建築工事の最中には、定例会議があります。
定期的に、設計事務所と現場監督、各工事の責任者が打ち合せするもので、本工事では、前半は当事務所で、後半は現場で開かれています。
現在は隔週、火曜日、現場にて。
完成予定日まで一ヶ月を切り、多くの職人で賑わってきました。
会議の机は2階の一番いい場所にありました。
1:30pmから3時間程、ここが私の職場です。
足場とシートが取れる日までもう少し。
文責:守谷 昌紀
クライアントには2週続けて、現場にお越し頂きました。
前回、時間が足りなかった、タオル掛けなどの位置を確認して貰います。
タオル掛けの位置は以外に難しいのです。
タオルを2つ折りにするとおよそ45cm。その性格上、洗面カウンターと干渉する場合が多くあります。
ご夫妻の身長差も加味して、今回は135cmを基準高さに設定しました。
これは内部の手摺の取り付け下地。
ガラスの手摺が付く場所ですが、隠れてしまうところで支持するので、ここが大事です。
同じく階段も、美しく仕上げようと思えば、見えない部分が重要です。
支える部材をササラと言いますが、一手間掛けるとそのモノ自体が美しくもあります。
隠れる部分でも、人が目にした時、美しいと感じることは大事です。
人の目は本能的に、安全、機能的など見分けると思うからです。
池の対岸は紅葉していました。
この眺めが、この土地にクライアントを導いたのです。
文責:守谷 昌紀
今日はクライアントに、現場でスイッチ、コンセント等の位置を確認して貰いました。
まだ壁も仕上がっていないところで、完成した姿を想像するのは、仕事にしている人間でも大変です。
今までも色々やってきましたが、結局、脚立、テープ、チョーク等、あるものを使って、何とかその大きさを再現するのが一番と考えるようになりました。
実際には、早い段階で仕込んでおきたい物もあります。
十分わかっていますが、この過程を踏んでからが最終決定で、その前に施工する場合は変更の可能性がある事を了承してもらいます。
フロアーコンセントも少し変更が出ました。しかし、床、壁、天井が仕上がってからよりはずっと対応しやすいのです。
現場にある木材などを積んで、カウンターの高さを決定し、付近のコンセント位置を決めました。
コンセント、スイッチなどは型紙を現場に貼りつけて、使い勝手を見て貰います。
朝10時から始めて、昼の1時半まで続けましたが、来週に持ち越したものも出ました。
クライアントには多くの時間を割いて頂きますが、「現場に来るのが楽しみ」と聞くと創り手としては嬉しい限りです。
大きな意味で、すでに建築としての概容は決まっていると言えます。しかし、家としての機能は、この辺りからの細かな打合せが大きく影響するのです。
現場は細かくて大変だと思いますが、ついて来て貰うよりほか無いのです。
文責:守谷 昌紀
鉄骨の骨組みが完成したら、次は外壁工事です。
壁内結露を防止する為に、外壁内に通気層を取るのベストです。
防水を担う透湿防水シートの上に縦桟を打ち付け、その上に仕上材を張るのです。
現在の住宅には、電気、電話、インターホン、LANケーブル等、壁内、天井裏には多くの配線が走ります。
それらの工事は当然ながら、外、内とも壁が出来る前に済ませます。
無いものをイメージしながら創って行く事は、簡単ではありませんが、そこがモノ創りの醍醐味かもしれません。
床には、壁の中心線、通り芯を墨出しします。
日本では、いまだに「墨壷」や「墨汁」を使いますが、外国ではどうしているんでしょうか。
外壁の下地にあたる、間柱が303mmピッチで入いると、今度はサッシの取り付けです。
この辺りまで来ると、クライアントも随分イメージし易くなると言います。
竣工予定日は12月中旬。残すところ1ヶ月半です。
遅れ気味なのがちょっと心配ですが。
文責:守谷 昌紀
1階、2階、屋上のスラブ(構造体としての床)が打ちあがりました。
スラブが無い部分は、階段か吹抜です。
