「阿倍野の長屋」‐1‐5段の距離がいいと思うんです

 2013年の3月。

 「大阪の住まい力アップ:第1回リフォーム・リノベーションコンクール」で「住之江の元長屋」が、最優秀賞を受賞した。

 イベントの一環で、オープンハウスを開催することになったのが、その年の9月。

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 結構な雨の中、夫妻は小さなお子さん2人を連れて現地に見えた。

 ご主人のお母様も一緒に来られ、その5名が「松虫の長屋」の住人である。

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 屋根上からハルカスが見えるこの地域は、古くからの住宅地で、密集している。

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 築44年、四軒長屋の中央二棟をリノベーションして住んでおられた。


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 光を求め、塔屋ができ、洗濯干し場が屋根上に出来る。非常に良く乾くはずだ。

 その洗濯干しは残しつつも、家の中を明るくしたいという相談だった。洗濯干し場は、いつも重要な課題なのだ。

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 北側道路を挟んだお向かいは、外壁が白で良い反射光を提供してくれる。

 これを活かさない手はないが、十分ではない。

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 大きく環境を変えようとするなら、屋根上部分から直接の光を取り込む必要がある。今回は2階に大きな光庭をとるプランを考えた。

 ご主人のお母様と同居になる奥さんが、その距離感を「5段くらいが丁度良いのでは」と言った。

 近すぎず遠すぎずという意味だが、絶妙の距離感だと感じる。

 連棟の中央に光をとりこみ、5段の距離がいい家。

 これが「松虫の長屋」のメインテーマである。

文責:守谷 昌紀

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【News】
■webマガジン『homify』12月15日に「Ohana」掲載
『大改造!!劇的ビフォーアフター』9月20日に「住之江の元長屋」再放送

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