昨年の12月15日は最終の金額調整でした。本日1月9日は大安。無事契約に至りました。
年末に最終金額が決定し今日を迎えたのですが、私は大阪のため今回はスカイプで参加です。スカイプとは無料のインターネットテレビ電話のことです。
施工会社の社長には東京のクライアントの自宅へ行ってもらい、スカイプで私が説明をしながら、署名、押印と進行しました。
私の押印が必要なものは、前もって送ってあります。
着工は3月初旬。いよいよ始まるという感じです。
ここからは、契約について書いてみたいと思います。
文字が多く読み辛いかもしれませんが、興味のある方は読み進めてください。
ここでいう契約とは「建築工事請負契約」のこと。これとは別に「設計・工事監理委託業務請負契約」というものもあります。
後者は私たちのような建築士事務所と交わすもので、前者が施工会社と交わすもの。
施工者と設計者が一体の場合「設計・工事監理委託業務請負契約」はない場合がほとんどです。
今回の工事なら、当事務所の設計・監理の報酬は工事金額の10%なので、工事請負契約の額は10倍ということになります。
「工事請負契約」をクライアントがどのような条件で交わすかを提示するのは、私たちの大切な仕事なのです。特に、支払条件と、どのような約款を付けるかが重要で、施工会社へは競争見積りの参加を募る際に伝えておきます。
まず約款です。
俗に言う旧四会連合、正確には民間連合協定工事請負契約書。
この添付を条件にしています。これは公共工事などでも使われる、最も校正なものです。
この約款の添付は、法律で義務付けられている訳ではありません。よって、施工者側が自社で作成する約款を添付する場合もあります。
他の事をとやかく言う必要はないのですが、自分で作った約款が自分に厳しいとは考えにくいのです。
もう一つ重要なのが支払条件。以前は着工時に1/3、棟上げ時(躯体完成時)に1/3、竣工時に1/3が一般的でした。
当事務所が条件にしているのは、月末出来高翌月80%払いです。
具体的に言うと、4月の工事が100万円分出来上がったとしたら、翌月に80万円支払います。5月の工事が200万円分完成したとしたら、160万円と4月の残り20万円を合わせた180万円を支払うというものです。
出来上がっていないものに対しての支払いを無くし、更に20%分を持ち越していくという支払方法です。
万が一施工会社が倒産した場合、残工事を同額で施工してくれるとは考えにくく、クライアントの保護と施工会社が納得できるギリギリの線と考えています。
もし代理人的な設計者がいない場合でも、契約は納得できるまで説明を聞いてから、サインしなければなりません。目の前に契約書があっても、当然サインしない権利も持っているのですから。明確な説明がなければ、順延したって構わないのです。
知人にアドバイスを求められた時は、気になることと、聞きにくいことは全て聞いて下さいと伝えます。何せ大きなお金が動くのですから。
契約のポイントは約款と支払条件。不要なのは遠慮です。
文責:守谷 昌紀