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「THE LONGING HOUSE 」‐4‐PC板素敵

 建物を建てるためには最低4m幅の道路に、2m以上接している必要と法が定めています。

 これを接道義務と言います。

 「The Longing House」の接道は東側。

 Tの足先が、僅かに接しているという感じです。

 北を見ると、この敷地が住宅地に囲まれていることが良く分かります。

 Tの頭側。西側隣地が一段高くなっています。

 ここにどういった対処をするかは、計画開始時からの課題でした。

 どういった提案をし、どういった苦労があったか。

 そして柱を建てる所ことになった経緯は、前々回に詳しく書きました。

 外構計画の目玉。

 ようやく柱の間にPC板が設置されました。

PC=プレキャスト・コンクリート

 読んで字のごとく、工場で生産された鉄筋コンクリートです。

 工場で作るため条件をコントロールしやすく、安定した品質が確保できるとされています。

 言わば、工場生まれの打ち放しコンクリート板。

 コンクリート素地の肌合いは滑らかで、何とも素敵なのです。

 今回のPC板は1枚が約600kg。下部には少し隙間を開けています。

 理由はまた書くのですが、現在は仮置きの状態で24cmあります。

 最終的には、これをもう少し狭めるのです。

 監督から「大きな木槌で、だるま落としみたいに抜きますか!」という冗談も出ました。

 実際には3枚乗っているので1.8tonあるのでそれは無理。

 じわじわと下げて行き、どこかで止めなければなりません。

 その工法を聞いて、なるほどと思いました。

 「初めての事ばかりなので、さぐりさぐりやってます」と言っていたのですが、そのストーリーがこの塀を、全く違う次元へと導いてくれるのです。

 これは前回の帰り道。阪神高速池田線から見える、大阪湾に沈む夕日です。

 昨日から環状線南行き10日間通行止めで、下道で会社まで戻りました。

 普段よりも混んでいたのだと思いますが、普段なら30分の道程が2時間弱掛かりました。

 当たり前にあるものが無くなった時、初めてその価値が分かるものです。

 心しておかなければと思ったのです。

文責:守谷 昌紀

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