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大阪市平野区、設計事務所。建築家 守谷昌紀

「四丁目の家」-7-手作りでする地鎮祭

 昨日は朝一番の新幹線に乗って東京へ。

 まず施工会社の事務所へ向かいました。

 東京駅から御茶ノ水までは地下鉄で3駅。

 地鎮祭までの時間を使って、電気設備、水道設備の工事担当者、そして現場監督、社長と初回打合せです。

 2時間では時間が足らず課題は残りましたが、内容ある打合せでした。

 そのまま現場までは車で30分ほど。

 雨模様の中、地鎮祭の準備が進められます。

 かなり激しく降っていたのですが、クライアントの到着と同時にピタリと上がりました。
 
 今回は手作りの地鎮祭ですが、こちらの施工会社はカマ、クワ、スキを持っているのです。

 自社でこれらを持っているのは初めて聞きました。

 まずは私がカマで忌み草を刈り取ります。

 親世帯のご主人にクワをいれて貰います。

 こちらのお家は二世帯住宅なのです。

 形にはこだわらないので、皆さんもいかがですかと社長。
 
 皆さんにも順に手伝って貰うことに。

 まずは子世帯のご主人。

 次に奥さん。

 一番上のお姉ちゃんは小学4年生。 

 2番目のお姉ちゃんは小学2年生。

 一番下の妹さんは、ちょっと恥ずかしくて辞退。

 その後、四隅にお神酒をまき、最後に乾杯。

 何とか天気も持ち、無事式典は終了しました。

 その後、ご自宅に伺い打合せに。

 当たり前の事ですが、私は工事中の追加金額をださない事に、こだわり仕事をしてきました。
 
 しかし、午前中の打合せで議題に上がったのは、やはり震災の影響による資材不足、資材の高騰の話。

 金額、納期が全く読めない物も結構あるという話でした。

 まずは最悪の場合を想定し、施工会社の社長から現状を報告して貰います。
 
 その上で、さらに削減出来るところがないか、代替品はないかを探し、出来る限り追加を出さないよう、全力であたるとお伝えしたのです。
 
 本音を言えば、最終的には何とかなると思っています。

 これから全てが改善する方向に動くでしょうし、国民の総意として「何とかしないと」という気持ちがある以上、驚くべき速さで復興、正常化は進むと思います。
 

 それ程、人の意思は大きな力を持っていると思うのです。

 現場へ直接行ける回数は、残すところ6回。時間を惜しんで現場、人と関わって行きたいと思います。

文責:守谷 昌紀

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建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記

「四丁目の家」-6-さあ再開!

 前回「四丁目の家」の現場日記を書いたのが2月15日。

 東京は大雪でしたが解体も終え、3月の地鎮祭を待つのみとなっていました。

 敷地はきれいに整地され、いよいよと言う時……

 合板、断熱材をはじめとする、建築資材の不足は大きな問題です。

 しかし何時までも立ち止まっている訳にはいきません。

 まだ余震が続く中、自粛ムードもありますが今週の土曜日、地鎮祭をとりおこなう事になりました。
 
 地鎮祭は、土地の神様を鎮め、工事の安全を願うもの。これだけ多くの命、街が失われたいまこそ、最も大切な儀式と言えます。

 建築と都市に係わる仕事をしていて「今頑張らずしていつ頑張るのか」と思ったのは今回で2回目です。1度目は16年前の阪神・淡路大震災の時でした。

 当時はこの世界に入って1年目。建築に携わっているのもも関わらず、その無力さを痛感したのです。しかし、今なら出来ることがあります。

 頑丈で、人類の幸せに真っ直ぐつながる建築を作る。

 その積み重ねが、必ず日本を、世界を良くすると信じます。

 何の問題も起こらなかった街と、火事で全てが焼失した街があったなら、10年後は後者の方が発展を遂げる、という話しを聞いたことがあります。

 亡くなった方には心がらご冥福をお祈りする事しかできません。しかし、人類は何度もこのような危機を乗り越えてきました。全ての試練は、私達を進歩、発展させる為にあると考える他ないのです。

