現場監督のMさんから、写真が送られてきました。
離れている分、いつも写真を心待ちにしています。
建て方が終わり、外部合板貼りが終わりました。
サッシ取り付け用の下地も出来上がっています。
次に現場へ行くタイミングは、内部のコンセント、スイッチなどの取り付け位置の確認の際。
そろそろクラアントと日程の調整をしなければなりません。
今日は8月6日で月初と言えますが、月末月初の仕事として、出来高の査定があります。
建て主と施工会社が契約する際には、その工事代の支払方法を決定しなければなりません。
当事務所が積極的に勧めているのが、タイトルにある「月末出来高翌月80%払い」です。
例えば「4月の工事が100万円分終わった」と、施工会社から報告があったとします。
これを私達が、報告通り終わったかをまず確認します。
それが確認できれば、100万円の80%を5月に建て主に請求できるというシステムです。
緑色が施工会社からの報告、赤が私達の査定です。完全に一致しました。
ちなみに残った20%は翌月に合わせて請求できます。
これらの査定が終われば請求書が一旦当事務所に送られてきます。
この請求金額を承認しましたと、押印し施工会社を送り返します。
これを建て主に送り、正式な請求となります。
出来上がったものに対しての8割分を支払い、振り込みが5月15日だったとすると、更に工事は進んでいます。
もし施工会社になにか不測の事態があったとしても、建て主のリスクは最小限に出来ると考えているのです。
それなら、完成時一括払いが一番良いことになりますが、これは施工会社が工事中、各業者への支払を工面するために借入が必要になるかもしれません。
このようなプラスアッルファは見積りに反映される可能性があるので、健全な経営状態の施工会社が納得できる条件を探ったのが、この方法なのです。
最も、ローンの関係で銀行が従来からの風習である、着工時1/3、棟上げ時1/3、完成時1/3のような条件を求めてくる場合もありますから、いつもこの方法ではないのですが。
現在は、競争見積り参加の打診をする際に、この条件を書面で明示したうえで、参加、不参加を問うています。
当初この支払方法を導入した際には「厳しい」「有難い」と施工会社からの反応はまちまちでした。
そこで学んだのは、答えは見る方向によって変わるという当たり前の原則。施工会社を信用していないのではありませんが、設計者にとって建て主の保護は第一の目的なのです。
文責:守谷 昌紀