カテゴリー別アーカイブ: C28 「頑張れる家(イタウバハウス)」

「頑張れる家(イタウバハウス)」-23-5年が過ぎ

 先週ですが、イタウバハウスへ行ってきました。

 僅かに色づいたジューンベリーも、ゆっくりと成長していました。

01 - コピー

 ご主人が施工したイタウバのルーバーは、竣工当時は鮮やかな茶色でした。

 紫外線によって、木は白けてきます。ご主人は、木の屋外遊具等を製作する施工会社の方で、堅木の特性を熟知しています。

 自然の変化を受け入れ、見越したデザインにして欲しいという要望だったのです。

 5年が過ぎ、そのコンセプトが正しかったと実感します。

03 - コピー

 共働きで、お子さんは3人。その中で、これだけ綺麗に片付けて貰い、恐縮します。

 ご主人も「これだけ片付いているのは撮影以来かも」と。日々の暮らしこそが、親を鍛えていくのだと実感するのです。

05 - コピー

 夫妻とも、トラックのファンで、キッチン前の家具が追加されていました。

 トラックの人もこれだけ活かして貰ったなら、本望なのでは。

07 - コピー

 今回伺ったのは、施工して貰ったバルコニーのデッキ材に浮きが出ているとのこと。

 施工会社の社長と一緒に見に行ったのですが、少し水がまわっているかもしれないと。後日調査をして貰うことになりました。

 何も無いのが一番ですが、何か無ければ、建ったあとの住宅に入ることさえありません。

09 - コピー

 お子さんは小学4年、小学2年、そして4歳。

 一番下のお子さんは、もうすぐテーブル付きのイスを卒業でしょうか。

 「ここだけは、シールOKにしているんです」とのことでした。

 どこに貼っても良いという自由も方針の一つです。しかし、この家を大切に思っているという両親の気持ちが、子供には伝わるのではとも思います。

 5年過ぎ、その家の個性は変化して行きます。

 メンテナンスフリーを目指しますが、変化する素材ならでは味わいがあるのも、また確かなことなのです。

文責:守谷 昌紀

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「頑張れる家(イタウバハウス)」-22-バルコニーにて

 先日、日記に書いたのですが7月8日(日)は、イタウバハウスへ行っていました。

 住宅情報誌の取材だったのですが、話の流れから、クライアントがジューンベリーの写真を何枚か送ってくれました。

 夕食はバルコニーで食べたんですと、その写真も添えられていました。

 メッセージも転記します。

 妻とあらためて「ほんまこのバルコニー最高やな、気持ちいいわ!」と言いながら食べていました。
 子供は遊んでほとんど食べませんでしたが……
 

 ここでビールを飲んだら気持ち良いだろうなと思うのですが、夫妻はお酒を飲みません。

 よって、これはビール好きの勝手な妄想なのです。

 花。

 実。

 収穫。

 紅葉。

 よじ登る。 

 笑う。

 家は普段の暮らしの場であり、ドラマが起こる舞台でもあります。

 毎日をドラマチックに暮らせる、工夫、仕掛けをしたいと思うのです。

 日常にそんな余裕はないという声が聞こえて来そうですが、それでも構いません。

 その可能性を夢見るのが私達の仕事ですから。

文責:守谷 昌紀

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「頑張れる家(イタウバハウス)」-21-1年点検

 イタウバハウスが完成してはや1年。

 ルーバーの色も落ち着いてきました。

 「大掃除を兼ねて片づけました」の言葉通り、家の中はとても美しく、愛情をひしひしと感じます。

 1年点検の時、出来るだけ聞いているのが光熱費の件。

 夏は電気代が高い時で1万円、ガス代が4、5千円。

 冬は電気代が4、5千円で、ガスが1万円行くか行かないかだそうです。

 こちらの家はガス温水床暖房が入っていますが、冬の朝と夜に使ってこの金額とのことでした。

 工事中に間取りの変更をしたのは、彼の命が宿ったからでした。

 春生まれの7ヶ月です。

 奥さんが皆に「大きいねエって言われるんです」と。

 丸まると太った、どこからどう見ても元気な男の子です。

 抱っこされていても、遊んでいても、時々顔を確かめるそう。

 私の顔を見た後は、お父さんと顔を見合わせます。

 色々なことを急速に学習しているのでしょう。

 2階LDKの前にあるデッキに、非常用の避難口が設置されていました。

