ようやく上棟を迎えた「滋賀の家」。
北に立つ「離れ」にはお母様が居住します。夏の西日が厳しいと聞いていました。
開口部が南西方向を向いているのです。
離れとの関係性を保ちつつ、新たな母屋は、45度振りました。開口部を、真南に向かって開くためです。
更に、西に張り出しがあるため、夏の西日が入らないプランになっています。
冬の日の入は、真西から約30度南によった位置になります。
よって、秋から冬にかけては、夕方になってもさほど光を遮らないのです。
上部は吹抜け。高い位置に、ハイサドを設けています。
これも、庇と合わせ、光をコントロールします。
棟梁が屋根に上がり、下地を張っているところでした。東の木々は、10mを超えているでしょうか。
敷地の緯度が分かれば、太陽の軌跡が分かります。そして、周辺環境を知ることで、自然の恩恵を最大限に引き出すことが出来る。
「幸せとは何か共に考える」
「敷地の特性を最大限引き出す」
この2つが両輪となり、設計は進んで行くのです。
文責:守谷 昌紀