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「Shabby House」-6-建方

昨日から建方工事が始まりました。

足場組もあり、現場はごった返しています。

3人の職人が、2階の梁上でボルト締をしていました。

一番高い所は、9.2mです。

最も大きな梁の背は25㎝。

ボルトの本数等は、それぞれに決まっています。

柱は全て20㎝角。

柱却は4本のアンカーボルトで筋結されているのです。

デーンという感じで、柱と梁が建ちあがりました。

左端の隅に柱は無いのです。

文責:田辺 幸香
建築家 / 大阪  一級建築士事務所 アトリエm

「Shabby House」-5-受入検査

梅雨明け以来、晴天が続きます。

朝からコンクリートの受入検査に行ってきました。

今日は基礎部分の打設です。

生コンが届くまで、ポンプ車のホース位置を調整したり、コンクリートを均すトンボを作っていました。

ミキサー車が到着したら、まず試験用の生コンを準備します。

スランプの計測(軟らかさを示す数値)は、15±2.5cm内でクリア。

空気量も4.5±1.5%の規定量です。

カンタブという試験紙で、塩化物量を測定しました。

塩分量が多い場合、鉄筋を腐食させてしまいます。

強度試験を行う試験体は合計6本、1週間後と4週間後用です。

夏場は気温が高く、打設面の温度も高くなってしまうので、湿らす程度の水をまきながら進めます。

ホースの側でバイブレーターを使って生コンを流し、その後をトンボやコテで均していきました。

基礎が立ち上がり、建物の形が現れ始めるのです。

文責:田辺 幸香
建築家 / 大阪  一級建築士事務所 アトリエm

「Shabby House」-4-配筋検査

着工が月6日なので、2週間で基礎の配筋工事まで進みました。

今日は審査機関の中間検査。

クライアントのお子さんが、近くの保育園に通っており、ご夫妻で現場をのぞいてくれました。

基礎の底は、底版とかベースとか言います。

検査員から、ベースの被りが(コンクリート面と鉄筋の距離)大きくなりすぎないよう、指摘がありました。

すぐに改善して、一回目の中間検査は合格。

この土地に出会うまで、2年間探したそうです。

住みたいエリア、街を絞り、2008年に購入。そこから設計事務所を探すのにもう1年。

それだけあって、駅も近く、大きな公園があるのに、静かな街です。

池のある公園に、大きな鳥が居ました。何という鳥でしょうか。

どこの池にも一様に「釣り禁止」の立て札。

危険も含めて、自然と深く係わってこそ、その良さが分かるはずです。

管理責任も分かりますが、水都・大阪の面子を掛けて、何とかならないものでしょうか。

何とかしたい気がします。

文責:守谷 昌紀
建築家 / 大阪  一級建築士事務所 アトリエm

「Shabby House」-3-掘方

 梅雨空の下、着工です。

 雨がパラパラしていましたが、クライアントも現場に。

 工事を始める前に、まず敷地の大きさや高さのチェックをします。

 もともと駐車場だったので、今回は解体工事はありません。

 地盤調査は昨年中に終えています。上町台地に位置するだけあって、1m掘らない内に硬質層がありました。

 地盤も良好で、改良無しで進めます。

 「住宅瑕疵担保保険」では、地盤調査報告書の提出が必要な場合があります。軟弱であれば地盤改良が必要な為、調査を終えるまで安心出来ません。

 まず監督と根切り深さの確認をし、掘方が始まりました。

文責:田辺 幸香
建築家 / 大阪  一級建築士事務所 アトリエm

「Shabby House」-2-地鎮祭

梅雨の合間に青空が広がりました。

初めてお会いしたのが昨年の4月。比較的ゆっくり進めさせて頂いたこともあり、設計と見積調整に1年3ヵ月掛かってしまいました。

ようやくこの日を迎えることが出来ました。

クライアント、施工会社、私たちで神社へお参りしました。

着工にあたってのご祈祷をお願いしていたのですが、神主さんは「境内の中の家」のクライアント。

敷地の氏神がこちらだったのです。

拝殿は涼しく、ご祈祷の最中も気持ち良い風が入って来ました。

1歳7ヶ月のお子さんも、興味を持ってその儀式を見ていたのです。

滞りなく式典が終了すると、ご挨拶もそこそこに現地へ向かいました。

ご家族で四隅に日本酒をまいて頂きました。

その後、ご近所へ挨拶回りに。

11月下旬の竣工を目指して、いよいよ工事が始まります。

文責:守谷 昌紀

建築家 / 大阪  一級建築士事務所 アトリエm

「Shabby House」-1-プロローグ

「shabby」を英和辞典で調べると、「着古した」とか「ぼろぼろの」とかいう意味です。

ネイティブにも確認しましたが、決して前向きに使える言葉ではないとの事でした。

クライアントはこの言葉をインテリア用語としてwebサイトで見かけたそうです。

「良いものを大切に、長く使い、自然に古びて行く物の美しさ、心地よさ」というところでしょうか。その考え方に共感しました。

「それならこの言葉の認識が変わるくらい、コンセプトのはっきりした家を目指しましょう。そこも楽しんでしまいましょう」という話になったのです。

「Shabby House」

時が経つほど、愛情が増す、心地よくなる、愛しくなる、例えるなら古着のような……

そんな家を目指します。

サッカーの元日本代表監督、フィリップ・トルシエの言葉を借りるなら、私たちの冒険が今始まりました。

文責:守谷 昌紀

建築家 / 大阪  一級建築士事務所 アトリエm