タグ別アーカイブ: 建築家

「Shabby House」-13-素焼きレンガ

 外壁のレンガ貼りが進んでいます。

 最上部、コーナー部から貼り進めて行きます。

 面が構成されると、随分迫力が出てきました。

 振動を与えながら圧着しますが、全てを貼り終えると、今度は目地を埋めます。

 このレンガは厚みがあるので、目地底が深くなるようリクエストしました。

 そのほうが、より質感が伝わるのです。

 リビング・ダイニングのある2階は、奥がキッチン。

 部材が届き、ごった返していますが、追い込みの感じがでてきました。

 近くにある路面電車の駅は、撮影にも使われるようです。

 静かな街に、よく似合います。

 街この家があると、どんな風景になるのか。

 それを思いながらここまで計画を進めて来ました。

文責:守谷 昌紀
建築家 / 大阪  一級建築士事務所 アトリエm

「Shabby House」-12-スチールサッシ取付け

11月も後半に入り、現場はかなり寒くなってきました。クライアントと現場で打合せでしたが、ご主人はいつも薄着なのです。

ある人に、厚着しすぎると人本来の強さを損ない、基礎体温が下がってしまうと聞きました。

これは納得できるので、私はちょっと反省しています。

レンガの下地に続いて、スチールサッシが付き始めました。

木造用サッシは柱、間柱、マグサなどに付けますが、スチールサッシは丸鋼に溶接します。

レーザーの水平機で、垂直を調整しながらの作業。

建築現場では垂直のことを「立ち」、垂直を「矩手(かねて)」と言います。

屋上をのぞくと、まさに夕日が沈むところ。

寒く、暑く、埃っぽかったりしますが、やはり現場には何かがあります。

文責:守谷 昌紀

建築家 / 大阪  一級建築士事務所 アトリエm

「Shabby House」-11-設備位置と家具

スイッチやコンセントの位置確認が終わった「Shabby House」。

アルミ製サッシの枠もつき、空間の大枠が出来上がって来ました。

設備関係の位置決めは、現場で型紙を貼るのにこだわっています。

壁が出来上がったあとに、決定出来ればよいのですが、設備の配線は壁を閉じる前に済ませる必要があります。

それで、どうしてもこのタイミングになるのです。

この方法を取り入れてからか、完璧とは言えないまでも、かなり精度が上がったと思います。

それでも出来上がってみないと分からないのが空間で、そこが面白くもあり、難しいところ。

正面はは素焼きのレンガ貼りで、下地の準備が進んでいます。

このレンガも粗面にこだわりました。先日このメーカーに寄ってきました。

大阪市役所のすぐ北、大江橋の北にある大江ビルというレトロな建物に入居しているのです。

社長とは初めて会ったのですが、商品と人物がかぶるほど、素朴な人で立ち寄って良かったと思えたのです。

現場は、内部仕上げから家具工事へと移って行きますが、家具は数点が名古屋の家具会社が制作したものを建築工事で取り付けます。

その家具は、非常に造りこまれており、クライアントが大変に気に入っているのです。その出来上がりは流石のものでした。

高価な一点ものなので、取り付けの失敗は許されません。正直言えば出来れば避けたいところかもしれません。

しかし、それを超えて行くことで私達、施工会社の存在価値があると思うのです。

文責:守谷 昌紀

建築家 / 大阪  一級建築士事務所 アトリエm

「Shabby House」-10-白

寒かった10月に比べると、やや暖かい11月。今日も雨が降りそうな微妙な天気でした。

不足気味の断熱材も何とか確保でき、現場はいよいよ追い込みに入ります。

サッシの取り付けがなかなか進まず、心配をかけています。

外部建具は、住宅用アルミサッシ、ビル用アルミサッシ、スチールサッシの3種類があります。

アルミサッシは、メーカーを指定しています。その理由は、白が白かったからなのです。建築の素材で使われる白は、ベージュに近いものがほとんど。

理由はいろいろ考えられますが「白は汚れが目立つ」ということでしょうか。

アルミサッシの白も、その理由で使ったことがなかったのですが、このメーカーの白は実に気持ちの良い白。外壁との対比が効くと考えています。

白は白であるべきと考えているのです。

心配を少しでも取り除く為には、一人一人がベストを尽くすのみ。

この敷地は、東側接道です。

しかし、南側の建物が少し離れていて、非常に良い条件なのです。

最も条件が良いのは子供部屋。

ご家族に喜んで貰えるかは、この1ヶ月にかかっています。

文責:守谷 昌紀

建築家 / 大阪  一級建築士事務所 アトリエm

「Shabby House」-9-冒険1

建方検査から随分時間が空いてしまいました。

正面側の開口部がスチールサッシで、時間を掛けて検討していました。

空はすっかり秋の装い。

内部間仕切りも出来上がってきました。

間仕切り壁も木造でなく、軽量鉄骨下地です。

2階の奥にあるこの入り口。かなり小さいです。

3階の寝室からは光庭を通して、空が見えるのです。

繰り返し検討した、ファサードのプロポーション。

こげ茶のレンガに連続する白い窓。窓の部材も実際の寸法に合わせてあります。

スチールの白いサッシが冒険1です。

文責:守谷 昌紀

建築家 / 大阪  一級建築士事務所 アトリエm

「Shabby House」-8-建方検査

朝から審査機関による、建方検査が行われました。

