昨年から今年にかけて、現場では「人手不足」との声ばかり。
消費製UPによる建築ラッシュの影響ですが、この現場の棟梁はこの道40年のベテランです。
これまで3件の家を一緒に建てました。
見ていても仕事が早い、かつ丁寧。監督が、棟梁のスケジュールを抑えてくれたようです。
最後に残った、木製ルーバーの納まりを相談する棟梁。
ビスの長さ、を打つ角度まで、私に説明してくれます。
内部はほぼ完成しました。
バルコニーに取り付く、そのルーバーを残すのみになりました。
ご主人は大変喜んでくれたのですが、奥さんはこの日仕事でした。
その奥さんたっての要望だった「男前なキッチン」。
ステンレスに特化したTOYOキッチンと、人工大理石のカウンターで囲まれた主婦の城です。
その上には、ご主人の隠れ家。
ジョブズは亡くなる半年前、オバマ大統領に経済回復の処方箋を聞かれこう答えました。
「3万人のエンジニアが必要です。博士号はいりません。天才である必要もありません。熟練のエンジニアが必要です」
現場を支えるのは、常に熟練の技術者です。しかし物創りの現場から、若者が減っていく傾向は顕著です。
天才である必要はない。ただひた向きに仕事に打ち込めば良い。
逆に言えば、自分が特別な人間でないと分かることが、熟練への条件と言えるのです。
文責:守谷 昌紀