2階建て以上の建物にとって、階段は大変重要な部分です。
上下の階を繋ぐ動線という機能を満足し、有効巾、蹴上げ、蹴込みの寸法、手摺の高さ等々、全てのサイズが適切でなければなりません。
かつ美しく。
R状になったエントランスホールに、ようやく階段の下地がつきました。
平面的、断面的にも非常に複雑で、鉄工所も苦労をしていました。
しかし、注がれたエネルギーは嘘をつかないものです。
見下ろした時も、柔らかなRがとても優しい感じに仕上がっています。
上下の動線には、天井高さにも細心の注意が必要です。
2階から3階への階段はこの部分を曲面に仕上げました。
3階まで上がると、南の開口から深くまで光が差し込む感じがよく分かります。
手摺が付けばこの空間もほぼ完成です。
竣工が迫る現場は、多くの職人にあふれ活気に満ちています。
てんてこ舞いの忙しさですが、ネコ車でコンクリートを運ぶ姿にも微笑ましささえ感じるのです。
バルコニーの床は半透明のグレーチングが敷かれました。
ここからは詰めの段階。この先の頑張りいかんで、建物は大きく変わります。
文責:守谷 昌紀