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家事動線がコンパクトな「白のコートハウス」‐3‐徹底的に静かを目指す

 現場での打合せは、概ね2週間に一度行います。

 前回は9月の始めで、この時は大所帯で訪れました。

 スイッチ、コンセントの位置を決めるのに、型紙を貼っていくからです。

 施工会社からは監督ともう1人、電気工事の担当者に、当社からは2人。

 加えて、オープンデスク生も連れて行きました。

 この打合せは、電気などの配線の前で、しかも壁を塞ぐ前に行います。

 よって、タイミングが限られます。

 昨日訪れると、すでに壁の前面に繊維状のシートが張られていました。

 そこに小さな穴を開け、断熱材を吹き込んでいくのですが、1階はすで施工が終わっていました。

 断熱材は古紙を粉砕したもので、「セルロースファイバー」といいます。

 断熱性能とともに遮音性能が優れているのです。

 一般的な断熱材よりは高くなりますが、静かな環境を求める人には合った工法なのです。

 コートハウスなので、開口部は全て中庭に向いています。

 閑静な住宅街のうえ、この工法を用いているので、かなり静かな室内環境になるでしょう。

 環境、プラン、性能がかみあってこそ、それらは実現できるのです。

文責:守谷 昌紀

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建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日

「中庭のある無垢な珪藻土の家」‐5‐仕事は仕事を超えてこそ、仕事として続く

 遅ればせながら、現場に当社の横断幕をあげました。

01

 手前に停まっているトラックは、断熱材を吹き込む機械が積んであります。

02

 玄関框(がまち)は、無節の檜。なかなか立派な材です。

 こちらの家は、無垢、嘘のないということが、重要なコンセプトになっているのです。

03 - コピー

 クライアントには、先週末、今週末と続けて現場に足を運んでもらいました。

04

 先週との違いは、間柱に繊維状のシートが張りつけられている点。

05

 外壁との隙間に、セルロースファイバーという新聞紙からできた断熱材を吹き込んでいきます。

07

 一般的なグラスウールより金額は張りますが、健康によい、音が静かなどのメリットがあり、今回実現に至りました。

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 前に停まっていたトラックの荷台に、撹拌し送り出すコンプレッサーが積まれています。

 職長に「いつもより多めにね」と冗談を言うと「入れすぎるのも、効果が落ちるんですよ」と諫められました。

 失礼いたしました。

11

 敷地に合わせたフォルムは、バルコニーにも見てとれます。

13

 建ぺい率いっぱいに、かつ機能的で美しく。

15のコピー

 そこから上を見上げると、ちょうど屋根の施工中でした。

 今回、屋根材はブルーを選択しています。

 屋根上の職人に声をかけると、幾分誇らしげに応えてくれました。

 そう、ここは人生における舞台です。

 職人の人達がお子さんと近所を通っ時、「お父さんが仕事をした家を見に行くか」と言ってもらえるよう仕事をしたいと思っています。

 単価通りの仕事なら、単価通りの家しかできません。

 仕事は仕事を超えてこそ、仕事として続いていくのだと思っています。

文責:守谷 昌紀

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