「THE LONGING HOUSE 」‐7‐明るく、素直に、前向きに

 今年の節分は2月2日で、124年振りだったそうです。

 節分はその名の通り、冬と春の境目。カレンダーで決めるものではなく、太陽と地球の関係で決まるから今年のようなケースもあるとのこと。

 宇宙のリズムが全てを内包している訳です。

 「THE LONGING HOUSE 」のファサードは東向きで、定例打合せの始まる午後2時にはあまり光が当たりません。

 道路からアプローチし、建物に入っていきます。

 道路側から見ると分からないのですが、この上部は空が見えます。

 屋根がないのです。

 その部分を2階から見下ろすと、このようになっています。

 現在まだ床はありませんが、グレーチングを取り付けると光庭となります。

 光庭を2階廊下からみると、正方形の窓越しに光が漏れているのが分かります。
 

 1階の階段から見上げると、1階廊下にも光を落としているのが伝わるでしょうか。

 バルコニーであり、光庭であり、アプローチの明かり取りであり、1階の廊下の間接照明。1粒で4度美味しいのです。

 これだけ複雑な形にすると、相応のコストも掛かりますが、東面の光環境を考えると、これが最善の案と考え提案しました。
 

 反対に、平屋棟は南を向くのでかなり恵まれた条件です。


 

 メインの開口をL字に取り、奥深くまで光を送る為のハイサイドを加えました。

 

 更に、最も深い位置に光を落とすトップライトも。

 屋根上から見ると、こうなっています。

 

 この屋根の反射光も、2階の個室へ光を届ける役割をはたしています。

 光と風をいかに建物内に届けるかが、全ての計画のスタートになります。

 それを、クライアントのパーソナリティと照らし合わせてブラッシュアップして行くのが私の設計手法です。

 30代前半までは、ファーストプランに辿り着くまでかなり悩み、時間が掛かりました。

 今も簡単にでてこないことはありますが、それは法規面であったり、コスト面であったりすることが多いのです。

 それで、以前は何に悩んでいたんだろうと思うことがあります。

 しっかり敷地を見て、あとは明るく前向きに。素直に考えれば答えは必ず見つかるはずなのに。

 ただ、完成時に4度美味しいと思って貰えるかは、残り2ヵ月程の頑張りに掛かっています。

 宇宙を私がコントロールすることは出来ません。宇宙のリズム、原則を受け入れることから全ては始まるのだと思っているのです。

文責:守谷 昌紀

■■■12月28日発売『suumoリフォーム(関西版)』にインタビュー記事掲載

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