「サンルームと吹抜のある家」-3-湿式柱状改良

 住宅瑕疵保険、加入の義務付けは一昨年の10月のこと。

 それに伴い、構造計算が必要な建物は、地盤調査が必須となりました。

 この計画も、3階建にはやや耐力が足らず、地盤改良が必要となったのです。

 しかし、地中4.5mに固い地盤があることも分かり、湿式の柱状改良を実施することになったのです。

 地盤改良の方法は色々あります。

 湿式の柱状改良は住宅の場合最も一般的な工法と言えます。

 今回は基礎下に60cmの直径で4.5m、29本箇所です。

 まずは注入するセメントミルク分の土を取り除きます。

 それから設計深さ4.5mまで掘り進み、セメントミルクを注入。それを土と撹拌するのです。
 

 セメントが硬化すると、直径60cmのコンクリートの杭が29本、4.5mまで埋まっている格好になるのです。

 これは既成のコンクリート杭や鉄杭を打ち込むのと比べると、騒音、重機の大きさ、などにメリットがあります。

 保険の義務付け後、地盤改良会社の競争も当然激しくなりました。

 健全な競争の下、適正な金額を提示できる会社だけが、リーズナブルな利益を積み重ね、存続できるのは、どんなジャンルでも同じ。

 地盤改良は本当に安くなりました。
 
 言うは簡単ですが、各企業のたゆまぬ創意工夫が、これらを実現したと言えるのです。

文責:守谷 昌紀

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