この計画も、いよいよ終盤になってきました。
玄関は勿論家の顔です。
こちらのお家では、スチールの錆び仕上げとしました。
鉄で扉を作り、それを錆びさせます。その上に透明な塗料を塗るという仕上げ。錆というのは、鉄の酸化物ですから、酸素との接触を絶てばそれ以上酸化は進みません。
クライアントが現場に見えたのが、透明の塗料を塗る前でした。その時点では、ただ錆びたドアがあるだけ。「打合せで見たようなものになると想像出来ない」という感想だったのです。
それで、まずは最終の仕上げまでして、その上で確認して貰うことになったのです。その結果、無事OKを貰う事ができました。
建物の部材は既製品化の一途をたどります。扉関係は、その最たるものと言えます。既成品は大量生産品と言い換える事ができます。同じものを事前に確認することが可能なのです。
どの家もが完全に一点ものだった時代から、車、家電製品と同じように、同じものを見てから買える家が増えました。どちらにも長所、短所はあるでしょう。オリジナルである事を良しとする、私達の家づくりでは先のような課題があるのも事実です。
最終的には、どのような家づくりが、住まい手の幸せに最も貢献できるのかに尽きるのですが。
文責:守谷 昌紀