2020年4月2日。姫路城を訪ねていました。
午後から、揖保郡太子町にある「ささき整形外科クリニック」の院長と、ある計画の打合予定でした。
少し早めに大阪を出て、立ち寄っていたのです。
世はコロナ下の社会へ移行していく前夜というタイミング。
今は亡き安部首相が緊急事態宣言を発令したのが4月8日でした。
世界遺産の姫路城も天守閣は閉鎖中。
人もまばらだったのが印象に残っています。
揖保郡太子町は姫路の西にあり、車で30分程。
西国街道沿いに発展した街のようですが、西播を訪れて感じるのはその平野の広さです。
人口3万人の太子町中央あたりに位置するのが 「ささき整形外科クリニック」 。
2015年に開院しました。
院長の「医療の中でも整形外科はポジティブな科目だと思います」という言葉が印象に残っています。
診療の際、患者さんには足腰への負担が少ない水中での運動を勧めるそうですが、その施設が足りていないことが計画の動機になりました。
自身が学生時代は水泳部に所属していたこともあり、現クリニックの隣に、プールを備えた通所リハビリテーションの建設を決めたのです。
それが「ささき整形外科クリニック デイケアセンター 」です。
治療室は100㎡以上。
エアロバイク、筋肉強化マシン、レッドコードなどを備えます。
やはり一番の特徴はプール。
10m×3mの水中トレーニングエリアがあり、年齢を問わず健康を維持、発展してもらう施設なのです。
災害時に少しでも地域の役に立てればと、井戸、太陽光発電、蓄電池設備なども備えています。
地域の方々に恩返しがしたいという真っすぐな思いが、この計画の推進力でした。
当初の予定では、2022年の5月のオープンを目指していました。
しかし新型コロナの影響で、計画は1年先延ばしとなり、2023年の5月に目標は変更。
更に物価の高騰もあり、工事費の調整に時間が掛かったのですが、昨年末にようやく決着したのです。
3年前の春、誰しも「この先どうなるんだろう」という不安に苛まれました。
それでも時は流れ、季節は移ろい続けます。
止まない雨はないように、ようやく着工へとこぎつけたのです。
「長く健康に」
この言葉を具現化するため、夏の竣工へ向けていよいよ工事が始まります。
■6月16日 『ESSE-online』に「おいでよ House」掲載
■ 『ESSE-online』にコラム連載
10月11日「テレワーク時代の間取り」
9月18日「冷蔵庫の位置」
6月18日「シンボルツリー」
6月5日「擁壁のある土地」
4月11日「リビング学習」
2月27日「照明計画」
2月14日「屋根裏部屋」
2月1日「アウトドアリビング」
1月4日「土間収納」
■11月28日『homify』の特集記事に「回遊できる家<リノベーション>」掲載
■11月17日『homify』の特集記事に「下町のコンクリートCUBE」掲載
■6月11日『homify』の特集記事に「R Grey」掲載
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