現場での打合せは、概ね2週間に一度行います。

前回は9月の始めで、この時は大所帯で訪れました。

スイッチ、コンセントの位置を決めるのに、型紙を貼っていくからです。
施工会社からは監督ともう1人、電気工事の担当者に、当社からは2人。
加えて、オープンデスク生も連れて行きました。

この打合せは、電気などの配線の前で、しかも壁を塞ぐ前に行います。
よって、タイミングが限られます。

昨日訪れると、すでに壁の前面に繊維状のシートが張られていました。

そこに小さな穴を開け、断熱材を吹き込んでいくのですが、1階はすで施工が終わっていました。
断熱材は古紙を粉砕したもので、「セルロースファイバー」といいます。

断熱性能とともに遮音性能が優れているのです。
一般的な断熱材よりは高くなりますが、静かな環境を求める人には合った工法なのです。

コートハウスなので、開口部は全て中庭に向いています。
閑静な住宅街のうえ、この工法を用いているので、かなり静かな室内環境になるでしょう。
環境、プラン、性能がかみあってこそ、それらは実現できるのです。
文責:守谷 昌紀
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◇一級建築士事務所 アトリエ m◇
建築家 守谷昌紀のゲツモク日記
アトリエmの現場日
台風の通過で、建方が3日ほどずれこみました。

何とか、盆休み前に上棟した「白のコートハウス」。

エントランス周りは、家族用動線が別にあり、家事動線をコンパクトにしています。
なぜコンパクトになるかは、もう少し工事が進んでから説明します。

玄関から中庭を見ながらLDKに入って行く景色は、コートハウスならでは。
近隣の視線を気にせず、開放できるのが最大の長所です。

LDKはL字になっており、2面が中庭に接します。
中庭に対しては、天井面まで開口部としました。
建物の中心に行灯(あんどん)が差し込まれている光景をイメージしてもらえればと思います。
直射光ではない、優しい光が常にそこから漏れてくるのです。

2階は、中庭を囲むように4部屋を配置しました。

主寝室には前室をもうけています。
ゆったりとした空間になると思います。

外部からの視線を気にしなくてよいバルコニー。
この空間を使うのは主にご主人か。この用途も追々。

中庭の足場がとれるのは10月頃か。
その時に差す光が楽しみな計画なのです。
文責:守谷 昌紀
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アトリエmの現場日
敷地は閑静な住宅街で、近くにコンビニもない。
この便利で忙しない時代、静かさは何にも代えがたいということがわかる。
息を止めては大げさでも、見ず知らずの人が歩けば、周囲からの視線を気にすることになるだろう。

金額調整も終え、6月から本格的に工事はスタートした。
配筋検査を終えると、建物と敷地の関係がよく分かる。
特徴は、何といっても6畳ほどの中庭だ。

この建物は、外には完全に閉じている。

そして全ての部屋がこの中庭に開いている。
コートハウスも、L型、コの字型とバリエーションがあるが、ロの字のコートハウスは、最も大きな敷地を必要とする。
反対のいい方をすれば、各部屋へのアプローチを要するため、面積効率が悪いともいえるのだ。

夫妻は共働きで大変に忙しい。
その中で、家事動線を限りなくコンパクトに、そして気楽に開ける屋外を求めた結果、このプランに行き着いたのだ。
家事動線については、奥さんと細に入り打合せをした。
とてもコンパクトで、スムーズな動線になったと自負している。

プライバシーが保たれ、家族だけの空がある家。
ミニマルな箱の中に、豊かな空間を生み出したいと思う。

文責:守谷 昌紀
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アトリエmの現場日
1996年、25歳の時に生まれ育った大阪に設計事務所を設立しました。関西を中心に、東京、長野まで、注文住宅、クリニック、別荘、店舗、オフィス、保育園と、直接依頼頂いたクライアントにおよそ100件の作品を持たせて貰いました。 形態も新築、リノベーション、コンバージョンと様々で、 物づくりの現場より面白い所を私は知りません。ダイナミックな現場を、動画を交えてあますところなくお伝えします。