今日は久し振りに、吉松歯科医院に行っていました。
アプローチに掛かる屋根の補修とメンテナンスの事で、工務店の担当者と相談に行っていたのです。
2003年の3月に竣工して6年目。木に雨が掛かる部分で、痛みが激しい箇所はひとまず応急処置をして貰い、5年に一度はメンテナンスをしましょうという事になりました。
その後、10年目を迎える2012年の春には、院内の塗装もやり替える事になりました。しかし、全体的にみれば、愛情を掛けて貰っているのが一目で分かるくらい、美しく保たれていました。
正面にある医院のキャラクター「ニコッパ」も、開院時の笑顔のまま。
当たり前ですが。
アプローチの緑も、しっかり育っています。
新しい設備として、将来導入したいという話だった口腔外バキュームが入っていました。
大理石のオブジェも、鮮やかな色を壁に映します。
院長と、開院当時は31歳だった事、その時からずっと働いてくれているスタッフがいる事、下のお子さんがもう年長組になった事、等など小一時間話をして帰って来ました。
この医院の設計は3社が競合していました。
当時、商業建築はカフェの改修1件だけだった当事務所を選んで貰ったのです。
「私達が一番長く愛される医院を創ってみせる」と意気込んでいましたが、医院の経験の無い設計事務所を指名するには、勇気が要ったと思います。
その実績によって、仕事の巾が広がりました。心から感謝していますが、それ以上にその勇気と期待に何とか応えたいと真剣に思ったものです。
是非の初心 忘れるべからず
時々の初心 忘れるべからず
老後の初心 忘れるべからず
命に終わりあり 能に果てあるべからず
能の完成者、世阿弥の言葉です。慢心する成果など全くありませんが、その言葉がいつもあります。
文責:守谷 昌紀