「伊東内科クリニック」-17-診察室には

 お盆を過ぎてはや2週間。

 高校野球が終われば、夏はあっと言う間。国語の先生が言っていた言葉を思い出します。

 空も濃紺からスカイブルーへ変わったような。

 待合室も下地の大半が出来上がりました。

 曲面壁の前に待合ソファーが来るのです。

 昼からはクライアントと、造り付け家具の打合せ。メインは診察机です。

 ここまで、ケーススタディーを繰り返してきました。

 最終形が見えてきたので、実寸でベニヤを切ってもらったのです。

 早速、診察を再現です。これはクライアントに座って貰う他ありません。

 普段は、全く感じないのですが、患者さん(役の工務店の若手)の手を持つ感じが、完全にお医者さんのものでした。

 力が入り過ぎず、緩すぎず。無駄な力感が無いのです。

 当然なのでしょうが、流石だなと感じました。

 診察室では、血圧を測ったり、問診したり、パソコンを打ったりと、行動は複雑です。

 それらに最適で、しかも患者さんと良い距離感を保てる形状を探ってきました。

 中央の出っ張りを更に95mm引っ込めることにしました。

 納得できるところまで、徹底的にいきます。

 その後は、床材や待合ソファーの相談です。

 色、素材にも勿論こだわっています。

 無難でなく、とんがりすぎず、このクリニックのコンセプトを表現できる、素材と色の組み合わせを探ります。

 全てを満足する、一本のラインがどこかにあるはずです。

文責:守谷 昌紀
建築家 / 大阪  一級建築士事務所 アトリエm

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