 今ほど仕事に使命感を感じた時はありません。そして、全力に悔いなしと言い聞かせるのです。

文責:守谷 昌紀

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「Shabby House」-27-祝完成

昨日は「Shabby House」へ。

長く時間が掛かってしまいましたが、木々も植わり何とか完成を迎えました。

今回は、担当のスタッフとご招待頂いたのです。

ご主人が、お子さんのお迎えに出掛けた際、ご近所の方が「最後の梅」と下さってそうです。

確実に街や地域との関係が、築かれていくのを感じます。

計画の初期からあったテーマの一つが酒部屋。

ダイニング横のにじり口から入ります。

中には小縁があり、その上には半畳の畳が2枚。

壁は消し炭色、天井はよしずを海老茶に塗り仕上げました。

見返すと雪見障子。

茶室を意識して造られました。

何故か小宇宙のいう言葉が浮かんできます。

夕方の5時頃、日の高いうちからビールを頂きました。

チューリップ型のグラスにもデュベルの文字があります。

ベルギーでは最もおいしく飲めるよう、それぞれに専用のグラスがあるそうです。

デュベルはとても香り高く、フルーティーですがキリットしたビールで、大変美味しかったです。

その後、何種類ものベルギービール、ワインを頂きました。

次々に出てくる料理、冷えたビール。もう至福の時間です。

写真を撮らないとと思いながら、シャッターを押したのはこれ一枚だけ。

それも忘れてしまうくらいでした。

唯一撮った写真が鴨ロース。

滋賀県長浜にある一湖房のもので、高島屋でも買えるそうです。

お酒のツマミとしてはもう最高、としか言いようのないくらい美味しかったのです。

お子さんもお手伝いをしながら、最後まで付き合ってくれました。

気が付けば、すでに11時。バタバタと失礼したのです。

6時間が瞬く間に過ぎました。

ご夫妻とお会いするきっかけは「サロンのある家」のクライアントでした。

奥様が同じ時期に第一子を出産。病院でご友人になったのです。

その後家づくりのお話しになり、紹介頂きました。

すでに両家族は、お互いの家を行き来され「兄弟みたいな家やね」という話しになったそうです。

残すは竣工写真。とても楽しみにしています。

更に、担当スタッフが自身の家族を連れての見学会もお願いしているのです。

文責:守谷 昌紀

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「ドタバタ広場のある家」-26- アイキャッチャー

 今日から4月。進級、進学と変化の季節。気持ちも新たに新年度のスタートです。

 先月25日発売の『月刊ハウジング 05月号』

 「ドタバタ広場のある家」が掲載されたのですが、アイキャッチャーにも写真が使われています。

 アイキャッチャーとは、書店の本棚、書籍のそばに、宣伝用の写真やメッセージがプリントされているもの。POPなどとも呼ばれます。

 今回なら、このような感じです。

 全ての書店には無いようですが、本棚の一部を占有しているようで、ちょっと誇らしいのです。

文責:守谷 昌紀
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「Shabby House」-26-着クリスマスツリー

