「伊東内科クリニック」-12-開口部

 今か今かと梅雨明けを待ちますが、日曜日も雨。

 お昼前から打合せがありました。

 地下鉄の野江内代駅を出ると、叩きつけるような雨。

 日曜日の現場はひっそりしたものです。

 壁が出来上がりつつある2階は、随分感じが出てきました。

 しっかり掃除がされていたので、一人ひっそり感を楽しみます。

 クライアントが見え、打合せを始めました。この日は、スイッチ類の位置、開口部が中心です。

 開口部は、建物の目と考えています。

 その建物の感情というか表情を決定付ける重要jな場所。

 「開口部を狙え」は吉村順三の言葉だったでしょうか。

 前々回だったか、現場に積んであった角材に、皆で腰掛けました。

 その時、施工会社の社長が「伊東さん勝手に座ってすみません」と。

 ここにある物は、全てクライントの物。許可も得ずに……という冗談だったのですが、思わず笑ってしまいました。

 しかし考えてみればその通りです。角材であるうちは施工会社のもの、壁になったらクライアントのもの。

 そうではない考え方はとても良いと思うのです。
 
文責:守谷 昌紀
建築家 / 大阪  一級建築士事務所 アトリエm

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