木曜日の昼から「取り扱い説明」、いわゆる「取説」でした。
引渡し前に、キッチン、ガス給湯器などの担当者が順に現場を訪れます。

キッチン担当は、少し早めに来て準備中。
この住宅のメインコンセプトは「家事動線がコンパクト」。
キッチンとダイニングテーブルは横並びなので、動線は最短です。

階段の向こうにあるのは洗濯室。
洗濯機は引っ越し時に据えられますが、その上にあるのは簡易アイロン台です。

洗濯室からは脱衣室、洗面へとアプローチできます。

エントランスからの並びは、シューズクローゼット、クローゼット、洗面、脱衣室、浴室。
脱衣室は洗濯室とつながり、洗濯室とキッチンがつながります。
更に全てに廊下からもアプローチできるのです。

そうこうしているうちに奥さんがみえ、説明が始まりました。
正面に見えるのは中庭。
コートハウスはやはり光が優しい。

6畳ほどの空間ですが、2階の窓から1階とコンタクトできるようになっています。
奥にあるのは当面は土遊び場、将来は緑を植える予定です。

中庭は2階においても価値があります。

1、2階ともですが、全ての部屋が中庭に向いて開いているので、完全にプライバシーが守られています。

こちらの住宅の公開は現場まで、よって今回が最後。
これもストーリーの1つなのです。
文責:守谷 昌紀
◆メディア掲載情報
◇一級建築士事務所 アトリエ m◇
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記
敷地は閑静な住宅街で、近くにコンビニもない。
この便利で忙しない時代、静かさは何にも代えがたいということがわかる。
息を止めては大げさでも、見ず知らずの人が歩けば、周囲からの視線を気にすることになるだろう。

金額調整も終え、6月から本格的に工事はスタートした。
配筋検査を終えると、建物と敷地の関係がよく分かる。
特徴は、何といっても6畳ほどの中庭だ。

この建物は、外には完全に閉じている。

そして全ての部屋がこの中庭に開いている。
コートハウスも、L型、コの字型とバリエーションがあるが、ロの字のコートハウスは、最も大きな敷地を必要とする。
反対のいい方をすれば、各部屋へのアプローチを要するため、面積効率が悪いともいえるのだ。

夫妻は共働きで大変に忙しい。
その中で、家事動線を限りなくコンパクトに、そして気楽に開ける屋外を求めた結果、このプランに行き着いたのだ。
家事動線については、奥さんと細に入り打合せをした。
とてもコンパクトで、スムーズな動線になったと自負している。

プライバシーが保たれ、家族だけの空がある家。
ミニマルな箱の中に、豊かな空間を生み出したいと思う。

文責:守谷 昌紀
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建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日
1996年、25歳の時に生まれ育った大阪に設計事務所を設立しました。関西を中心に、東京、長野まで、注文住宅、クリニック、別荘、店舗、オフィス、保育園と、直接依頼頂いたクライアントにおよそ100件の作品を持たせて貰いました。 形態も新築、リノベーション、コンバージョンと様々で、 物づくりの現場より面白い所を私は知りません。ダイナミックな現場を、動画を交えてあますところなくお伝えします。