 ご主人は工務店に勤めるプロですが、素晴らしいの一言に尽きます。

 加えて、洗濯干しの上部に、ポリカーボネイトの庇も設置されていました。

 ちょっと、雨が……という話もありましたが、非常用と考えれば立派なものです。

 デザインのほうは完璧です。

 元々ご主人の会社は、外部遊具や、デッキの制作を得意にしていました。

 時間とともに、木が白っぽくなる様を「木が白ける」と言うそうです。

 その自然な変化もこの計画のコンセプトに入れようとなりました。

 垂直材のルーバーより、水平材のデッキのほうがより白けていました。太陽光の力はすごいものです。

 1年点検は概ね木製建具の微調整のみ。とても快適に暮らしていると言って貰いました。

 奥さんの友人が、来宅した時のこと。家の前で「○○さんの家だけ、周りの家と全然違うやん!」と言われた時は、少し焦りましたと。
 
 まずはクライアントの幸せ。次に、建築は自由なものだと知って貰いたい、そして街に貢献したいという気持ちで、建築設計をしています。

 しかし、このような話を聞くたびに、近隣の人はどう考えているのか、何とも表現し辛い気持ちにはなります。しかし、未だ明確な答はありません。

 今のところは、勇気を持って、自分らしい家を創りたいと言ってくれる人と、幸せで、誇りに思って貰えるような家を創り続けるしかないと思っています。 

文責:守谷 昌紀

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「頑張れる家(イタウバハウス)」-20-取材

 『SUMAInoSEKKEI』の取材が、日曜日の10:30amからありました。

 編集長、ライター、写真家と近くの駅で待ち合わせ、すぐに現地へ。

 昼すぎから雨の予報だったので、挨拶もそこそこに撮影が始まります。

 まずは外観と家族写真。

 カメラマンは結構若く気さくな人でした。

 今まで会った写真家は、どちらかと言うと職人肌の人が多かったでしょうか。

 「ご主人!もっとくつろいで下さ~い」みたいなリクエストもあったりして、緩やかな感じで撮影は進みます。

 一番のお兄ちゃんは、ルーバーを登ってくれたそうで「とてもいい絵になった」と聞いたのです。

 私は編集長と話をしており見れなかったのですが、おそらく採用のされるでしょう。

 ライターの方も、今回で3回目。取材は私へもあります。

 撮影の邪魔にならないよう、ライター、編集長と階段で話します。 

 初めて竣工写真を撮って貰った時、ベテラン写真家に「コンセプトが一番大事」と言われました。

 その時は「建築の出来上がりが一番大切だろう」と思っていました。

 取材されて分かります。「何故こうなったのか」「どんな工夫をしたのか」などの質問に、スッと答えられないようではプロ失格です。

 仕事に大切なのは永続性。環境や偶然に頼っているのでは、確実性がでません。

 その際、通常行うコストダウンの進め方に、2人とも驚いていました。

 これは紆余曲折を経て現在の形に至ったものです。魔法のような方法ではありませんが、クライアントが納得出来る唯一の方法とも思っています。

 今回はこの家が誕生するストーリーに注目した記事になりそうです。これらの方法も含めて、全金額が公開された記事になります。

 掲載は9月21日発売号です。またお知らせします。

文責:守谷 昌紀

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「頑張れる家(イタウバハウス)」-19-第3子誕生

 計画中「頑張れる家」と呼んでいたこの計画。

 現在「イタウバハウス」となり、webサイトにもUPしています。

 正面を覆うルーバーが「イタウバ」という木です。

 竣工から5カ月。良い感じに色褪せてきました。

 この木製ルーバーに塗装をせず、自然に色褪せて貰うのも、重要なコンセプトなのです。

 前庭に植えたジューンベリーの葉も青々と葉を付けていました。

 先日、第3子が誕生したとお聞きし、ご夫妻に会いに行って来たのです。

 着工したのが昨年の8月。上棟式が終わってすぐの10月中頃、ご懐妊が分かりました。

 3階の子供部屋は、将来2部屋に分割出来るよう計画していました。

 「今から3部屋に分割出来るよう、窓を配置することは可能ですか」と、ご主人から連絡があったのがこの頃。

 すぐに施工会社へ連絡すると「まだ大丈夫」と。