建築基準法の検査は2階の床までですが、住宅かし保険では3階の床までチェックします。

審査機関の担当者、現場監督と継手や溶接箇所、デッキの確認をしました。

柱や梁のサイズ等は、部材リストに明記している寸法でチェックをします。

建方検査は追加書類の提出を済ませ、合格しました。

3階には、先日の上棟式の御幣が。

手前の開口部は、各部屋と繋がる光庭。

1階まで光を通します。

文責:田辺 幸香
建築家 / 大阪  一級建築士事務所 アトリエm

「Shabby House」-7-上棟式とお酒

8月10日は大安。上棟式を迎えました。

上棟式には様々な形式があります。

今回はクライアントに御幣へ記名して貰いました。

その間、奥さんと「最近、ペンで書く機会って減りましたよね」などと四方山話を。

ご主人は本当に達筆で、正直驚きました。

私の字は、事務所内でも「読めない!」と言われるくらいで、ちょっと反省したのです。

鉄工所の専務が、3階へ御幣を上げてくれます。

こんな時、現場の人は勇ましく見えるのです。

四隅にお酒をまいて頂き、最後に乾杯。

無事、式典を終えたのです。

私たちに、お土産まで頂きました。

その中に、日本酒の小瓶が。以下はクライアントからのメールです。

一つだけおまけの話で、本日のお酒のことです。

福井の「梵(ぼん)」というブランドのお酒なのですが、天皇御用達とかJALのファーストクラスとか、松井やイチローが節目の記念の時に飲んだとか、その類のエピソードがいくつ もあるくらい高級な酒を造っている蔵元のお酒です。

今回ここのお酒を選んだ理由は

①この位の小瓶になると、あまりいいお酒が入っていないので困るのですが、お勧めできるものである(大前提)→よく冷やして飲んでください

②知り合いの佐野屋酒店さんで取り扱いしている。

③そして何よりも重要なのが名前でした

佐野さんのコメントを借りると

『梵(ぼん:BORN)とはサンスクリット語で「けがれなき清浄」「真理をつく」と訳される言葉で、もう1つの読み方のBORNでは「誕生」「創造」を意味します。』とのこと。
新しい家ができるのはぴったりかなと思っただけです。

よく冷やして頂きました。果実のような香りで飲みやすく、後味もしっかり。大変美味しかったです。

こちらのご主人は、仕込みの時期、2月頃になると、日本酒の酒蔵を訪ねて回ります。そのくらい、日本酒にこだわりを持っているのです。

コンセプトは1回目に書いたのですが、その前から有ったキーワードは「パリのアパルトマンと酒部屋のある家」でした。

「Shabby House」には酒部屋があるのです。

文責:守谷 昌紀
建築家 / 大阪  一級建築士事務所 アトリエm

「Shabby House」-6-建方

昨日から建方工事が始まりました。

足場組もあり、現場はごった返しています。

3人の職人が、2階の梁上でボルト締をしていました。

一番高い所は、9.2mです。

最も大きな梁の背は25㎝。

ボルトの本数等は、それぞれに決まっています。

柱は全て20㎝角。

柱却は4本のアンカーボルトで筋結されているのです。

デーンという感じで、柱と梁が建ちあがりました。

左端の隅に柱は無いのです。

文責:田辺 幸香
建築家 / 大阪  一級建築士事務所 アトリエm

「Shabby House」-5-受入検査

梅雨明け以来、晴天が続きます。

朝からコンクリートの受入検査に行ってきました。

今日は基礎部分の打設です。

生コンが届くまで、ポンプ車のホース位置を調整したり、コンクリートを均すトンボを作っていました。

ミキサー車が到着したら、まず試験用の生コンを準備します。

スランプの計測(軟らかさを示す数値)は、15±2.5cm内でクリア。

空気量も4.5±1.5%の規定量です。

カンタブという試験紙で、塩化物量を測定しました。

塩分量が多い場合、鉄筋を腐食させてしまいます。

強度試験を行う試験体は合計6本、1週間後と4週間後用です。

夏場は気温が高く、打設面の温度も高くなってしまうので、湿らす程度の水をまきながら進めます。

ホースの側でバイブレーターを使って生コンを流し、その後をトンボやコテで均していきました。

基礎が立ち上がり、建物の形が現れ始めるのです。

文責:田辺 幸香
建築家 / 大阪  一級建築士事務所 アトリエm

「Shabby House」-4-配筋検査

着工が月6日なので、2週間で基礎の配筋工事まで進みました。

今日は審査機関の中間検査。

クライアントのお子さんが、近くの保育園に通っており、ご夫妻で現場をのぞいてくれました。

基礎の底は、底版とかベースとか言います。

検査員から、ベースの被りが(コンクリート面と鉄筋の距離)大きくなりすぎないよう、指摘がありました。

すぐに改善して、一回目の中間検査は合格。

この土地に出会うまで、2年間探したそうです。

住みたいエリア、街を絞り、2008年に購入。そこから設計事務所を探すのにもう1年。

それだけあって、駅も近く、大きな公園があるのに、静かな街です。

池のある公園に、大きな鳥が居ました。何という鳥でしょうか。

どこの池にも一様に「釣り禁止」の立て札。

危険も含めて、自然と深く係わってこそ、その良さが分かるはずです。

管理責任も分かりますが、水都・大阪の面子を掛けて、何とかならないものでしょうか。

何とかしたい気がします。

文責:守谷 昌紀
建築家 / 大阪  一級建築士事務所 アトリエm