 いつも元気な三姉妹も、この日は一人だけでした。

 お姉ちゃん2人は、いとこと東京タワーに行ったそうです。

 更に彼女も途中でお祖父ちゃんの家へ。

 お父さんお母さん、お祖父ちゃんお祖母ちゃんは、打合せに集中できて良いのですが、私は少し寂しい気も……

 今考えると、何時間にもわたる打合せに、三姉妹だから我慢できたのかもしれせん。時には、取っ組み合いの喧嘩もしていましたが。

 彼女たちとも間もなくお別れです。建ってからも本当の付き合が始まるとも言えますが、物理的に会う機会が減るのは間違いありません。

文責:守谷 昌紀

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「伊東内科クリニック」-28-1年点検

 27日(木)は、伊東内科クリニックの1年点検でした。

 午前の診療が終わった後、院長、施工会社と一緒に課題の出来た場所を回ります。

 建具の調整、クロスの補修、などに加えて、棚の追加、コンセントの増設等。

 1年使ってみて、改めて改善の必要な箇所も出てきました。

 外部、内部ともとても大変美しく使われており、院長も「スタッフがほんと、綺麗好きなんです」と笑っていました。

 愛着をもって使われているを、身を持って感じます。本当に嬉しいことです。

 院長の伊東さんは、世界各国を旅しています。

 クリニックの壁面には、新たにその写真が飾られていました。

 待合の窓下には、家のミニチュアが。これは東欧のものだったと思います。

 webサイトにもコラムがあるので、良ければ是非。

 ちょっと普通の人は行かないような国まであります。TOPページの右上にある「院長コラム」です。

 待合の裏手にあるオリーブも随分成長しました。

 受付の後ろにあるイロハモミジは、更に大きくなっていました。この秋の紅葉が楽しみです。

 1年点検は建物の問題点を見つけ出す大切な機会。私達にとって最も勉強になる時です。

 対して、木々の成長はただ楽しみなだけ。

 最後に「守谷さんのイメージからずれていませんか」と尋ねられました。

 全く、と答えましたが、イメージ内と言うか、イメージ以上というか……そのあたりは自分の中にも明確な答えはありません。

 建物は建ってからも、住まい手、使い手、関わる人の愛情の量で間違いなく、変化して行きます。それを成長と言ってよいのかは分かりません。ただ、その変化には色々なケースがあるのは間違いありません。

 待合のソファに座り、光庭のモミジを見るのは、私にとっても最も幸せな時間です。

文責:守谷 昌紀

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「四丁目の家」-14-虹色ウンテイ

 本当に暑かった今年の夏も終わり。気持ちの良い季節になって来ました。

 「暑さ寒さも彼岸まで」「天高く馬肥ゆる秋」見上げれば、今日も空の高い秋晴れです。

 25日(日)、26日(月)は、東京へ現場監理に行っていました。

 現在は、外壁仕上げ、内部仕上げを待つ状態です。 

 内部にはウンテイが出来上がっていました。

 「家で皆が遊べるように」と「健康のため」の目的で計画されたもの。

 2階の若夫婦世帯のみで、1階の親世帯にはありません。

 しかし1階のご主人も、背中を伸ばすのに良いかも、と言っていたのです。

 子供というのは、思ったままの感情を爆発させてくれます。

 つまらないものはつまらない、楽しいものは楽しい。

 創り手としては真剣勝負です。

 皆が順番に、チャレンジしてくれました。

 これだけ喜んでくれると、本当に考えた甲斐があります。

 色は原色で、のリクエストから虹の配色にすることにしました。

 子供部屋のロフト上からバルコニーまで続く虹色ウンテイです。

 若夫婦のご主人は、学生時代は体育会。

 それが元で出てきたアイデアですが、これは確かに楽しいし、体の為に良いし。

 あといくつか、家の中が楽しくなる仕掛けを考えていますが、次回には付いているかもしれません。

 次回は10月中旬に現地へ行く予定です。

文責:守谷 昌紀

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「あちこちでお茶できる家」-3-配筋検査

 酷暑と大雨の続いた8月が終わり、9月に入りました。

 月初は涼しい日が続きましたが、検査を実施した9月9日は30℃を超えました。

 現場には大型の扇風機とタープが設営されていました。

 ちょっと日影があるだけでも、随分違うでしょう。

 現場では、まず職人さんとコミュニケーションです。

 いい色に焼けたこの人がいるのは浴室が出来る場所。

 どうもひと風呂浴びた感じに見えます。

 鉄筋の径、本数、ピッチなどをチェック。
 
 問題なしです。

 敷地は閑静な住宅街ですが、隣が空き地になっています。

 結構な大きさのクリの木が植わっています。

 手前に塀を建て、これを借景にする予定。

 敷地が広い分、建物以外の余白と、近隣との関係が重要になってきます。

文責:守谷 昌紀

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