 大げさに言えば、ハプニングとトラブルこそが家づくりの本質です。それらが物語に味付けをしてくれるのです。

 喜び勇んで、すぐに立面と窓の関係を検討し直したのです。

 お子さんが熟睡していたので小一時間程お話しをしていました。

 夜も良く寝てくれるとても賢い男の子は、帰る前に元気な泣き声も聞かせてくれました。

 小さい頃、近所のおばさんが「赤ちゃんは泣くのが仕事」と繰り返し言っていた事を思い出しました。

 ジューンベリーはその名通り、6月を前に赤い実をつけていました。

 美味しいと聞いていたのですが、期待させるに十分な色あい。これは鳥も狙っているでしょう。

 もうすぐ生まれるかなと思っていた頃、住宅雑誌の編集長から連絡がありました。

 これこれの特集で「イタウバハスウス」を取り上げてくれるとの事で、そのオファーで誕生が分かったのです。

 ご家族には負担を掛けることになりますが、快くOKして貰いました。むしろ楽しみにしていると。

 候補日は2日、決まり次第夫妻に連絡します。 

文責:守谷 昌紀

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「頑張れる家(イタウバハウス)」-18-竣工写真

 先週の日曜日「頑張れる家」の竣工写真を撮りに行ってきました。

 今回は、自分で撮影しようと思っていました。一度オープンハウスの際に撮っているので、何とかなると思っていたのです。

 この日は一日中快晴。

 やはり外観は、青空に限ります。

 内部は一番荷物の多いだろう、3階子供部屋から。

 美しく掃除済で問題なくというか、予想以上の感じで撮り終えました。 

 メインは2階のリビング・ダイニングですが、丁度正午の光で撮影しました。

 これで日中にイメージしていたカットを終了。

 一旦現地を離れ、光庭の撮影現場へ。

 夕方5時半ころから、夕景の撮影を再開しました。

 タイミングが思っていたより遅く、結局日没の20分後、6時15分頃に最後のカットを撮り終えました。

 その後、コーヒーを頂きました。

 現場の担当者だったスタッフは午後のに来れず、堂島ロールをお土産に包んで貰ったのです。

 こちらのご夫妻、お酒よりは甘いもの好きなのです。以前にも、クリスピークリームドーナツを頂いたのです。

 写真は揃ったので、近いうちにwebサイトにUPします。

 とても楽しいページになると思います。

 
文責:守谷 昌紀

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「頑張れる家(イタウバハウス)」-17-ジューンベリー

 年末に建物が完成し、やや落ち着いた頃。そろそろ、庭木をと言うことになりました。

 いつも通り古川庭樹園へ行って来ました。

 こちらの専務は造園の世界では相当に有名な人です。先日は秋篠宮ご夫妻と話されたとのこと。
 
 しかし気軽に樹を探すのに付き合ってくれるのです。 

 クライアントは、桜とジューンベリー(セイヨウザイフリボク)とで迷っていました。

 良い機会なので、専務に色々と聞きます。

 結果、三拍子揃った、ジューンベリーに。

 花、実、紅葉が楽しめるのです。

 沢山の樹の中から、少し枝分かれした愛嬌のある一本に決まりました。

 クライアントが、大型のバンで来ていたので、今回はそのまま持ち帰ることに。

 帰り際に、あることを知った専務が、下草類を少しプレゼントしてくれたのです。

 本当に嬉しいことですが、その理由は、またの機会に。

文責:守谷 昌紀

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「頑張れる家(イタウバハウス)」-16-1ヶ月点検

 竣工が昨年末だったので、1ヶ月点検に行って来ました。

 納品出来ていなかった、木製建具や網戸の加工などもあり、私たち、施工会社の職人で玄関は靴でいっぱいに。

 コストを抑える為、郵便物は外壁にある口から、直接投入されます。

 それを受けるカゴがとてもセンスのいいものでした。

 家具と共に、旭区に引っ越したTRUCKで購入したそうです。

 この家具屋さんは本当にファンの多い店です。

 外部を覆うルーバーには、一か所開口が空いています。

 お子さんが小さい間は、何らかの方法で閉じたいと聞いていました。

 その方法が素晴らしかったので、UPで載せてみます。

 周囲に、小さなリングを付けて、ワイヤーで一筆書きのように格子を描き、最後に金具で絞めてあります。

 本当に良く考えられているのです。