今回は2階床に階段以外にも床の無い部分が有ります。
どうなるかは完成後にまた。
これからスラブ上に仕上げとしての床面を構成して行きますが、仕上げ面から1000mm上にマークが付いています。
壁の中央を走る通り芯も、非常に重要ですが工事になると隠れてしまいます。
その際も同じ考え方で、例えば1m離れたところに「逃げ墨」という線を記しておくのです。
1階床の下は空気が行き来できるよう、基礎パッキンという部材を置き、土台を20mmほど浮かします。
以前は、換気を取る為基礎を切り欠きましたが、今はこちらが主流です。
建築物は基礎の強度に大きく影響を受けます。この工法なら、強度を失わずに通風が取れるのです。
そろそろ木工事が始まります。
構造体は鉄骨ですが、大工工事が建築の良し悪しに大きく影響するのは今も昔も同じ。
大学生の頃、家業のガラス屋として現場に入っていました。
2人で大きなガラスを抱えていた時のこと。
邪魔になった道具箱が有ったので、足で脇に寄せました。すると「コラッ!何するんじゃっ!!」と怒声が。
棟梁(大工の親方)の道具箱だったのです。
もうそんな事はしませんが、カンナを見ると今でも良く思い出すのです。
文責:守谷 昌紀
2008/9/11より、現場日記を始める事にしました。
建築が創り上げられて行く過程をお届けしたいと思います。池を望む家の上棟式からスタートするので、ここまでの過程も過去の記事としてUPします。
先週末、上棟式がありました。
式の場合でもと、準備をしていましたが、クライアントの希望で「めったに会う機会のない、現場の人達とゆっくり食事を」ということになりました。
ご馳走を用意して頂き、食事会が始まりました。
建築には20種前後の職種が必要です。今回は、大工、鉄骨、電気、水道、左官そして工務店と私達が出席させて頂きました。
どんな方がクライアントで、どんな家族が暮らすのか。現場の方が、実際に会うのはとても良い事です。
ようやく暑さも一段落し、建ち上がったばかりの家には爽快な風が吹き抜けます。
大阪府の南部には、灌漑用のため池が多くあります。この敷地はそのほとりの高台にあるのです。
屋根の上に上がってみました。ちょっと危険ですが眺めは抜群です。
文責:守谷 昌紀
本日は建築確認申請の検査機関の中間検査がありました。
前回の基礎配筋検査に続き、第二回目。
検査機関の担当者が、図面通り施工されているか、順にチェックして回ります。
鉄骨の建物の場合は建方工事完了時に検査を受けます。
鉄骨の構造体が出来上がり、デッキプレートというコンクリートを流し込めば床になる鋼材を据え付けた時が検査時です。
鉄骨は概ね、梁部分に継ぎ目があります。
その部分に添える鉄板、締め付けるボルトのサイズ、数、締付ける強さ等が構造図によって指定されているのです。
今回も無事中間検査は合格しました。
溶接工が屋根部分のデッキプレートに流し込むコンクリートを止める鉄板を溶接していました。
床、屋根部分が出来上がれば構造体はほぼ完成です。
文責:守谷 昌紀
本日は確認審査機関による中間検査がありました。
以前、建築確認申請(建築物が建築基準法に合致しているかの事前審査)をする際は特定行政庁、いやゆる役所に申請していました。
しかし、民に出来ることは民にという考えで、民間の検査機関に委託できるようになりました。今回は民間の審査機関に申請しています。
概ね2ヵ月を掛けて書類審査に合格すると、今度は現場での検査です。
今回の現場検査は中間検査が2回、最後にある完了検査の計3回。
中間検査の1回目は基礎の鉄筋検査。図面通り施工されている事を確認してもらいます。
例えば、柱を固定するアンカーボルトは直径何mmの鉄筋で、直線部が何cm、曲がり部が何cmなど、細かく指定されています。
一番底で建物を支える基礎盤も短辺何cmピッチ、長辺何cmピッチ等と指定されています。
無事、中間検査に合格しました。次の中間検査は建方工事完了時。鉄骨の骨組みが出来上がった時です。
文責:守谷 昌紀