12月に入りました。この計画も竣工まで残すところあと2ヶ月。
計画名の通り、家の中が楽しい空間になるように設計したのですが、もちろん外観にもこだわっています。
屋根勾配は左右で違い、更に棟(屋根の一番高い部分)の高さが、正面より裏側の方が低いのです。
屋根のラインが、山並みのように柔らかで、見る方向によって、違う勾配を持たせたかったのです。
加えて、1階の平面も南へ開く、「へ」の字型のプランとなっています。
では、それによって構造体にどんな事が起こっているか。
全ての柱の長さが変わり、直交しない梁が多く出てくるのです。
これらの加工は、工場では出来ず、現場で大工の手加工によって、納められました。
屋根の高低差を活かし、ロフトも設けています。
手刻みの出来る大工が減っているという声を、良く現場でも耳にします。
出来るだけ工場で加工しておけば、工期も短縮でき、ミスも減るのですが、やはり出るだけ人の手が加わって欲しいと思うのです。
それでこそ、職人という仕事に皆が敬意を持ち、物づくりの楽しさ、やりがいを伝える事が出来ると思うのです。
現場では、審査機関の中間検査も終了しました。
これからは仕上げ、納り等の詳細を詰めて行きます。
出来上がった時、柔らかな稜線のような形となっているか。楽しみにしています。
文責:守谷 昌紀