 こういうのを見ると、専門家っていったい何、と思ってしまいます。

 昼一番で伺ったのですが、お子さんはたまに居るお父さんと遊んで欲しく「オッチャンもう帰る?」と繰り返し聞いてきます。

 「もうちょっとな」と矛先をかわしながら、クライアントと話をしていたのですが、だんだんと機嫌の方が……

 ご夫妻は、すいません失礼なことを、いう感じでしたが、子供にとっては迷惑以外の何物でもありません。

 正直でとても明るい、かわいいお子さんです。

 建物を一通り回り、3時頃失礼しました。

 次の課題は正面の植栽。

 何の樹にするか、まだ夫妻で意見が分かれているので、方針が決まれば連絡を貰うことになっています。

文責:守谷 昌紀

建築家 / 大阪  一級建築士事務所 アトリエm
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「頑張れる家(イタウバハウス)」-15-ご来場有難うございました

 12月23日の祝日、無事オープンハウスを終えました。

 ソファはクライアントが先に搬入してくれました。

 その他の家具は、私が家や事務所で使っているもの。

 朝からの搬入でバタバタしましたが、天気もよく、10時のオープンを待ちます。

 1階には照明器具とソファを。

 3階にはイスを置きました。

 僅かでも家具があると、スケールを想像しやすいと思います。

 3階バルコニーと2階のデッキは何となく一体感があるような外部空間をイメージしていました。

 初めてのことで、どのくらいの人が来てくれるか、不安もありました。

 最優的には30人の方が、遊びにきてくれました。

 子供さんも含めてですが、活気があって賑やかなのは何よりです。

 子供がどんな行動をとるかは、とても気になります。

 思っていたような行動をとってくれた時、創り手冥利に尽きるのです。

 概ねとても良い反応で、ほっとしました。

 体感するしかないのが空間です。

 もし機会があれば、是非開催したいと思います。

文責:守谷 昌紀

建築家 / 大阪  一級建築士事務所 アトリエm

「頑張れる家(イタウバハウス)」-14-オープンハウス開催

 このたび、クライアントのご厚意により、「頑張れる家」にてオープンハウスを開催いたします。

 住宅街にある20坪の敷地に建つ、木造3階建て住宅です。延べ面積は30坪(各階10坪)のローコスト住宅で、詳細な金額もすべて公開しています

 街中でどれだけ外部を取込めるかをテーマに設計しました。

 参加を希望される方は、下記までお名前を明記の上、メール、またはfaxでご連絡ください。当日の連絡先と地図をお送り致します。

 オープンハウスのあと、当事務所から連絡をすることはありませんので、気軽にご参加ください。

一級建築士事務所 アトリエ m
建築家/一級建築士 守谷昌紀
〒547-0033 大阪市平野区平野西 5-6-24
tel 06-6703-0181 fax 050-7103-3717
E-mail: info@atelier-m.com

 工事が予定より遅れていたので、開催のお願いを迷ったのですが、クライアントからの返事は、とても温かいものでした。ここに転記致します。

 守谷様

お世話になります。

この『頑張れる家』は確かに私たちの家になりますが、その夢がかなったのは、守谷さんが設計を引受けていただいたからですし、
施工会社の方が工事を請負っていただけたからだと思っております。

守谷さんはいつも私たちに、『なんでもおっしゃってください』と言ってくれますが、こちらへもお気づかいなくなんでもおっしゃて
いただければと思います。

初めて模型を見たときめっちゃカッコイイ!と思いましたが、実物はその何倍何十倍もカッコイイ!と思っておりますし、なんとも言えない感動がわきあがってきます。

オープンハウスで一人でもこんな家に住みたい、カッコイイと言ってくれる人がいたらこちらもとてもうれしいです。

本日、見学に来られていた守谷さんのお仲間(友人?)の方々のご感想はどうでしたか?またお聞かせていただければと思います。

マイベストプロを拝見させていただきました。記事の最後の『守谷さんに連絡する決断をしませんか』を読んで、守谷さんに連絡する決断をしたことを心からほんとによかったと思います。

あとは頑張って引越しの準備をするだけです。残り1週間ほどになりましたが宜しくお願い致します。

文責:守谷 昌紀
建築家 / 大阪  一級建築士事務所 アトリエm