「千葉の家」-1-プロローグ

 2012年の8月下旬。千葉から電話を貰った。

 webサイトで当事務所を見かけて、とのこと。

 転勤により、様々な地域、国で暮らした結果、この地に家を建てたいという結論に至る。次は、どうすれば自分達の思い描いた家が建てられるかを模索することになった。

 そんな中、大阪の当事務所にも、2度足を運んでくれた。うち1回は車での来所。

 その帰りに、車のトラブルが起こった。原因は整備工場のケアレスミスだったが、幸いにも大事故には至らなかった。しかし、夕方に大阪をでて、家に着いたのは翌朝だった。

 「そんなこともあったねと、いつか笑い話になれば」と言えば歌詞のようだが、計画はゆっくり前進し、ようやく着工へとこぎつけた。

「リヴァプールは夢、柏は生活」とはクライアントの言葉。

 リヴァプールとは、イングランド・プレミアムリーグの名門チームを指し、柏は柏レイソルを指す。熱烈なサッカーファンなのだ。

 初めて敷地を見に行った際、多くの人が黄色いユニフォームを着てスタジムに向かう姿を見る。体感として、地域密着という言葉を理解できたのである。

 スティーブン・ジェラートらが所属するその名門チームのホームスタジアムがanfield。

 何度かこの地を訪れたクライアントは、今度建てる家はあんな外観にしたいと考えた。よって外観はそれらをモチーフにしている。街を愛する人が増えれば、その街は良くなる。その一助となるような家になればと思う。

 内部や、奥さんのこだわりにはまた追々。

文責:守谷 昌紀

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