タグ別アーカイブ: RC打放し、コンクリート、大阪、建築家

「高台の家 RC打放しの家」‐8‐答え合わせ

 ようやく足場がとれました。

 初めて建物の全容を見る時、緊張もありますが、やはり心躍ります。

15 - コピー - コピー16 - コピー - コピー17 - コピー - コピー

 西側道路を下りながら、全体を確認。

 敷地を読み解けていたのか。自分達の提案は正しかったのか。答え合わせをするような感覚でしょうか。

18 - コピー - コピー - 2

 季節によって、太陽高度、日の出、日の入りの位置は正確に分かります。

 冬は取り込み、夏はそれらをいかに防ぐか。

 代わらぬテーマですが、この家は内外コンクイリート打放しの為、特にそれらが需要だと考えました。

21 - コピー - コピー

 正面の西側は閉じ、メインの空間は南に開いています。

 1階はダイニングキッチン。

 キッチン設置の前ですが、床材が貼られ、空間の雰囲気が出来上がってきました。

27 - コピー - コピー

 2階はP室と呼ぶ部屋。こちらは広いバルコニーと、深い庇に囲まれています。

 P室の「P」に深い意味はありません。空を見上げたり、雨を眺めたりする、余白の部屋なのです。

25 - コピー - コピー

 バルコニーのコーナーには開口を切ってあります。

29 - コピー - コピー

 南の隣家を気にせず、南東に広がる大阪平野を見下ろす為のものですが、 紅葉した桜が、季節を視覚で感じさせてくれるのです。

12 - コピー - コピー

 この敷地は、東にも道路がありますが、4mの高低差があります。

14 - コピー - コピー

 クライアントは坂のある街を探し、この土地を選びました。住まい手が求める景色、風景とは。

 それらを感じ、実現する為に、設計という仕事があるはずです。

 「本当にかっこいいですね」と何度も言ってもらいました。私もそう思います。

 残すは外構工事のみ。建物外の部分でありながら、街に一番近いのが外構工事。最後の総仕上げとも言えます。

 建築とは、クライアントとの共同作業です。思いのずれがなければ、失敗はないはずです。

文責:守谷 昌紀

メディア掲載情報

◇一級建築士事務所 アトリエ m◇
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記

「高台の家 RC打放しの家」‐7‐やっぱり青空が良くにあう

■10月10日(土) 3:30pm~6:00pm 京都BAL 地下2階
丸善<京都本店>にて
「無料相談会」に参加■

 前回、打放しは雨もいいと書きました。

11 - コピー

 しかし、青空は尚いい。

 僅かですが、上部が見えるようになりました。

12 - コピー

 10月初旬、1階ダイニング・キッチンの奥深くまで光が差し込んでいます。 

 左手にある階段を上ると、2階には「P室」と名づけられた、部屋につながります。

15 - コピー

 ル・コルビジェは「建築それは陽光のもとでの形態の正確かつ壮麗なるたわむれ」と言いました。

 秋の陽光が、壁、天井とたわむれているのです。

17 - コピー

 2階にある「P室」は、目的が明確な部屋ではありません。

 本を読んだり、光が壁に当たる様を眺めたりする部屋。いわば余白です。

19 - コピー

 余白は、更に外部の余白と深い庇でつながっています。

 日本建築で言う、縁側にあたる空間なのです。

21 - コピー

 現在は足場があるので、屋根上にも上がって来ました。

23 - コピー

 梅田の高層ビル群、阿倍野のハルカス、空気が澄んでいる日は、りんくうゲートタワーまで見えるそうです。

 簡単に、1時間位は経ってしまいそうな景色でした。

29 - コピー

 正面は西側ですが、階段のある東側は3mから4mの擁壁になっています。

 こちらの姿も、なかなか刺激的なものになるはず。足場が取れるのは、11月中盤あたりでしょうか。

 晩秋の陽光とたわむれる姿を、心待ちにしているのです。

文責:守谷 昌紀

メディア掲載情報

◇一級建築士事務所 アトリエ m◇
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記

27 - コピー

「高台の家 RC打放しの家」‐4‐コンクリートがプリンなら、型枠はカップ

 8月8日(土)、鉄筋の本数などをチェックする配筋検査に行きました。

00

 高台の家は、西に高低差のある敷地にあり、南西の景色が素晴らしい家です。

03 - コピー

 現場が盆休みに入る前、1階のコンクリートを打設しました。

04

 それから1週間。8月19日(水)に、クライアントと現地へ行ってきました。

 壁の型枠が外れ、徐々に躯体があらわになって行きます。

19 - コピー

 まだ水分が残るこの時期は、やや黒っぽいのが特徴。やはり打放しは美しいものです。

 クライアントも打ち上がりに満足してくれました。

05 - コピー

 コンクリートをプリンとするなら、そのカップを現場で作ってしまうのが、型枠大工の仕事です。

06

 プリンが固まれば、そのカップは不要となり、取り壊される運命にあります。

 型枠は、非常に短い期間この世に存在し、自分達が作った訳ではない、プリン側が残ることになります。

 型枠は一瞬の芸術なのです。
13

 その一瞬の芸術に、情熱を注げるか。

 コンクリート打放しは、型枠大工の熟練度、熱意に大きく左右されるのです。

 奥に座るのは、棟梁のお父さん。

 「コンクリート打放しは毎回毎回ワクワクしますなあ~」と。

 そんな言葉を聞き、成功は間違いないと確信するのです。

09 - コピー

 西の道路との高低差は3~4m。

 擁壁ギリギリに階段はあります。

10

 設計者が考えることは、大体が、めんどう、大変、やり難いことばかり。

 そんなことを、遣り甲斐に置き換えてくれる職人と仕事が出来た時、計画の成功を確信します。

 完成したら、こちらのからの景色は圧巻のはず。きっと、こわもての棟梁も喜んでくれるはず。

文責:守谷 昌紀

メディア掲載情報

◇一級建築士事務所 アトリエ m◇
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日記