昨日は、1ヶ月点検。

気温は低めですが、日差しは日増しに力強くなってきます。

2階LDKの南に、光庭があります。

そこにはダストシュートがあるのです。


1階に庭から見上げるとこんな感じ。

クライアントからの要望で実現出来たのですが、蓋にはやや苦労しました。

1階の出口は、こげ茶ので覆われています。

3階オーニングの端材を施工会社が上手く取り付けてくれました。

ゴミ箱もこげ茶で探してもらい、美しいダストシュートの完成です。

来客が、まず入ってみるのは、やはり酒部屋だそうです。

この3畳ほどの小さな部屋には、色々な工夫があります。

詳細はまたの機会に。

前回、古川庭樹園で購入したクリスマスツリー。

正確に言えばプンデンストウヒですが、植え付けもこの日に合わせ貰いました。

クライアントと慎重に位置を決めました。外構関係もようやく一段落。

次回は担当者と一緒に、夕刻伺うことになっています。

文責:守谷 昌紀

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「Shabby House」-25-クリスマスツリー

今週の月曜日、クライアントの奥さん、スタッフと河南町の古川庭樹園へ行ってきました。

この日は霞がかかっていましたが、PLの塔が良く見えます。

ここは眺めが良いので、皆喜んでくれるのです。

計画が始まり、かなり早い段階からクリスマスツリーを、と聞いていました。

クリスマスツリーと言えばモミの木をイメージします。

正確にいうと、ヨーロッパではプンデンストウヒやドイツトウヒを指すそうです。この日も専務が案内してくれました。

とても元気な人で、私も会うのを楽しみにしているのです。

しかし今回は予定があり、それらがあるエリアを教えて貰い、あとは自分達で探すことに。

1時間程かけて候補を3本に絞りました。

ナイロン紐でマークをつけて、見取り図をfaxします。

あとは見積りを待つだけ。

春を目の前にして、小さな花がポツポツと咲き始めていました。

その中に、まるで手がついたロボットみたいな種がありました。

花なのか葉っぱなのか。羽根を広げた天使に見えないこともありません。

どんな進化を遂げ、ここに至ったのか。

自然はいつも不思議です。

文責:守谷 昌紀

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「頑張れる家(イタウバハウス)」-18-竣工写真

 先週の日曜日「頑張れる家」の竣工写真を撮りに行ってきました。

 今回は、自分で撮影しようと思っていました。一度オープンハウスの際に撮っているので、何とかなると思っていたのです。

 この日は一日中快晴。

 やはり外観は、青空に限ります。

 内部は一番荷物の多いだろう、3階子供部屋から。

 美しく掃除済で問題なくというか、予想以上の感じで撮り終えました。 

 メインは2階のリビング・ダイニングですが、丁度正午の光で撮影しました。

 これで日中にイメージしていたカットを終了。

 一旦現地を離れ、光庭の撮影現場へ。

 夕方5時半ころから、夕景の撮影を再開しました。

 タイミングが思っていたより遅く、結局日没の20分後、6時15分頃に最後のカットを撮り終えました。

 その後、コーヒーを頂きました。

 現場の担当者だったスタッフは午後のに来れず、堂島ロールをお土産に包んで貰ったのです。

 こちらのご夫妻、お酒よりは甘いもの好きなのです。以前にも、クリスピークリームドーナツを頂いたのです。

 写真は揃ったので、近いうちにwebサイトにUPします。

 とても楽しいページになると思います。

 
文責:守谷 昌紀

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「Epic Games Japan New Office」-7-竣工写真

 一昨日は東京での用事を済ませて、横浜の桜木町へ。

 この日の関東地方は大雪。キャスターを引いての移動は、ちょっと骨がおれました。3:30pm頃Epic Games Japanのオフィスに到着。すぐに撮影を始めました。

 この日はCEOと技術者の2人がアメリカの本社へ出張中。しかしアシスタントの女性が、テキパキと手伝いをしてくれたこともあり、2時間程で終了しました。

 とても明るいオフィスになりました。

 テナントビルなので照明はどのフロアも同じですが、このオフィスが最も明るいそうです。

 床の仕上げに白を使っているのが大きいと思います。

 CEOルームもコントラストがきいて、なkなか良い感じです。

 竣工から半年経ちましたが、とても美しく保たれていました。

 今度は皆さんが居る時に伺います。

文責:守谷 昌紀

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「四丁目の家」-5-初めての解体スタート

 週末から週明けにかけて、大阪もかなり雪が降りました。

 しかし、関東地方は更に大雪のようです。

 いよいよ始まった解体も、何度か中断しました。

 東側棟は無事完了しました。

 残念ながら解体中は、現地へ行く予定がありません。

 よって今回の写真は、施工会社から送って貰ったもの。

 携帯電話、E-mail、スカイプと本当に便利になりました。

 今から13年前、1997年の年末に、「白馬の山小屋」という改修計画の仕事が始まりました。

 当時で築30年の山小屋を改修する計画で、大学時代の先輩からの依頼でした。何とか一作目の住宅が完成した頃だったのです。

 現場は長野県小谷村。もちろん施工会社は一社知らず。村役場へ行き、何社かを紹介して貰いました。

 現地へは経費を抑えるため、大阪を夜9時頃出る、夜行「ちくま」で。早朝に白馬へ着くのです。席はリクライニングしませんが、乗客も少なく横になって寝られました。懐かしいのですが、現在は運休されているようです。

 現場監理が始まると、監督が「デジカメ」で撮った画像を送ると言うのです。私はメールなど使ったことがなく、弟のアドレスに送って貰いました。これがデジタル画像初体験でした。
 
 初めてのクライアント、初めての土地、初めての建物。建築は初めてのことばかり。それはクライアントも私達も施工会社も同じ。建築の大きな特徴かもしれません。

 初めての事でも、困難に見える課題でも、必ず何とかなると思っています。実際に何とかなってきたからです。極端ですが、私が中学から持ち越している課題は一つもありません。

 次回現地へ行くのは、3月初めの予定。地鎮祭の予定です。

文責:守谷 昌紀

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「Shabby House」-24-ファサード

建築の正面側をファサードと呼びます。

住宅は個人のものですが、ファサードは街の景色を形作るもの。よって、半ば公的なものと考えています。

美しいファサードが街をより良くするはずだからです。

コンセプトはパリのアパルトメント。

その表情を持ち、まねごとにならないよう検討を重ねました。

住宅街にパリのアパルトメントが現れても……という考えもありますが、純粋にそれを追求するのは意味のあることだと思います。

ただし近隣に迷惑をかけないというのが、絶対条件。

判断は道行く人にゆだねます。

建築は勿論ファサードだけではありません。

新たにチェアも到着しました。

キッチンから見たダイニングを見返した時、クライアントの思い描いていた空間になっているのか。

この判断は本当の暮らしが始まってからになります。

文責:守谷 昌紀

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