「Shabby House」-2-地鎮祭

梅雨の合間に青空が広がりました。

初めてお会いしたのが昨年の4月。比較的ゆっくり進めさせて頂いたこともあり、設計と見積調整に1年3ヵ月掛かってしまいました。

ようやくこの日を迎えることが出来ました。

クライアント、施工会社、私たちで神社へお参りしました。

着工にあたってのご祈祷をお願いしていたのですが、神主さんは「境内の中の家」のクライアント。

敷地の氏神がこちらだったのです。

拝殿は涼しく、ご祈祷の最中も気持ち良い風が入って来ました。

1歳7ヶ月のお子さんも、興味を持ってその儀式を見ていたのです。

滞りなく式典が終了すると、ご挨拶もそこそこに現地へ向かいました。

ご家族で四隅に日本酒をまいて頂きました。

その後、ご近所へ挨拶回りに。

11月下旬の竣工を目指して、いよいよ工事が始まります。

文責:守谷 昌紀

建築家 / 大阪  一級建築士事務所 アトリエm

「Shabby House」-1-プロローグ

「shabby」を英和辞典で調べると、「着古した」とか「ぼろぼろの」とかいう意味です。

ネイティブにも確認しましたが、決して前向きに使える言葉ではないとの事でした。

クライアントはこの言葉をインテリア用語としてwebサイトで見かけたそうです。

「良いものを大切に、長く使い、自然に古びて行く物の美しさ、心地よさ」というところでしょうか。その考え方に共感しました。

「それならこの言葉の認識が変わるくらい、コンセプトのはっきりした家を目指しましょう。そこも楽しんでしまいましょう」という話になったのです。

「Shabby House」

時が経つほど、愛情が増す、心地よくなる、愛しくなる、例えるなら古着のような……

そんな家を目指します。

サッカーの元日本代表監督、フィリップ・トルシエの言葉を借りるなら、私たちの冒険が今始まりました。

文責:守谷 昌紀

建築家 / 大阪  一級建築士事務所 アトリエm